去年この記事を出そうと思ったらすっかり遅くなって年が明けてしまいました。どうもダムログの時間です。
去年2021年11月に矢作ダムでは発電所の点検のため代替放流を行っていたのですが、そのタイミングに合わせて動画取材されるというインフラ系YouTuberでダムカメラマンの萩原雅紀さんにお誘いいただいて、すぐに「行きます!」と返事して行ってきました。
サトノエキカフェ
午前中は久しぶりに黒田ダムと富永ダムを訪問して、お昼は恵那市串原にあるサトノエキカフェさんでランチしました。とても美味しかったのでおすすめです。
右岸より堤体下流面を見る
矢作ダムに到着。やっぱりアーチダムはかっこいい!それもただのアーチダムではなく本邦初(そしておそらく世界初)の放物線アーチ。これ以降に国内で建設されたアーチダムはこの放物線アーチが主流となり、まさに矢作ダムはアーチダムの金字塔なのです。おまけに世界でも類を見ない二段式揚水発電の下池としてのダム。さらに言えば矢作ダムはぼくをダム愛好家に目覚めさせたダムだったりするのです。
萩原さんと合流
右岸の駐車場で萩原さんと合流して管理所へ向かいます。その間も素材を撮っていく萩原さん。
天端からコンジットゲートからの放流を見る
天端からコンジットゲートからの放流の様子です。矢作ダムは割りと代替放流含めてコンジットゲートから放流しているイメージなのでそれほど珍しくはないかもしれませんが、それでもやっぱり実際目の当たりにすると迫力があります。
矢作ダム管理所内
管理所に行き所長さまはじめ職員の方にご挨拶させていただき操作室へ。第12回ダム愛好家との集いの見学会の際に見た平成30年の台風24号による出水時のクロノロはさすがに無くなっていましたが、ここが洪水時には最前線となる場所なんだなと改めて思いました。
矢作ダムは世界でも稀有な二段式揚水式発電所の下池を担っていますが、中部電力さんからは発電で水を使用したりやめたり、富永ダムへポンプアップするタイミングでは管理所に連絡が入らないそうで、実際の水位を見て把握してるんだそうです。これにはちょっとびっくり。
エレベーター
エレベーターには「私語厳禁」の張り紙がされていました。業務に集中するためではなく、新型コロナウィルス感染症対策のためだったようです。
監査廊の階段
写真だと上りなのか下りなのか分かりづらいですが下り階段です。「下りられますか?」とご提案いただきましたが、萩原さんが固辞されたので下りないことなりました。ぼくだったら下りるかな(笑)
通常コースのキャットウォーク
公式に見学会に申し込むと見せていただけるのがこのアングル。この日は14.69㎥/sの放流量でした。
息子がまだ小さかった頃にこれを見せに連れて行きましたが、床がパンチングメタルで下が見えたり、放流による轟音で恐怖を感じてしまったのか泣いてしまった思い出がよみがえります。
ちなみに右岸側のゲートが全開になっていますが点検によるものだそうです。
コンジットゲートからの放流を間近に
ここからがスペシャルステージ!コンジットゲートを至近距離で見せていただきました。こんなに間近に放流を見るのは初めてですね。
キャットウォークより減勢池を見る
いやはやなんともすごい(語彙力
この距離で見られるなんて…
放流していないときのコンジットゲートはダム愛好家との集いでも同様に至近距離で見せていただきましたが、まさか放流中の様子を見せていただけるとは思ってもみませんでした。
コンジットゲート操作室に向かう途中のキャットウォーク
次はコンジットゲート操作室を見せていただけることに。一旦エレベーターで昇ってキャットウォークの階段で降りていきます。
コンジットゲート操作室
油圧シリンダーが印象的なお部屋。ちょうどこの時「ゴォンゴォン…」と音がしましたが、点検で全開になっていたコンジットゲートが閉まる音だったようです。見ておけば良かったとちょっと後悔。
ゲート操作室の間のキャットウォークから放流を見る
このアングルから放流を見るのも初めてですね。
天端のクレストゲート操作室のフェンス
下流面のコンジットゲートから天端にやってきました。このフェンスはごく最近になって取り付けられたものです。
クレストゲート操作室への入口
なんとクレストゲート操作室の中を見せていただけることに!!ここは管理所からは直接通路で繋がっておらず、管理所の外に出て天端を歩きハッチを開けて梯子で降りていくのです。クレストゲートを機側操作するなんていう状況はよほどじゃないとありませんが、豪雨の中でここまで来るのはものすごく大変なことだと思います。クレストゲートを実際に操作したのは50年という矢作ダムの歴史の中で西暦2000年に発生した東海豪雨(恵南豪雨)の時だけなのです。
クレストゲート操作室内部
広さは四畳半ぐらいでものすごく狭い部屋です。その3分の1ほどは左側に見える機側操作盤などが置かれ、右下に見える緑色のものはラジアルゲートのシャフトになります。何度も言いますが大雨の中でこんなところに来るのは本当に大変なことだと思います。
クレストゲート
こんなアングルで矢作ダムのクレストゲートを見たのは初めてです。カッコいいんだけどできることなら使わずに済ませたいクレストゲート。メカニカルな感じがまた超カッコいいですね。ちなみにダムペディアのサイトカラーはブルーですが、ぼくがダムに目覚めたのが矢作ダムということでこの色から取らせていただいています。(半分は嘘です。今そういうことにしようと思いつきました)
選択取水設備
矢作ダムの選択取水設備。ここから取り入れられた水が下流の発電所に送水されます。今回はその発電所の点検ということで選択取水設備も整備されるためか作業されている方がいました。
何度も通っている矢作ダムでしたが、改めて東海豪雨のお話や管理の大変さをお聞きすると頭が下がる思いです。また今まで見たことがない場所やアングルも見せていただいてありがとうございました!
今回の模様は萩原さんのYouTubeチャンネル「SiphonTV」にUPされていますので、ぜひこちらもご視聴ください。(いいねとチャンネル登録をお忘れなく!)
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