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穴あきダム

2012/10/10

読み方 : アナアキダム
別名 : 治水専用ダム

穴あきダムとは治水ダムの中でも洪水調節にのみに特化したダムのことで、堤体下部に常用洪水吐に相当する常時穴の開いたゲートを所有するダムのため、そう呼称されるようになった。また、多くの穴あきダムではクレスト部に非常用洪水吐として自然越流式のゲートを持つのが一般的。

河川上流から流下した水が、そのままゲートを通過するため、平常時のダム湖は水を貯めることがなく、その様子から治水ダムを知らない者は渇水しているものと勘違いしてしまうことが多々ある。

ゲートのサイズは洪水カット量を基準に算出されるため、常に一定量が流下するように設計されている。そのため、その量を上回る量の流入量があるような洪水時には、一時的にダム湖に貯水され、流入量が減るに伴い貯水量も低下して、通常の状態に戻るようにな洪水調節となる。

また、通常のダムのように貯水しないため、上流側と下流側の川床の高さはほぼ同じであるため、魚類の往来に支障を来すことがなく、魚道を設置する必要がないことや、水量調節の必要がないため、各種バルブやラジアルゲートやローラーゲートに代表されるような鋼鉄製のゲートが不要であること、さらにはダム湖に水がないため、堆砂の除去や維持管理が容易であることから、イニシャルコストやランニングコストがかからないとされる。

なお、平時のダム湖は貯水しないため、サーチャージ水位となる試験湛水満了時や洪水時は、滅多に見られない非常に貴重な姿を見ることができる。

かつての長野県知事で「脱ダム宣言」を発表した田中康夫は、代替案として最終的に「河道内遊水池」案を示したが、これは「河道内に高さ30m~40mの堤防で河川を横断し建設、治水を行う」と結果的にはダムであり穴あきダムそのものであった。

穴あきダムの代表例

天端より下流側を望む
▲1170-原野谷川ダム/はらのやがわだむ

左岸下流側中腹より堤体を望む
▲2905-金城ダム/きんじょうだむ(下流側)

左岸ダム湖側より堤体を望む
▲2905-金城ダム/きんじょうだむ(ダム湖側)

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