滋賀県のダム

1364-青土ダム/おおづちだむ

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1364-青土ダム/おおづちだむ 滋賀県のダム
この記事は6分で読めます。

所在地:滋賀県甲賀市土山町青土
取材日:2010/06/17(木)

下流の駐車場より堤体を望む

下流の駐車場より堤体を望む

甲賀方面のダムを巡ろうと思ってやって来ました青土ダム。「あおつち」ではありません「おおづち」なのです。
まずは下流の広場の手前にある駐車場に車を停めて散策開始です。
家族で来ましたので散歩のような感じですね。
ちなみに駐車場はダムサイトにもありますので安心してください。

河川維持放流用の放水路

河川維持放流用の放水路

広場を見て右手に野洲川が流れています。
そこにトンネルが見えますが、河川維持放流用の放水路になっています。

下流より堤体を望む

下流より堤体を望む

さて、ちょっとずつ近づく堤体。まだちょっと距離がありますね。6月でしたがそんなに暑くなくてちょうどいい気候でした。

さらに近づいて下流より堤体を望む

さらに近づいて下流より堤体を望む

さらに近づきますがアングルが難しいですねぇ。

ん?トンネル??

ん?トンネル??

この場所から右手に行く通路があります。もしかして直下に行けるのかな!?
その前に、またトンネルが見えます。

仮排水隧道(トンネル)

仮排水隧道(トンネル)

「仮排水隧道」(仮排水トンネル)と書かれています。本体建設時に河川の流れを一時的にこちらへ迂回させるトンネルです。よく見る仮排水トンネルはダムサイトの地下を通る感じですが、ここは直下まで回り込んで本川に流すルートになっていたようです。

下流より導流部を望む

下流より導流部を望む

ぐわっ!この眺め!
導流壁で良く見えない感じになってしまっていますが、それでも大迫力です。
川に入ればもっと面白い写真が撮れたかもしれませんが、さすがにそれは危険です(笑)

仮排水トンネルを望む

仮排水トンネルを望む

後ろを振り返ると仮排水トンネルがはっきりと見えます。しかし、トンネルの天井に何か丸いものが見えます。この写真では暗くてわかりませんが・・・。

ハチの巣!?

ハチの巣!?

ななななんとハチの巣!それもスズメバチの巣っぽいです!
・・・が、何とかハチに出くわすことはありませんでした。

下流から天端レベルへの階段の途中より堤体を望む

下流から天端レベルへの階段の途中より堤体を望む

堤体までかなりの至近の距離です。
ビッシリと敷き詰められたリップラップが印象的。
続いて天端へと向かいます。

下流から天端レベルへの階段の途中に見える茶畑

下流から天端レベルへの階段の途中に見える茶畑

下流から天端レベルへ向かう階段の途中になぜか茶畑があります。ここは私有地なのでしょうかね?

さらに階段を登って堤体を望む

さらに階段を登って堤体を望む

そして振り返ると整然と並んだリップラップが。それにしても良いお散歩です。

ようやく天端レベルまで到着

ようやく天端レベルまで到着

ようやく天端レベルまで到着。木々が刈り込まれた後がありますので、以前は生い茂って堤体が見えなかったことが想像されます。

右岸より天端を望む

右岸より天端を望む

ご覧のとおり天端は自動車の通行が可能です。片側1車線の広い県道です。この道の先は野洲川ダム(3195-野洲川ダム/やすがわだむ)に続いており、さらに鈴鹿スカイラインへと続いています。

自宅からですと鈴鹿スカイライン(国道477号線)経由の方が近いのですが、2008年9月の大雨で災害が発生(さらに2010年4月にも豪雨で被災したそうです)し、それ以来通行止めになっており、新名神の土山IC経由で来なければなりません。(鈴鹿スカイラインは2012年の春に復旧予定ですが、遅れる可能性もあるそうです。2011年2月現在の情報。)

右岸より天端を望む

右岸より天端を望む

歩道も広く取られており、散策するのに不自由しません。

天端より採石場を望む

天端より採石場を望む

堤体の右岸ダムサイトには甲賀バラス(株)という会社の採石場があり、この日もダンプトラックが何台か通っていました。

天端よりダム湖を望む

天端よりダム湖を望む

穏やかな湖面です。

鳥の絵

鳥の絵

天端に鳥の絵が描かれています。この鳥はたぶんキジでしょう。

鳥の絵その2

鳥の絵その2

なぜキジなのか調べてみたところ、今は甲賀市になっているこの場所は、2004年9月までは甲賀郡土山町で、町の鳥がキジだったようです。(余談:甲賀市の鳥はカワセミ)

