取材日:2012/9/16(日)
一丈木ダムからさらに北上して田沢湖を抜けてやってきたのは鎧畑ダム。他にも周辺には色々ダムがありますが、この辺りを訪問したことのある同乗者の意見など参考にしつつ、ピックアップして巡っていますので「え?なんであのダム行かないの??」などと思われているかもしれませんね(笑)
Vue de la digue aval depuis la rive droite.
鎧畑ダムはクレストにラジアルゲートが3門、オリフィスにローラーゲートが2門、さらに利水放流設備を備えています。
監査廊入り口?
右岸の天端レベルまで移動しました。監査廊への入り口に見えますが果たして。
Vue de l'extrémité supérieure depuis la rive droite
県営のダムらしくシンプルな天端です。
Vue de la digue aval depuis la rive droite.
よくある重力式コンクリートダムのデザインですが、鎧畑ダムは見た目よりも中身がすごいんですよね。
右岸のダムサイト周辺
右岸には駐車場もあり、トイレも併設されています。
秋田県鎧畑ダム管理事務所
こちらも県営らしいスタンダードな事務所です。
右岸より上流側の堤体を望む
水位が低いためゲートの位置関係が見やすいですね。
Vue du lac de barrage depuis la rive droite.
管理所脇からダム湖を見ています。ダム湖に流れる玉川は本来強酸性の河川ですが、上流の玉川ダムの宝仙湖で石灰による中和が行われていて、それによってコバルトブルーのダム湖なんだそうですが、訪問したこの日は残念ながら深緑色をしたダム湖でした。
クレストゲートより下流を望む
減勢池の水の色がキレイな深い緑色をしていました。ちなみに上流の玉川ダムが完成する前は、鎧畑ダムのダム湖で中和が行われていましたが、そのため堤体やゲートは耐酸性となっているんだそうです。
天端よりゲートピアを望む
ゲートピアの上にゲート巻き上げ機室が備えられており、全体として大型なものになっています。
ゲート巻き上げ機室を見上げる
梁がトラス構造になっているのがまた良いですね。
天端よりオリフィスゲートを望む
オリフィスのローラーゲートを天端から見たところです。開閉方式はワイヤーロープウィンチ式が採用されており、ワイヤーも酸による影響を受けないように、水に浸からない設計になっているんだとか。オリフィスゲートのスペックは以下の通り。
有効径間x有効高さ:5.8x5.4m
開閉速度:0.3m/min
扉体重量:47.0t
製作年月:平成2年7月
製作:石川島播磨重工業株式会社
利水放流設備・制水ゲート室
最も右岸寄りに設置されているのが利水放流設備ですが、こちらは上流に利水設備のある玉川ダムが建設され、もともと利水設備がなかった鎧畑ダムがこれに対応するため、貯水したまま堤体に穴を開けて増設するという日本初の工事が行われたのだそうです。
利水用ゲートのスペックは以下の通りです。
- NO.1主ゲート(高圧ローラゲート)
有効径間x有効高さ: 2.00x2.25m
製作:三菱重工業株式会社 - NO.1副ゲート(高圧スライドゲート)
有効径間x有効高さ: 2.00x2.25m
製作:三菱重工業株式会社 - NO.2主ゲート(ジェットフローゲート)
直径:1.00m
製作:株式会社栗本鐵工所 - NO.2副ゲート(高圧スライドゲート)
有効径間x有効高さ: 0.94x1.20m
製作:株式会社栗本鐵工所 - 制水ゲート鋼製サーニット式
有効径間x有効高さ:4.040x4.049m
開閉速度:0.5m/min
扉体重量:20.0t
製作年月:平成2年11月
製作:株式会社田原製作所
天端よりダム管理所を望む
管理所前から階段がダム湖に伸びています。巡視船に乗るための階段だと思いますが、船もフロートも見当たりませんね。
左岸ダムサイトより上流方向を望む
地図ではこの先が国道に繋がっているように見えますが、立入禁止になっていました。
Vue de la digue côté lac du barrage depuis la rive gauche
だんだんと日が落ちてきてひっそりと佇む鎧畑ダム。
Vue de l'extrémité supérieure depuis la rive gauche
ちょっと古めのいかにも県営らしいダムでしたが、酸に対応するための技術とか、貯水したまま堤体に穴をあける技術とか、密かにすごいダムだと気付かされたダムでした。
鎧畑ダム諸元
Emplacement. | rive droite (rivage):秋田県仙北市田沢湖田沢字中山 rive gauche (d'un fleuve):秋田県仙北市田沢湖田沢字小蟹沢 |
Nom de la rivière | 雄物川水系玉川 |
Objectif. | F (lutte contre les inondations, prévention des catastrophes agricoles) P (production d'électricité) |
type | G(barrage en béton alimenté par gravité) |
hauteur de la banque | 58.5m |
Longueur du sommet | 236m |
volume de la digue | 192,000m3 |
zone de chalandise | 320.3km2(直接:33.3km2、間接:287km2) |
zone sinistrée par les inondations | 255ha |
Capacité totale de stockage | 51,000,000m3 |
capacité de stockage effective | 43,000,000m3 |
opérateur du barrage | Bureau régional de construction de Tohoku |
principal contractant | 秋島建設 |
année de lancement | 1951. |
année d'achèvement (d'un projet de construction) | 1957. |
nom d'un lac endigué | 秋扇湖 |
Autres installations/observations
parc de stationnement | ○ |
toilettes | ○ |
parc (public) | × |
Salle d'exposition PR | × |
pêche | ? |
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