読み方 : ダムザケ・ダムサケ
別名 : ダム貯蔵酒
ダム酒とはダムの監査廊やリムトンネル、あるいは貯水池に沈めて熟成させたアルコール類のこと。監査廊やリムトンネルでは夏でも冬でも温度が常に一定に保たれるため、熟成に適しているとされている。
また、空調を利用すること無く常に温度が一定に保たれるため、エネルギー負荷がかからないことで近年注目を浴びつつある貯蔵方法となっている。
数量が少ないためネット販売はあまり行っておらず、現地でしか手に入らないケースが多いのも特徴。
以下に当サイトが把握している全国のダム酒を網羅したが、毎年貯蔵の状況が変わるためリストが古い場合がある。
宮ヶ瀬ダム
黄金井酒造:宮ヶ瀬ダム貯蔵酒 盛升
宮ヶ瀬ダム周辺活性化事業の一環として誕生した貯蔵酒で、地下80mのダム監査廊内で熟成されたもの。原料米には美山錦を使用。特別純米と吟醸辛口の2種類が用意されている。
七倉ダム
薄井商店:白馬錦 純米吟醸ひやおろし アルプス湖洞貯蔵
2004年より七倉ダムのリムトンネルにて貯蔵され、「綺麗な熟成を得た、滑らかに甘くて、すっとキレがあって、常温でも、飲み飽きしない優しい味わい」(メーカーサイトより引用)お酒だそうだ。
秋季限定のため下記リンク先には在庫がない場合があります。
南相木ダム
古屋酒造店:深山桜 純米 ダム熟 南相木ダム
南相木ダムの監査廊で熟成。「冷蔵熟成とも常温熟成とも異なる優しい妖艶な味わいが楽しめる」 (メーカーサイトより引用) らしい。
余地ダム
長野県佐久地域の酒造メーカー有志「佐久 SAKE Aging研究会」が余地ダムの監査廊を利用して4ヶ月熟成した酒。売上の一部は長野県へ治水のために寄付しているそうだ。
千曲錦酒造:ダム熟成 辛口特別純米 千曲錦
「芳醇で辛口で味わい深い」そうで、日本酒としては珍しくワイン瓶にコルク栓で詰めて熟成させたもの。
古屋酒造店:深山桜 純米 ダム熟 余地ダム
南相木ダムでも貯蔵を行っている古屋酒造店によるもう一つのダム酒。
武重本家酒造:御園竹蔵内生熟成生酛純米
昔ながらの製法でじっくり時間をかけて醸造したお酒。搾った後は加熱処理をせずお酒のままじっくりと熟成させているそう。
黒澤酒造:井筒長 特別純米酒 ひやおろし ダム熟
「心地よく柔らかい口当たりと華やかな吟香が冴え夏越しして深みの増した芳醇な味わい」(メーカーサイトより引用)だそう。
佐久の花酒造:佐久乃花 純米大吟醸 金紋錦 ダム熟成
「程よい吟醸香があり米の旨味もこなれて、ちょうど飲み頃の味わいに 熟成している」(販売店より引用)そう。
古谷ダム
余地ダム同様に「佐久 SAKE Aging研究会」 によって貯蔵。
- 武重本家酒造
- 黒澤酒造
宇奈月ダム
富山県酒造組合に加盟する15社が富山県内5基のダムで酒を熟成させる「とやま ダム熟成酒」の企画のひとつ。都道府県内で一斉に日本酒のダム熟成をするのは全国初の試みだ。
- 林酒造場:黒部峡(純米吟醸)
- 皇国晴酒造:幻の瀧(純米吟醸)
- 銀盤酒造:銀盤(特別純米)
- 本江酒造:北洋(純米)
有峰ダム
有峰ダム竣功60周年を記念して2019年より左岸監査廊内で貯蔵・熟成を行っている。「とやま ダム熟成酒」のひとつでもある。
桝田酒造店:純米大吟醸「ありみね」、純米原酒「有峰」
仕込み水の一部には貯水池に流入する沢の上流の水を使用しているそうだ。通販などはなく、桝田酒造店の「沙石(させき)」で販売している模様。
- 富美菊酒造
- 吉乃友酒造
久婦須川ダム
「とやま ダム熟成酒」のひとつ 。左岸リムトンネルで貯蔵される。
- 福鶴酒造
- 玉旭酒造
成出ダム
「とやま ダム熟成酒」のひとつ 。成出ダムから新成出発電所へ送水する導水路の点検⽤横坑にて貯蔵される。
- 高澤酒造場
- 若鶴酒造
- 吉江酒造
- 若駒酒造場
- 成政酒造
- 三笑楽酒造
黒部ダム(富山)
「とやま ダム熟成酒」のひとつ 。⿊部トンネル内にある導水路の点検⽤横坑(棒小屋沢第⼆点検横坑)にて熟成される。
- 林酒造場
- 皇国晴酒造
- 銀盤酒造
- 桝田酒造店
- 吉乃友酒造
- 福鶴酒造
- 玉旭酒造
- 高澤酒造場
- 若鶴酒造
- 若駒酒造場
- 三笑楽酒造
三宝ダム
三宝ダムと同じ水系の水を使用している地元の3つの酒造メーカーと連携して監査廊にて熟成された酒を販売している。
山名酒造:Hyogo Sake 85 カルヴァドス樽熟成・ポートワイン樽熟成・コニャック樽熟成
