岐阜県のダム

1062-神岳ダム/かみがたけだむ

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1062-神岳ダム/かみがたけだむ 岐阜県のダム
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所在地:岐阜県揖斐郡揖斐川町坂内大字川上字トガ
取材日:2010/08/11(水)

左岸より天端を望む

左岸より天端を望む

神岳ダムは、岐阜県大垣市に本拠を置くイビデン株式会社が所有する発電専用のダムです。イビデンは設立当初は「揖斐川電力株式会社」という名前で、水力発電を行う企業でした。現在では主にプリント基板やセラミック製品を扱っています。親戚にイビデンの社員がいるので、個人的にちょっと馴染みのある感じです。

水利権使用標識

水利権使用標識

ダムの管理は私企業であるイビデンですが、1級河川なので許可は国から得ています。

左岸より下流側の堤体を望む

左岸より下流側の堤体を望む

竣工が1935年と戦前という古いダムですが、ちょっと前に大掛かりな改修工事が行われたようで、コンクリートが白くて綺麗です。工事前はもっと苔むした感じで、コンクリートもざらついた風合いでした。工事前の雰囲気のほうが好きという方もいそうですが、丸みを帯びた導流部は建設当時の趣きを残しているかと思います。

下流側より洪水吐を望む

下流側より洪水吐を望む

このあたりの構造も以前と同じになっています。横穴が気になりますが、昔はゲートがあってそれを固定する構造物だったのかもしれません。

左岸の建屋を望む

左岸の建屋を望む

発電用の取水口が付属しており、バルブなどが中にあるものと思われます。ちなみにこの建屋も改修工事で綺麗になったようです。

左岸より下流側の堤体を望む

左岸より下流側の堤体を望む

眩しすぎるぐらいに綺麗になった堤体です。改修工事後はいかにも戦前らしい意匠が施されたこの天端高欄も改造されてしまうのではないかと危ぶまれていたようですが(誰に?w)、昔の意匠そのままに綺麗に塗装されるのみにとどまったようです。

左岸より天端を望む

左岸より天端を望む

残念ながら天端は立ち入り禁止です。神岳ダムと同じように日本軽金属という私企業が持つダムで山梨県に柿元ダム(0965-柿元ダム/かきもとだむ)を思い浮かべますが、こちらは天端に入ることができるという点が大きく異なります。安全のためですので、ここは素直に従いましょう。

左岸よりダム湖側の堤体を望む

左岸よりダム湖側の堤体を望む

自由越流式の洪水吐ですが、こちらから見るとやはりゲートがあったように思われます。または角落としゲートだったようにも見受けられます。

ダム湖側の洪水吐を望む

ダム湖側の洪水吐を望む

その理由はこのスリット部分です。
ここに板を挟んでいたものと思われますが、どうでしょう・・・。

それにしてもよく見ると、水面に違いところが昔のコンクリートですね。これはこれで味があるというものです。

左岸よりダム湖を望む

左岸よりダム湖を望む

これより上流を目指すと「夜叉ヶ池」という雨乞い伝説の池があります。(途中からは登山道を徒歩で行くことになります)

左岸よりダム湖側の堤体を望む

左岸よりダム湖側の堤体を望む

ひっそりと佇む・・・そんな雰囲気を醸し出していますね。

取水口・排砂ゲート(?)を望む

取水口・排砂ゲート(?)を望む

建屋の部分が取水口で、堤体に付属しているのがおそらく排砂ゲートだと思われます。

排砂ゲート(?)

排砂ゲート(?)

排砂ゲートのアップ。下流からならゲートが口を開けているのを見ることができるようですが、草が覆い茂って見れませんでした・・・。

神岳橋

神岳橋

ダム湖側には「神岳橋」と漢字で書かれています。せめて「神岳堰堤」とか「神岳ダム」とか書かれていたら・・・と思いますが、昔は普通に対岸まで渡れたのかもしれません。

かみのたけはし

かみのたけはし

下流側は平仮名で書かれていました。

・・・と古くてもリニューアルして活用していたイビデンさんの神岳ダムでした。

ダム諸元

河川名木曽川水系坂内川
目的発電
型式重力式コンクリートダム
堤高20m
堤頂長52m
堤体積8,000m3
流域面積34km2
湛水面積5ha
総貯水容量215,000m3
有効貯水容量150,000m3
ダム事業者イビデン(株)
本体施工者間組
着手年1934年
竣工年1935年

その他の設備/所感

ダムまでは車で来れますが、やや狭い山道ですので落石などにご注意ください。

駐車場×
トイレ×
公園×
PR展示館×
釣り

神岳ダムに近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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