鳥取県のダム

2931-殿ダム/とのだむ

5.0
鳥取県のダム
この記事は4分で読めます。

所在地:鳥取県鳥取市国府町殿地先
取材日:2011/04/04(月)

右岸道路より下流側の堤体を望む

右岸道路より下流側の堤体を望む

鳥取県の直轄ダムがもうじき試験放流を行うという情報を聞きつけ、6時間ほどかけてやってきました。それにしても中国地方のダムは洪水吐がユニークなダムが多くて良いですね。この殿ダムもカスケード式洪水吐といって階段状になっているのが最大の特徴です。

右岸道路よりカスケード式洪水吐を望む

右岸道路よりカスケード式洪水吐を望む

こんな感じで階段状になっているのです。・・・って放流してる!越流部がどうなっているのかここからは分かりませんが、もうすでに放流が始まっているようです。ただ大変残念なことに、堤体の盛立は終わっているのですが、周辺の工事はまだ終わっていないので、天端周辺への立ち入りは禁じられていました。

放流ゲート室を望む

放流ゲート室を望む

利水放流用のゲートからダバダバと水が流れていました。しばらく経つと流れなくなりましたので、恐らく試験的に水を流したものと思われます。

減勢工・副ダムを望む

減勢工・副ダムを望む

減勢池は一杯で副ダムからも越流しています。それにしても導流壁がかっこいい。

カスケード式洪水吐のアップ

カスケード式洪水吐のアップ

カスケード式にすることのメリットは、大がかりな減勢工を必要とせず、カスケード部分で減勢を担うことが可能になることです。

右岸に設置されたインクラインを望む

右岸に設置されたインクラインを望む

右岸には真新しい管理所とインクラインがあります。このインクラインは点検時だけしか動かさないんでしょうかね。

右岸道路を少しダム湖側に移動して下流側の堤体を望む

右岸道路を少しダム湖側に移動して下流側の堤体を望む

ちょっと上流方向に移動します。ここからだと導流壁の形状がはっきりわかりますね。そして下流側はまだまだ工事中の様相です。

放流ゲート室と仮排水トンネル出口を望む

放流ゲート室と仮排水トンネル出口を望む

下流側では死角になって見えなかった仮排水トンネルが、この辺りでは見えるようになります。仮排水トンネルを利水用に再利用しているように見受けられます。

殿ダム情報室

殿ダム情報室

長らく殿ダム建設の情報発信の一部を担っていたこの情報室も竣工した今では解体されたようです。そして、現在は管理支所内に展示スペースがあり、そちらに移管されたようです。

展望台

展望台

広い展望台です。ゆっくり落ち着いて観ることが出来ます。

カスケード式洪水吐と減勢工を望む

カスケード式洪水吐と減勢工を望む

この展望台から見える導流壁がちょうかっこいいです。カスケードで十分に減勢されるためか、導流壁が薄くなり、その分デザインが良くなったんじゃないかなと思います。

神護大橋と天端への入口

神護大橋と天端への入口

ダム湖側に移動して堤体正面を狙います。あと、なんとかして天端に入れないか偵察しに来ましたが、天端への入口はガードマンによって堅固に守られていました。「入れないですかね?」と訊いたところで一介のガードマンには何ともならないでしょうし、むしろお仕事の邪魔をしてしまいそうなので、遠巻きに堤体正面が見えるポイントを探します。

神護大橋より洪水吐・取水塔を望む

神護大橋より洪水吐・取水塔を望む

かなり遠いですが何とかダム湖側の洪水吐が見えます。取水塔も見えます。もっと近くで見たいですが・・・。

洪水吐を望む

洪水吐を望む

最大望遠でもこれが限界。水位がものすごくギリギリなのが分かります。また、カスケード式の減勢工から水が流れていたのは、写真向かって左側の洪水吐にスリット状になっている箇所があったためだったようです。

取水塔を望む(エアロック式の連続サイフォン式取水設備)

取水塔を望む(エアロック式の連続サイフォン式取水設備)

サイフォン式の取水設備と言っても遠目では普通の取水塔にしか見えませんね。

とのとんねる

とのとんねる

ひらがなで書かれると読み間違えそうですね。

ダム湖を望む

ダム湖を望む

もう少し上流に移動してみました。

左岸法面を望む

左岸法面を望む

残念ながら網のせいでワッフルに見えない法面。

下流側リップラップを望む

下流側リップラップを望む

ビシッと敷き詰められていてとってもきれいなリップラップ。まるで職人芸ですね。願わくば草木が生えてこない、あるいは生えても刈り取っていただきたいですね。

クレーンを望む

クレーンを望む

バケットのないがらんとしたクレーンが佇んでいました。もうじき完成を意識させるクレーンです。

カスケード式洪水吐を望む

カスケード式洪水吐を望む

至近距離で望めないのでまるで指を加えてみているかのようですが、改めてカスケード式の洪水吐を望みます。

カスケード式洪水吐をさらにアップ

カスケード式洪水吐をさらにアップ

カスケードを流れる水がキラキラと太陽の光に照らされて反射しています。

下流側堤体を望む

下流側堤体を望む

まだまだ整備が進められている状況でしたが、現在は完成していますのでまた再訪したいと思った殿ダムでした。

殿ダム諸元

河川名千代川水系袋川
目的洪水調節・農地防災、不特定用水・河川維持用水、上水道用水、工業用水、発電
型式ロックフィルダム
堤高75m
堤頂長294m
堤体積2,110,000m3
流域面積38.1km2 ( 直接:38.1km2 )
湛水面積64ha
総貯水容量12,400,000m3
有効貯水容量11,200,000m3
ダム事業者中国地方整備局
本体施工者鹿島建設
着手年1985年
竣工年2011年
ダム湖名因幡万葉湖 (いなばまんようこ)

その他の設備/所感

駐車場大規模な直轄ダムですので色々整備されています。
トイレ
公園×
PR展示館
釣り○?
この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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