天端より取水設備を望む

天端より取水設備を望む

この取水設備で取水された水は、1ページ目2枚目の写真の放水路より放流されます。
次のページでは青土ダム最大の特徴である洪水吐についてご紹介します。

天端より減勢工を望む

天端より減勢工を望む

まずは下流側から。
副ダムの向こう側が最初にいた場所になります。導流部の先がスリット状になっているのが面白いですね。

天端より非常用洪水吐を望む

天端より非常用洪水吐を望む

続いて非常用洪水吐。ここまではロックフィルダムでよくあるタイプの自由越流式の洪水吐ですね。

常用洪水吐を望む

常用洪水吐を望む

そしてこれが、この青土ダム最大の特徴である洪水吐です。一時期ネット界隈で流行った「ダム穴」に似ていると評判(?)の洪水吐です。今日はギリギリ越流していましたが、個人的にはもう少し越流して欲しかったですね(笑)

洪水吐全体を望む

洪水吐全体を望む

全体を見ると構造がよくわかります。手前の「穴」は常用洪水吐となっていて、常時満水位になれば自然に流れるという洪水吐です。しかし、それを超えるような流入量があった場合には、もう一段上の洪水吐から流れる仕組みです。これが非常用洪水吐たる所以です。つまり、多段構造になっているわけです。

この洪水吐は「世界でも類を見ない」との評判。一見の価値があります。

定礎石

定礎石

続いてダムカードを頂きに管理所に向かいます。管理所の敷地内に定礎石がありました。当時の滋賀県知事、武村正義氏の名前があります。氏はその後国会議員となり、新党さきがけ代表、内閣官房長官、大蔵大臣を歴任した大物政治家ですね(2001年に政界を引退)。

藍の山並み 水面に映り
生としものの 命はぐくむ

このダムが生命と財産を守るのにいかに重要なダムであるかを示しています。

管理所を望む

管理所を望む

そして管理所。

青土ダムカードゲット!

青土ダムカードゲット!

青土ダムカードゲット!カードの写真は湛水前のダムのようです。

左岸より天端を望む

左岸より天端を望む

ダムカードゲット後もまだ取材は続きます。
青土ダムの天端はとても広く感じます。

青土ダムエコーバレーのスワンボート乗り場

青土ダムエコーバレーのスワンボート乗り場

少し離れたところに「青土ダムエコーバレー」というキャンプやバーベキューができる公園が整備されています。平日のこの日はさすがに人がいませんでしたが、休日は賑わっているんでしょうかね。

エコーバレーのwebサイトもしっかり作りこまれています。
青土ダムエコーバレーwebサイト

天端より選択取水設備と青土ダムエコーバレー方面を望む

天端より選択取水設備と青土ダムエコーバレー方面を望む

家族で来たら楽しそう!って家族で来てるんですけどね。ダムがメインなので結局エコーバレーには行きませんでした(笑)
続いて右岸側へ目指します。

右岸にある砂防ダム

右岸にある砂防ダム

右岸に大きな砂防ダムがあります。

右岸よりダム湖側の堤体を望む

右岸よりダム湖側の堤体を望む

ダム湖側のリップラップも綺麗ですね。

右岸にある石碑

右岸にある石碑

多くの人の和で建設されたこのダムは四季訪れる
人々にうるおいとやすらぎをあたえてくれる

という思いがこのダムに満ちているのを感じました。マニアじゃなくても一日楽しめそうです。

青土ダム石碑と堤体を望む

青土ダム石碑と堤体を望む

いい感じに石碑に草が茂ってます(笑)

右岸より堤体を望む

右岸より堤体を望む

本当はこの周辺のダムを巡る予定だったのですが、結局この日は青土ダム1基だけに留まりました。それだけ充実したダムでした。

ダム諸元

河川名淀川水系野洲川
目的洪水調節、農地防災、不特定用水、河川維持用水、上水道用水、工業用水
型式ロックフィルダム
堤高43.5m
堤頂長360m
堤体積660,000m3
流域面積54.3km2
湛水面積62ha
総貯水容量7,300,000m3
有効貯水容量6,600,000m3
ダム事業者滋賀県
本体施工者熊谷・西松・三東工業
着手年1966年
竣工年1987年

その他の設備/所感

駐車場は下流や右岸、ダム湖周辺にあります。見どころや遊びどころいっぱいの青土ダムです。

駐車場
トイレ
公園
PR展示館×
釣り

青土ダムに近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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