0000-山口ダム/やまぐちだむ(山口川調整池/やまぐちがわちょうせいち)

中部地方のダム 愛知県のダム

0000-山口ダム/やまぐちだむ(山口川調整池/やまぐちがわちょうせいち)

2017/06/07

所在地:愛知県瀬戸市海上町/愛知県瀬戸市若宮町2
取材日:2011/04/21(木)

瀬戸市にダムとしての機能を失った「廃ダム」があると聞いてやってきました。

「海上の森」駐車場

「海上の森」駐車場

場所は愛知万博(愛・地球博)を知っている世代ならおそらく知っているであろう「海上の森」。「かいじょうのもり」ではありません。「かいしょのもり」と読みます。そのすぐ近くにあります。海上の森はもともと万博会場となる予定でしたが、反対運動により万博閉幕後も保全されることになった里山のことです。

この先、駐車場はありません

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海上の森そのものには駐車場がないため、やや離れたこの場所に駐車場がつくられたのでした。廃ダムにはここに車を止めて徒歩で移動します。

海上の森駐車場にある公衆トイレ

海上の森駐車場にある公衆トイレ

駐車場にはトイレが設置されています。海上の森へ行く場合はそこそこの距離を歩きますので、事前にトイレを済ませておきましょう。

廃ダムへの道

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ただし、廃ダムへは海上の森とは全く違う方向に進むことになります。そして道なんてもはやありません。藪を突き進むのです。

山口ダムへの道

山口ダムへの道

藪を突き進み、ちょっとした里山を抜けます。

山口ダムへの道

山口ダムへの道

ちなみに藪では進入路を間違えてしまい、一度撤退を余儀なくされました。藪を抜ければあとはひたすらけもの道のような里山を通り抜けます。

左岸より下流側の堤体を望む

左岸より下流側の堤体を望む

なんとかたどり着きました。かつてダムとして機能していたその名前は「山口ダム」。「山口川調整池」とも言います。のっぺりとした下流面はどちらかと言うと砂防ダムを想起させます。苔むした堤体や錆びついた欄干などがいい味を醸し出しています。時間が止まったそれらと対比してかつてゲートとして機能していた場所から白白と流れる水。

左岸より下流側のゲートピアを望む

左岸より下流側のゲートピアを望む

ざらついたコンクリートも悪くありません。なんというか自然に溶け込んでいるというか。ダムとしての役割を終えた山口ダムを気に入らない愛好家もいるようですが、実はもともと「砂防ダム」としての役割と「洪水調節」「灌漑」「上水道」という役割を持つダムだったのです。そして現在は「砂防ダム」として存在するのです。

左岸より天端を望む

左岸より天端を望む

しばしこの光景に見惚れる私。

左岸より下流側の堤体・減勢工を望む

左岸より下流側の堤体・減勢工を望む

NDフィルターを使って遊びます。水が流れてるとついやりたくなってしまいます。苔むした堤体に鱗のような水叩きに白糸のような放流(意図的な放流ではないので正しくは越流の方がいいのかもしれませんが)は実に美しく見えます。

天端の手動バルブを望む

天端の手動バルブを望む

目線を再び天端に戻します。斜めになっている手動バルブに違和感を覚えますが、元からこうだったのか治水・利水ダムとしての役割を終えた時にわざとこうしたのか・・・。

天端より下流を望む

天端より下流を望む

下流もなかなかに素敵です。

天端より左岸のフーチング?を望む

天端より左岸のフーチング?を望む

堤体を下流側から見てみたいのですが、結構な段差があるようでしたので、無理をせず断念しました。

天端よりダム湖を望む

天端よりダム湖を望む

現時点では砂防ダムとしての機能しか果たしていませんので、果たしてダム湖と呼んでいいのかどうかはわかりませんが、ともかくかつてはここに満々と水を湛えていた場所です。

天端のゲート操作部を望む

天端のゲート操作部を望む

まるで船の舵のようなゲート操作部です。役目を果たした彼らはこの先いつまでこうして留まることができるのでしょうか。

天端より減勢工を望む

天端より減勢工を望む

鱗のような水叩きが何度見ても印象的です。水に濡れてますます鱗のようです。

天端より下流を望む

天端より下流を望む

瀬戸は名古屋市のベッドタウンですが、自然もいっぱいあっていい場所です。ただ藪がまるでこの地に寄せ付けないかのようですが。

天端より放流を望む

天端より放流を望む

またNDフィルターで遊んでみます。
今にして思えば動画も撮っておけばよかったです。

右岸の越流式洪水吐?を望む

右岸の越流式洪水吐?を望む

なんとなくですが、ここだけ新しく改造したように見えますが、さてどうでしょうか。

ダム湖を望む

ダム湖を望む

今では砂防ダムとしての機能しかありませんので、果たしてダム湖と言っていいかどうか微妙ですが、「元ダム湖」とでも表現すべきでしょうか。

天端のゲート操作部を望む

天端のゲート操作部を望む

時折ハチが飛んでくるので避けながら天端からあちこち見回します。

ゲート巻き上げ機のすき間よりゲートを望む

ゲート巻き上げ機のすき間よりゲートを望む

ゲート巻き上げ機にすき間があり、そこから下を覗いてみます。すると役割を終えたはずの鋼製ゲートが、しっかりと水を止めているようでした。

ゲート巻き上げ機のすき間よりゲートを望む

ゲート巻き上げ機のすき間よりゲートを望む

こちらは先ほど放流しているように見えていたゲートの部分です。

ゲート巻き上げ機のすき間よりゲートを望む

ゲート巻き上げ機のすき間よりゲートを望む

こちらもゲートで止めつつも、少し漏れているようです。

治水や利水としての役割を終えても砂防としての役割を継続して果たそうとする山口ダム。見学するにはあくまで自己責任となりますが、ゆっくり考え事をするにはきっとピッタリ来るダムだと思います。機会があればぜひ訪れてみて欲しいです。

山口ダム(山口川調整池)諸元

河川名 庄内川水系山口川
目的 洪水調節、かんがい用水、上水道用水
型式 重力式コンクリートダム
堤高 17.1m
堤頂長 56.1m
堤体積 -m3
流域面積 17.28km2 ( 直接:-km2 間接:-km2 )
湛水面積 5.3ha
総貯水容量 178,000m3
有効貯水容量 115,000m3
ダム事業者 愛知県
本体施工者
着手年 1933年
竣工年 1934年
ダム湖名 山口川洪水調節池

その他の設備/所感

駐車場 海上の森の駐車場を利用しましょう。トイレも完備。
もはや言うことはありませんが、藪の中を進みます。
釣りは水量が少ないのですが、釣れるんでしょうか?
トイレ
公園 ×
PR展示館 ×
釣り ○?

山口ダム(山口川調整池)に近いと思われる宿泊施設

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