取材日:2014/04/20(日)
三宝ダムがある三井庄(ミノショウ)地区にはもともとその地名のように「3つの井戸」があり、住民にとっては命を育むための宝であったそうです。そこで三宝ダムも同様に宝にしたいとの願いを込めて、その名が付けられたそうです。
また、山間部・半島部・島嶼部などのごく限られた地域での治水や利水を目的として昭和63年(1988)に生活貯水池ダムの制度が導入されましたが、三宝ダムは本邦初となる生活貯水池ダムとなるそうです。通常のダムよりも規模が小さく受益者も超ローカルなエリアに限定されます。
近年ではリムトンネルに日本酒を貯蔵して熟成させるダム貯蔵酒にも力を入れており、地元の新たな名産品として注目を浴びているようです。
Vue de la face aval de la digue
ちょうど代掻きの時期だったため下流の田圃は水が張られていました。多少標高が高いからか桜の花も少し残っているという時期でした。それにしても堤高が低く横長の堤体です。下流に公園があるのもいいですね
下流の公園より堤体下流面を見る
すっかり葉桜ですが満開の時期に来ても良さそうですね。ちなみにこの日は草刈りで農家の人がたくさん集まっていたのと、消防団と思しき方々が訓練していたりと賑やかな三宝ダムでした。
副ダムの下流より堤体下流面を見る
下流は親水公園になっていて、副ダムから下は水遊びができるようになっています。ただ放流量が少なく地中に染み込んでしまうのか、この日は水は貯まっていませんでした。
下流から減勢工を見る
フェンスなどもなくかなりカジュアルに入ることができる減勢工です。オリフィスがクレストゲート中央ではなく横についているのは栗柄ダムに似ています。オリフィスの位置が左右で違うものの、栗柄ダムは三宝ダムを意識して設計されているように思います。
左岸より下流の親水公園を見る
副ダムの直下で右岸から左岸に渡ることができるようにもなっていてとてもフリーダム。ダムだけに。
左岸のフーチングより堤体下流面を見る
珍しくフーチングも歩けるようになっています。三宝ダムの堤高は35.1mとそれほど高いものでもないため、比較的容易に登れますが色んなアングルで楽しめるのは良いですね。
Vue du bord supérieur depuis la rive gauche
フーチングを登って天端までやってきました。車止めがありますので天端は自動車の通行はできませんが、小さな貯水池なので徒歩でも車でも湖岸道路を1周して対岸まで容易に移動することが可能です。
左岸の定礎石
左岸の貯水池側に定礎石が設置されています。
堤体上流面を見る
上流も親水公園になっていて、この日は釣りを楽しむ人の姿も。
堤体上流面を見る
のびのびと遊べそうな広い公園です。写真の背後には「ごちそうの森」という名称の公園がありますが、なぜその名称なのかは謎です。
兵庫県柏原土木事務所 三宝ダム管理所
貯水池の周囲を1周して管理所のある右岸ダムサイトまで戻ってきました。小さな貯水池ですので散歩にはちょうど良いですね。立派な管理所ですが上を向いた矢印に見えなくもないですね。
Vue de l'aval du remblai depuis la rive droite
季節は晩春。桜も半数が散っていました。ピーク時には今よりもっと堤体に彩りを添えてくれることでしょう。
右岸のモニュメント
3本の柱は3つの宝を示しているのでしょうか。
Vue du bord supérieur depuis la rive droite.
コンパクトな堤体ですが色んなアングルから見学できるのは良いポイントですね。贅沢を言えば堤体が俯瞰で観られる展望台がほしいところ。
右岸フーチングより堤体下流面を見る
堤高がそれほど高くないのでフーチングを上り下りしてもそれほど苦にならないのも良いですね。
Vue en amont de la digue depuis la rive droite
写真で見ると静かな湖面ですが、実は下流では草刈りや消防訓練などが行われていてちょっと騒がしかったのを記憶しています。
水位観測室
天端もシンプルで水位観測室があるのみです。
Vue vers l'aval depuis le sommet
減勢池のつくりが栗柄ダムのそれを左右反転したような形状になっています。規模の小さなダムですがこのすぐ下流に広がる集落のためにあるダムというのが分かりやすいですね。しかも前述の通りこの日は草刈りや消防訓練のため地元の方々で賑わっており、ダムが一種の集会所のようになっていたのがとても印象深かったです。そんな地域密着型ダムの三宝ダムでした。
三宝ダム諸元
Emplacement. | 兵庫県丹波市春日町上三井庄 |
Nom de la rivière | 由良川水系大谷川 |
Objectif. | F (lutte contre les inondations, prévention des catastrophes agricoles) N (eau non spécifiée, eau pour l'entretien des rivières) W (eau pour l'approvisionnement en eau) |
type | G(barrage en béton alimenté par gravité) |
hauteur de la banque | 35.1m |
Longueur du sommet | 178m |
volume de la digue | 65,000㎥ |
zone de chalandise | 1.2km2 |
zone sinistrée par les inondations | 4 ha |
Capacité totale de stockage | 271,000㎥ |
capacité de stockage effective | 234,000㎥ |
opérateur du barrage | 兵庫県 |
principal contractant | 戸田建設・大豊建設・川嶋工務店 |
année de lancement | 1989年 |
année d'achèvement (d'un projet de construction) | 1994. |
nom d'un lac endigué | - |
Autres installations/observations
parc de stationnement | ○ |
toilettes | ○ |
parc (public) | ○ |
Salle d'exposition PR | × |
pêche | XX ? |
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