取材日:2019/10/12(土)
穴内川ダムの見学会に参加するため四国までやってきましたが、なかなか四国に来ることがないので入念にダム巡りを計画してやって来ました大森川ダム。
しかし大森川ダムは知る人ぞ知る攻略難易度の高いダム。なぜかと言うと林道それもかなりの悪路を通らないとたどり着けないダムなのです。
奥南川林道起点
しかも東日本に多大なるダメージを与えた悪名高き令和元年台風19号(ハギビス)が本州に接近中という状況でした。
天気予報はもちろん台風の予想コースやX-RAINを何度もチェックして、そこまで大荒れになることはないだろうと予想。さらに道の駅633美の里で食料を調達して、ついに決行となりました。
奥南川林道
林道の路面状況はドライブレコーダー映像を編集してみましたのでこちらをご確認ください。もし今後行かれる方の参考になれば幸いです。
1時間かけて下流側に到着
奥南川林道起点から10kmほどの距離を1時間かけて到着しました。最高でも30km/h程度というゆっくりペースです。パンクとの戦いなのでいつも以上に安全運転です。
下流側の堤体を真正面に見据える
吉野川の支流である大森川の見事な谷に造られた大森川ダムは四国電力の発電専用のダムです。
すこしだけズームアップ
一般人が立ち入りにくい林道の奥に鎮座し、孤高の誉れ高き大森川ダム。1時間悪路を走ってきた苦労から感慨深いものがあります。
さらにズームアップ
白く流れる水は河川維持のために後付けで増設されたホースからの放流。残念ながらクレストからの放流ではありません。
Vista de Crestgate.
クレストゲートは高さ8.25mx幅9.20mのラジアルゲートが1門。
ジャンプ台先端部を望む
コンパクトなジャンプ台です。
左岸側換気口の点検用通路を望む
大森川ダムは国内でも13基、四国それも高知では他に穴内川ダムしかないという希少で貴重な中空重力式コンクリートダムです。写真は中空内を換気するための穴と点検用通路。
左岸ダムサイトの一角
右岸から左岸にやって来ました。今さらですが右岸ダムサイトもちゃんと見ておけばよかったですね。まぁ、また行くこともあるでしょう。慰霊碑や水利使用標識、諸元を記した石碑が並びます。
Vista del terraplén aguas abajo desde la orilla izquierda.
苔がいい感じに演出してくれます。また、特徴的なのは中空重力式コンクリートダムであるのにバケットカーブがないこと。ほぼ直線で構成されています。
Vista del extremo superior desde la orilla izquierda
天端は立ち入りが禁止されています。しかも2重のフェンスに阻まれます。ぜひ中空内含めて見学会を行っていただきたいですね。ネックは林道となりそうですが…
徒歩で上流まで向かいます
現在は無人監視ですがかつてはもちろん有人監視だったことでしょう。左岸には管理用の建物が立ち並びます。
Vista del lago de la presa desde la orilla izquierda
高知の奥地にあり、ここから上流には民家もないことから極めて静寂さが保たれたダム湖です。台風によりやや強い風が吹くのみです。
左岸にある謎の構造物
発電所等への機材搬入用の竪坑のようにも見えますが正体は不明です。
管理所建屋
ここで詰めていた時は大変だったでしょうね。今でも来るだけでも大変なのに。
建物の隙間からダム湖側の堤体を望む
左岸は建物があるため、まともにダム湖側の堤体を観ることが叶いません。隙間からチラリと覗かせてもらいます。
さらに別の隙間から
建物の1Fは資材置き場なんでしょうか。ちょっとした空間が広がっていました。奥のダム湖にある白い線は河川維持用の取水設備から伸びるホースです。下流で放流していたホースに繋がります。
ソファ
遺棄されたソファ。管理所内で使われていたものでしょうか。
さらにさらに隙間から
換気フードが邪魔(笑)
Emplazamiento de la presa de la margen izquierda
林道はダートですがダムサイト付近は下流の橋からずっとアスファルト舗装がされています。動画でも言及していましたが、坂道なので踏ん張った車によって地面を削られないようにするためでしょう。
奥南川林道の起点から時速30キロ以下で片道1時間かけて訪問した大森川ダム。近づき難いダムではありますが、到達した時の感動は他のダムではなかなか味わえないかと思います。
個人的にとてもオススメできるダムではありますが、もし訪問される際には万全の体制で臨みましょう。
大森川ダム諸元
Ubicación. | 高知県吾川郡いの町大字寺川 |
Nombre del río | 吉野川水系大森川 |
Objetivo. | P (generación de energía) |
tipo | presa hueca de hormigón por gravedad |
altura del banco | 73.2m |
Longitud de la cumbre | 191m |
volumen de un terraplén | 146,000m3 |
zona de influencia | 21.5km2 |
zona dañada por las inundaciones | 92ha |
Capacidad total de almacenamiento | 19,120,000m3 |
capacidad de almacenamiento efectiva | 17,320,000m3 |
operador de la presa | Shikoku Electric Power Co. |
contratista principal | carpintería |
año de lanzamiento | 1957. |
año de finalización (de un proyecto de construcción) | 1959 |
nombre de un lago embalsado | 大森川貯水池 |
Otras instalaciones/observaciones
aparcamiento | débil |
aseo | × |
Parque (público) | × |
Sala de exposiciones de relaciones públicas | × |
pesca | × |
Comentario.