「Hyogo Sake 85」とは病気や高温に強い兵庫県産の品種の酒米で「香りが高くすっきりとして、のどこしが良い」品種だそう。
西山酒造場:純米大吟醸壺中夢源(コチュムゲン)
こちらも 「Hyogo Sake 85」 を使用した純米大吟醸酒となっている。
鴨庄酒造:花鳥末廣純米酒
丹波・鴨庄産コシヒカリ100%使用の純米酒。
滝畑ダム
平成28年度より実証実験を経て商品化。河内長野市ふるさと納税の返礼品になっている。
天野酒 僧房酒 滝畑ダム限定貯蔵 1000日熟成 熟成酒
滝畑ダムのリムトンネルで熟成された酒。
天野酒 純米吟醸無濾過生原酒 滝畑ダム湖底熟成
滝畑ダムの貯水池に沈めて熟成された酒。
矢作ダム
矢作水源フォレストランド協議会においてダムを使った地域活性化の取り組みの一環として堤体内にて豊田市内4社のメーカーと共同で貯蔵を開始。「矢作ダム貯蔵酒 山清水秀(さんせいすいしゅう)」の名で販売。2020年はわずか2時間で完売となり、2021年も即完売した模様。
- 豊田酒造株式会社
- 浦野合資会社
- 中垣酒造株式会社
- 関谷醸造株式会社
八ッ場ダム
右岸リムトンネルにて貯蔵。通常の販売のほか、ふるさと納税の返礼品にもなっている。
浅間酒造株式会社:純米大吟醸 八ッ場の風
味噌川ダム
水源地域ビジョン企画として2017年より木祖村・酒造メーカー・味噌川ダムの共同にて地下トンネルで貯蔵を開始。通年販売されている模様。
湯川酒造店:木曽路 純米吟醸 木曽川源流ダム貯蔵酒
丸山ダム
地元八百津町の酒造メーカー2社と八百津町・八百津町商工会・国土交通省が地域の新たな特産品として丸山ダム貯蔵酒を開発。ラベルは名古屋造形大学の学生によるデザインだが丸山ダムのゲートピアが意匠化されている。監査廊にて貯蔵。
- 蔵元やまだ:純米玉柏
- 花盛酒造(株):純米はなざかり
早明浦ダム
土佐町の和田守也町長発案により土佐酒造と水資源機構が賛同して監査廊にて貯蔵。
土佐酒造
貯蔵するのは「相川誉 山廃純米酒58」だが「Sameura Cave」という名で道の駅「土佐さめうら」で販売したが完売した模様。
横川ダム
横川ダム水源地域ビジョンの一環として、小国町が主体となって特産品づくりが行われるもの。監査廊にて熟成。
桜川酒造
2021年は純米大吟醸酒など720ml入り255本と、1.8L入り72本の計327本を貯蔵。
三国川ダム
2006年より三国川ダム貯蔵酒事業が行われているが、恐らく三国川ダムが日本で最初のダム酒を手掛けたものと考えられる。監査廊にて貯蔵。2021年現在は情報がないため貯蔵しているかは不明。
留萌ダム
国稀酒造:純米留萌ダム貯蔵酒
留萌ダムの仮排水路跡にて貯蔵。北海道開発局留萌開発建設部・北海道留萌建設管理部・國稀酒造が開発。
豊平峡ダム
国土交通省北海道開発局と地元ワイナリーが企画。2015年よりリムトンネルにて熟成。
八剣山ワイナリー:ダム熟成ワイン K-Rouge #2
ラベルにも豊平峡ダムが描かれている。
さっぽろ藤野ワイナリー:MAYA2016、ツヴァイゲルトレーベ2014
2種類のワインを熟成。
定山渓ダム
インフラストックを活用した地域振興の一環として右岸リムトンネルにて日本酒・ワインを熟成。
七ヶ宿ダム
七ヶ宿ダム竣功30周年を記念して七ヶ宿町などが企画。
永平寺ダム
永平寺ダムを地域の活性化や観光資源に活用しようと、福井県と地元の酒造会社黒龍酒造が共同で実施。
鳴子ダム
地域活性化取り組みの一環として、大崎市内醸造の日本酒の長期熟成保存実験の覚書を締結。2020年より4年間の長期熟成を行う。3ヶ月や半年ごとに試飲して熟成度を確かめる模様。貯蔵場所は旧道排水トンネル・上段監査廊・下段鑑査廊の3ヶ所。
- 株式会社一ノ蔵
- 株式会社新澤醸造店
三浦ダム
2019年より関西電力の協力で中善酒造店の酒が監査廊に貯蔵されている。ふるさと納税の返礼品にもなっている。
志津見ダム
飯南町と国土交通省中国地方整備局と赤名酒造がダム周辺の活性化を図るために取り組んだもの。酒はその名も「治酔」で「治水」と掛けているのもポイントだ。
ダム酒のリストに抜けや漏れがあればお知らせください。なお、管理人はアルコールを一切摂取しておらず知識がないため記載内容に誤りがある場合があります。
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