高知県のダム

2322-早明浦ダム(さめうらだむ)

5.0
2322-早明浦ダム/さめうらだむ 高知県のダム
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所在地:高知県土佐郡土佐町田井
取材日:2010/11/18(木)

右岸よりダム湖側の堤体を望む

私にとってここは聖地となるかもしれません。早明浦ダムは最高に憧れの対象でした。ダムマニアなりたての頃に黒部ダム(富山)に思いを馳せていた頃と重なって見えます。しかし、あの頃と違い色んなダムを見てきましたが、ここは伝説の早明浦。それを思い出さずにはいられません。

早明浦ダム管理所

四国旅行2日目。息子のために高知から岡山までアンパンマン列車に乗る(しかも往復)という他人から見ればアホかと思えるような事をした日でした。岡山から高知に戻り、高知から車に乗って早明浦へ。行ったからにはダムカードも貰おうと思い、ギリギリ17時数分前に到着しました。すっかり夕暮れ時で、さっさとダムカードをもらって写真撮影をしなければと思っていたのですが、管理所の方がなかなか気さくな方でちょっと話し込んでしまいました。

その管理所の方は元々名古屋にいらしたらしく、私の住む町にもよく来ていたそうで、地元の企業のことをよくご存知でした。まさか四国まで来て地元の話になるとは思わず驚きました。

右岸より下流側の堤体を望む

暗すぎて撮影は難航。マジックアワーの時間帯ですが撮影の腕が無いのでご容赦ください。せっかくの憧れのダムなのに時間に追われて結局あまり堪能できていません・・・。

「四国のいのち」

早明浦ダムといえば外せないのはこの石碑。四国の水事情は現地の人にしかわからないかもしれませんが、四国は常に水との戦いです。脱ダム宣言に始まりダム事業の仕分けが叫ばれる時代ですが、不要なダムなんてありません。このダムが証明しています。

右岸よりダム湖側の堤体を望む

すっかり夕暮れになり天端の照明がついていました。

右岸より天端を臨む

広くて長い天端です。堤頂長は400mあり堤頂幅は6mあります。

ゲートピアを望む

鉄骨で造られたゲートピアは四国のダムの特徴の一つな気がします。コンクリートの堤体に鉄骨ゲートピアという組み合わせはカッコよくて個人的に好きですね。

天端より下流を望む

まるでプールのような広い減勢池ですね。副ダムはなぜか奥行きがあって今まで見てきた副ダムの中でもちょっと変わった形をしています。右岸直下には水資源機構のダムに大抵設置されているテニスコートがあり、左岸直下には電源開発の早明浦発電所があります。

ローラーゲートを望む

塗装工事中だったのか足場が組まれていました。綺麗にお化粧直しをするところですね。

天端よりダム湖「さめうら湖」を望む

平成17年夏、このダムでは大渇水となり発電用の水を放流し、通常利水には使わない死水容量まで使う緊急事態となっていました。9月1日には貯水率0%というさらに過酷な状況に達します。しかし!9月5日、台風14号による大雨でたった1日で貯水率は100%に!これが早明浦ダムの伝説です。貯水率0%だったダムが一気に100%になる話はなかなか聞けるものではありません。

電源開発早明浦発電所

電源開発の早明浦発電所では42,000kWの発電が行われています。下流には逆調整池の役割を担う山崎ダムがありますが、このダムは堤高が15mに満たないため堰扱いになります。その堰も見ておきたかったのですが、さすがに夜だったので見ることは叶わず、国道からチラッと見るに留まりました。

ゲートピアを望む

個人的に好きな写真になりました。鉄骨のシルエットだけが夕暮れの空に浮かび上がり、ますますゲートピアがカッコよく見えます。

選択取水設備のゲート巻き上げ機

選択取水設備のゲート巻き上げ機です。建設費を浮かすためか建屋はありません。

選択取水設備を望む

ゲート巻き上げ機同様、選択取水設備もとてもシンプルで設備そのものがむき出しになっている感じです。コンクリートでしっかりと固められたり、ビルトインタイプではないのがむしろ良い味を出しています。

左岸より天端を望む

マジックアワーらしい写真になりましたが、それを狙ったわけではないので何とも複雑な気持ちです。だって暗すぎて何だかよくわからないんですもの。

左岸よりダム湖側の堤体を望む

仄暗い闇の中にすっくと立つ堤体。
静かに、しかし厳しく四国を守っている姿です。

左岸より下流側の堤体を望む

カメラの設定をいじった覚えはないのですが、ここからは異常に明るい写真になります(笑)
たぶん露出が自動的に変わったものと思いますがご容赦下さい・・・。

右岸の展望公園より堤体を望む

もう少し高い位置なら堤体が水を支えている感が出せそうですが、少し水位が低めだったのも相まって、その感じが出せませんでした(汗
むしろ左岸の展望台の方が良かったのかもしれませんが・・・。

右岸の展望公園よりダム湖側の堤体を望む

いやー、カッコイイですねぇ。

下流の橋より堤体を望む

続いて帰り際に下流の橋に移動して堤体を拝みます。真正面のはずでしたが暗がりで認識しづらく、やや左寄りにいたことがこの写真でわかりました(笑)
この頃は三脚をまだ持っていなかったことと、夜景の撮り方をまったく知らなかったのでチャレンジしていませんが、今ではその事が悔やまれます。

いや、でもカッコイイです。
ニュース映像や写真でしか見たことがなかった伝説のダム。また再訪したいダムの一つになりました。

早明浦ダム諸元

河川名吉野川水系吉野川
目的洪水調節、農地防災、不特定用水、河川維持用水、かんがい用水、上水道用水、工業用水、発電
型式重力式コンクリートダム
堤高106m
堤頂長400m
堤体積1,200,000m3
流域面積472km2
湛水面積750ha
総貯水容量316,000,000m3
有効貯水容量289,000,000m3
ダム事業者四国地建→水公団一工
本体施工者間組
着手年1965年
竣工年1978年
ダム湖名早明浦湖

その他の設備/所感

右岸左岸・上流・下流と見学できるポイントが多いのもこのダムの特徴です。

駐車場
トイレ
公園
PR展示館×
釣り

早明浦ダムに近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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