下流より堤体を望む

北陸地方のダム 石川県のダム

0928-辰巳ダム/たつみだむ

2019/09/07

取材日:2012/02/19(日)
所在地: (左岸)石川県金沢市相合沢町 (右岸)石川県金沢市上辰巳町

7年近く経ってようやく試験放流の際の記事を書くことをお許しください…。

この日は前日から雪が降り、スタッドレスタイヤを持っていない京都のダム愛好家だしぇろさんと西王子を愛知から迎えに行ってから現地に行くというとても思い出深い見学でした。

しかし本当に尋常ではない量の大雪で、京都に入ってからはずっと雪道を走っていたような気がします。

下流より堤体を望む

早朝に京都で二人をピックアップして到着しました辰巳ダム。かなり雪深いです。そして自由越流式のクレストから水が放流される辰巳ダムの姿が見えます。

下流より堤体を望む

クレスト部分を望む

いい位置で堤体が望めるのは良いですね。

クレスト部分を望む

クレストゲートを望む

放流を見に愛好家だけでなく一般の方も来ていました。大雪にも関わらずかなりの人数だったように思います。

クレストゲートを望む

石川県辰巳ダム管理棟

右岸に管理所が見えます。あとで行ってみましょう。

石川県辰巳ダム管理棟

右岸の下流側堤体とフーチング

この日は雪がすごかったので、堤体にも雪が付着しています。フーチングはかなり積もってしまい、昇降することは無理な状態です。

右岸の下流側堤体とフーチング

堤体コンクリート表面

ズームアップして堤体のコンクリート表面です。雪で濡れてしまっていますが、打設したばかりで綺麗なのが分かります。

堤体コンクリート表面

右岸より下流側の堤体を望む

少しづつ堤体に近づいていきます。導流壁が堤体の規模に比して高くできているように思います。

右岸より下流側の堤体を望む

右岸より下流側の堤体を望む

L字に曲がった右岸側の導流壁の外側に窪んでいる部分があります。

右岸より下流側の堤体を望む

辰巳用水東岩取水口への分流工

この窪んでいる箇所は、辰巳用水の東岩取水口への分流のための設備です。堤体から放流された水が、この孔を通って流れていきます。普通のダムではあまり見かけない構造です。

辰巳用水東岩取水口への分流工

辰巳用水の東岩取水口

これが辰巳用水の東岩取水口です。辰巳用水は石川県金沢市を流れる約11kmの用水路で、3代加賀藩主前田利常の命により建設されました。辰巳ダムの右岸側の少し下流にこの取水口があり、そこに水を通す必要があるため、上の分流工がつくられたのです。

辰巳用水の東岩取水口

また、元々の辰巳ダム建設計画では取水口自体が水没する予定でしたが、堤体の位置を上流へと計画が変更されました。

右岸より天端を望む

天端はしっかり除雪されていました。また、この日は自動車の通行はできませんでしたが、現在はアスファルトが敷かれて自動車が通行できるようになっています。

右岸より天端を望む

天端よりダム湖を望む

結氷したダム湖に雪が積もってしまい、一面雪原となっていました。

天端よりダム湖を望む

天端より減勢工を望む

本来なら右岸は護岸されているはずですが、まるで河川がここで合流しているかのように見えます。これは先ほどの辰巳用水に分流して余った分の水が本川に合流するようになっています。

天端より減勢工を望む

左岸より下流側の堤体を望む

ダム湖の水面が結氷している事がよく分かるかと思います。

左岸より下流側の堤体を望む

左岸より天端を望む

大雪が降って足元が悪いのに、入れ違いに見学者が来ていることに驚きます。

左岸より天端を望む

ダム管理棟内部

管理棟の中でしばし休憩。中には模型などいろんな展示物が設置されていました。

管理棟内部

辰巳ダム定礎

管理棟内部には真新しい定礎が設置されていました。

辰巳ダム定礎

管理棟内に設置された模型

模型も置かれていました。写真はバックウォーター側から堤体を眺めているイメージです。

管理棟内に設置された模型

左岸より下流側の堤体を望む

管理棟の脇はテラスのようになっていて、堤体を見る事ができます。竣工後はもう少し雰囲気が変わっていますが、それはまた別の機会に記事にてご紹介したいと思います。

左岸より下流側の堤体を望む

左岸より下流側のクレストを望む

雪が止んだかと思えば、ものすごい吹雪になったりとコロコロと変わる天気です。でもこれはこれで風情があって楽しい想い出です。

左岸より下流側のクレストを望む

左岸のダム湖名が書かれた石碑を望む

右岸にはダム湖名が書かれた石碑が設置されています。ダム湖は「犀清の湖」と書いて「さいせいのうみ」と読みます。

雪深いのでイメージしづらいかもしれませんが、石碑の向こうにダム湖があります。といっても穴あきダムで普段は全く水を貯めないので水のないダム湖が見える、ということになります。水がないのに「湖」とか「うみ」とか…ちょっと複雑な気持ちです。

左岸の石碑を望む

「犀清の湖の由来」の石碑

犀清の湖の由来
犀川の清らかな流れを守り、地域の歴史と伝統を尊重し、発展の基礎となることを願い地元関係者総意のもとこのダム湖を「犀清の湖(さいせいのうみ)」と命名しました。
平成二十四年二月建立

石碑より
「犀清の湖の由来」の石碑

下流より堤体を望む

帰る間際になってようやく雪が止み、陽が照ってきました。

下流より堤体を望む

試験放流時の動画

この時の様子を動画にしてまとめてみました。動画に撮り慣れていないのと、カメラの内部にゴミが付着するなどクオリティとしてイマイチな内容ですが、試験放流のイメージだけでも伝われば幸いです。

辰巳ダム試験放流(石川県金沢市)
ランタイム
2:20

…と想い出深い試験放流となったわけですが、おそらく私が生きている間にクレストから放流することはもうないかもしれません。それだけでも見る価値がかなり高かったわけですが、ただ個人的には洪水調節専用のダムというのは微妙な存在だと思っています。

ダムというのは建設するだけでも多額の費用がかかるのはもちろんご存知かと思いますが、どうせ造るのなら多目的ダムであった方が経済的な合理性があると思っています。地元の合意でこういう結果となったのなら致し方ないとは思いますが、なんだかもったいないなというのが正直なところです。

ともあれ今後は金沢市を洪水から守るダムとして活躍してくれることでしょう。

辰巳ダム諸元

河川名犀川水系犀川
目的F(洪水調節、農地防災)
型式G(重力式コンクリートダム)
堤高47m
堤頂長195m
堤体積154,000m3
流域面積77.1km2
湛水面積42ha
総貯水容量6,000,000m3
有効貯水容量5,800,000m3
ダム事業者石川県
本体施工者飛島建設・福田組・高田組・毎田建設
着手年1975年
竣工年2012年
ダム湖名犀清の湖(さいせいのうみ)

辰巳ダムの地図

その他の設備/所感

駐車場
トイレ
公園
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釣り

辰巳ダムに近いと思われる宿泊施設

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早朝に京都で二人をピックアップして到着しました辰巳ダム。かなり雪深いです。そして自由越流式のクレストから水が放流される辰巳ダムの姿が見えます。
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