石川県のダム

0913-大日川ダム(だいにちがわだむ)/ 石川県

3.5
0913-大日川ダム(だいにちがわだむ)/ 石川県 石川県のダム
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取材日:2023/7/29(月)

森と湖に親しむ旬間イベントで真名川ダムと笹生川ダム、そして雲川ダムを見学して、帰るまでの空き時間を活用して石川県まで移動して赤瀬ダムを見学しましたが、その次に大日川ダムを訪問しました。この日最後のダムとなります。

まずは左岸から見学

赤瀬ダムから移動してきましたが、県道109号がなかなか狭隘な道路且つ秘境感満載で、唐突に現れる手彫りのトンネル、メルヘンなスキー場跡地の建物、突然出現する集落など終始驚かされっぱなしで到着しました。ダムサイトにはご覧の通りトイレもあります。

トンネルとトイレと放流注意看板と水利使用標識
トンネルとトイレと放流注意看板と水利使用標識

そしてダムサイトに到着すれば、いきなり左手に堤体下流面を見ることができます。ちなみに下流面直下にアプローチできそうな道が途中にありましたが、立入禁止と書かれていたので断念しました💦

左岸より堤体下流面を見る
左岸より堤体下流面を見る

天端は県道44号が通っていますので自動車の通行が可能です。

左岸より天端を見る
左岸より天端を見る

充実の看板。パッと見たところ右の方の看板が古そうですが、左は白山市に合併する前の鳥越村・尾口村・白峰村の記載があり、白山市と記載されている右側の方が実は新しいのでした。

「大日川ダム周辺案内図」と「大日川ダムのご案内」と大日川ダム石碑

左岸から堤体上流面を見ます。県営のダムですが色々と設備があってちょっと豪華なダムですね。

左岸より堤体上流面を見る
左岸より堤体上流面を見る

上流面手前にあるのはクレストゲートで、その奥にあるのが取水設備になります。下流面にあるのはエレベーター塔。取水設備もエレベーター塔もちょっとデザインが変わっています。

左岸より堤体上流面を見る(ズームアップ)
左岸より堤体上流面を見る(ズームアップ)

ちなみにクレストゲートはラジアルゲートが3門あり、スペックは以下の通りとなります。

純径間x垂直高7.000x6.086m
開閉速度0.3m/min
扉体重量9.400t
製作年月昭和42年6月
製作大島工業株式会社

訪問時、取水設備の工事中で左岸には仮設構台が設置されていました。

仮設構台
仮設構台

大日川ダムではダムカードの配布を行っていますが、残念ながら時間切れでした。

大日川ダム管理事務所
大日川ダム管理事務所

天端へ

天端からエレベーター塔を見ます。なんとも不思議なデザインです。エレベーターの機械室があると思われる2階部分は丸窓になっていて、まるで一ツ目小僧のようです。色も管理所がライトブルーだったように、こちらはライトグリーン。

天端を見る
天端を見る

すっかり夕暮れのダム湖。

天端より貯水池を見る
天端より貯水池を見る

「みどりと水にやさしさを 大日川ダム」と書かれていますが、なぜ同系色で書いてしまったのか💦ちなみにこの時の水位はEL323.3mでした。また、大日川ダムのサーチャージ水位(洪水時最高水位)は330.6m、洪水期制限水位は324.7mとなっています。

天端より取水設備を見る
天端より取水設備を見る

詳細なスペックは分かりませんが、多段式の表面取水設備のようです。こちらはなんだかロボットの頭部のようなデザインです。

取水設備の上部をアオリで
取水設備の上部をアオリで

ワイヤーが吊り下げられているのが見えます。

取水設備内部
取水設備内部

右岸へ

貯水池の流木やゴミを集めるための船です。

集塵船
集塵船

ちょっと見えにくいと思いますが、猿の家族がダム見学をしにきていました。

猿!
猿!

赤ちゃん猿もいました。かわいい。

猿!猿!
猿!猿!

この背面に実は展望台があるのですが、崩落の危険があるのか残念ながら立入禁止になっていました。

右岸より堤体下流面を見る
右岸より堤体下流面を見る

ちょうど西の方角を見ているのですが、山に太陽が隠れて辺りはすっかり暗くなってきました。

右岸より天端を見る
右岸より天端を見る

再び天端へ

右岸からの写真にも写っていましたが、堤体下流から森の中に伸びる茶色の管が見えます。これは水力発電用の水圧鉄管で、取水塔から取水された水がここを通って、下流にある大日川第一発電所での発電に利用されます。

天端より水圧鉄管を見る
天端より水圧鉄管を見る

さらに大日川第一発電所で利用された水は、神子清水発電所で利用され、さらに鳥越ダムという取水堰で取水され、峠を越えた先にある大日川第二発電所に利用されます。

ラジアルゲートのシャフトが邪魔をしてしまっています。減勢工の先は自然に任せたような川になっていて、流路が分かりにくいですが向かって左の方に流れていくようになっています。

天端より下流を見る
天端より下流を見る

再び左岸へ

金網フェンスにレンズをくっつけて見ます。奥にあるのが発電用のバルブ室と水圧鉄管、その手前に見える大きな穴が灌漑や洪水調節に使われるハウエルバンガーバルブ、その下流にあって水が吹き出しているように視えるのが河川維持用の放流設備になります。

左岸より堤体下流面にある設備を見る

赤瀬ダムのページで書いたように、赤瀬ダムと比べて建設時は色々と揉めに揉めた大日川ダムですが、今では白山市の山奥で洪水調節や灌漑や発電に頼られるダムなのでした。

大日川ダム諸元

所在地石川県白山市阿手
河川名手取川水系大日川
目的F(洪水調節、農地防災)
A(かんがい用水)
P(発電)
型式G(重力式コンクリートダム)
堤高59.9m
堤頂長238m
堤体積309,000㎥
流域面積83.9k㎡(直接:56.5k㎡、間接:27.4k㎡)
湛水面積132ha
総貯水容量27,200,000㎥
有効貯水容量23,900,000㎥
ダム事業者石川県
本体施工者鹿島建設
着手年1952年
竣工年1967年
ダム湖名大日湖(だいにちこ)

その他の設備/所感

駐車場
トイレ
公園×
PR展示館×
釣り○(禁漁区を除く)
展望台×

大日川ダム周辺の地図

大日川ダム周辺の天気

大日川ダムに近いと思われる宿泊施設

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この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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