滋賀県のダム

1355-芹川ダム(せりかわだむ)

3.5
1355-芹川ダム(せりかわだむ)滋賀県のダム
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取材日:2021/10/9(土)&10/31(日)

芹川ダムは数年前から「令和の大改修」によって耐震補強や設備の改修工事が行われていました。個人的に滋賀県湖東地域のダムはこの芹川ダムだけが未訪問の状態でしたが、このほど堤体本体工事が終わったようでしたのでこの機に訪問してみることにしました。

芹川ダムは滋賀県多賀町の一円地区にあるため地元の方からは「一円ダム」と呼ばれることもあります。

ちなみに芹川ダムへは初めて国道306号の倉掛峠を通って行きました。鞍掛峠は冬の時期は積雪、雨の時期には土砂災害などですぐに通行止になるというイメージでしたので、避けていたのですが実際に通ってみるとワインディングはそこそこ厳しいものの、しっかりと整備された国道で楽しい道路でした。

駐車場にて

到着して早々、JVの現場監督と思われる方がぼくのクルマに貼られた「ダム巡ってます」や「放流注意」のステッカーを見てダム愛好家だと気づいたからか話しかけてくださいました。しかし残念ながら堤体には近づけないというお話でした。

駐車場にて
駐車場にて

下流の菜の花畑から堤体下流面を見る

仕方がないので周辺を軽く散策しつつ堤体が見える場所まで移動して撮影。アースダムなのですが全く土や草の印象が薄いですね。

下流の名の花畑から堤体下流面を見る
下流の名の花畑から堤体下流面を見る

左岸より堤体下流面を見る

そして3週間後、再びやってきました芹川ダム。ちょうど試験湛水中で満水を迎えるという情報をTwitterのフォロワーさんからいただき、余水吐から越流するかもということでした。3週間前に訪問した時と同様に普通には立ち入ることができない状態でしたが、そのフォロワーさんが地元の方で土地改良区の方と交渉を重ねて特別に入るご許可をいただきました。

左岸より堤体下流面を見る
左岸より堤体下流面を見る

下流の橋より導流部を見る

基本的に改修するのは堤体だけのようで、余水吐や導流部は改修の対象ではなかったようです。ご覧のとおり導流部は古いままでした。これはこれで味があっていいかもしれません。

下流の橋より導流部を見る
下流の橋より導流部を見る

余水吐下流の橋

こちらもなかなか古くて味のある橋です。

余水吐下流の橋
余水吐下流の橋

ちなみに芹川ダムの芹川は河川名ですが、芹川の本川は貯水池には流れておらず、実際には芹川本川にある取入堰から取水された水が水路(芹川承水路)を通って芹川ダム貯水池へと流入させています。

文章だと分かりづらいので滋賀県のサイトにあった概要図を引用させていただきます。

フォロワーさんにいただいた情報によると、芹川ダムと承水路は戦前より多賀地域の農業の発展に寄与した土田卯之助(1867~1939)が計画していますが、竣工を見守ることなく亡くなっているそうです。

左岸より天端を見る

残念ながらこの日は天端はまだ入ることは出来ませんでしたが、すでに舗装されたり高欄が設置されていました。

左岸より天端を見る
左岸より天端を見る

左岸より堤体上流面を見る

堤体上流面は最近のアースダムで主流となっているコンクリート枠工+中詰工。見た目が綺麗ですね。

左岸より堤体上流面を見る
左岸より堤体上流面を見る

左岸のやや上流より堤体上流面を見る

雨が降った影響からか流木や木屑が浮いているものの全体的に綺麗な湖水です。山の緑と空の青が湖面に反射しているのがとても印象的でした。

左岸のやや上流より堤体上流面を見る
左岸のやや上流より堤体上流面を見る

余水吐上の橋

余水吐上の橋は堤体の改修工事に合わせて更新されていますが、元々はトラスで組まれた橋だったようです。

余水吐上の橋
余水吐上の橋

余水吐上の橋より導流部を見る

朝の時点ではまだ越流していませんでした。

余水吐上の橋より導流部を見る
余水吐上の橋より導流部を見る

左岸より余水吐を見る

越流堤ギリギリまで水が貯まっていますが、あと少しで越流しそうですね。

左岸より余水吐を見る
左岸より余水吐を見る

流入工を見る

当分まだ越流しないだろうということで、上流にある流入工まで見に来ました。ザバザバと水が流れていました。

流入工を見る
流入工を見る

堤体下流面を見る

流入工から戻って堤体下流面を愛でます。出来たばかりの堤体はまだ草が生えていないため、アースダムとはまた全然違った趣があります。

堤体下流面を見る
堤体下流面を見る

左岸より堤体上流面を見る

ちなみにこれは堤体法面に張られたシートは防草シートではなく植生シートになります。

左岸より堤体上流面を見る
左岸より堤体上流面を見る

植生シート

このシートに種子を植えて緑化します。きっと時期が経てばきれいなアースダムらしい緑色になるはず。

植生シート
植生シート

11時半ごろの余水吐

到着してから2時間以上が経過していますが、あまり状況は変わっていないような…。しかも越流堤下部にクラックが入っていて、そこから水が漏れているようにも見えます。

11時半ごろの余水吐
11時半ごろの余水吐

下流面直下より堤体を見る

仕方がないのでお昼ご飯を食べて時間をつぶし、再び堤体へ。今度は下流面直下からアプローチ。

下流面直下より堤体を見る
下流面直下より堤体を見る

取水設備からの暗渠ポータル

右岸側に取水設備があり、そこで取水された水がここを流れるようになっています。奥の方で「ゴー」っという音が聞こえます。上部には銘板が嵌められていたようですが、残念ながら取り外されてしまっています。

取水設備からの暗渠ポータル
取水設備からの暗渠ポータル

13時頃の余水吐

ほんの少しだけ水位が上がったように見えますが…

13時頃の余水吐
13時頃の余水吐

余水吐アップ

うーん…やっぱり越流堤の下部にクラックがあって流入した分がそこから漏れているような気がします。

余水吐アップ
余水吐アップ

余水吐上の橋より貯水池を見る

貯水池に目をやると多くの水鳥が羽を休めていたり、水没林が見えたりときれいで素敵な貯水池だと思います。

余水吐上の橋より貯水池を見る
余水吐上の橋より貯水池を見る

上流の散策路より堤体上流面を見る

なかなか越流しないので貯水池を一周して右岸まで行ってみよう!ということになり歩き始めました。写真はその途中で見えた堤体上流面。ちょっと木が邪魔しちゃっています。

上流の散策路より堤体上流面を見る
上流の散策路より堤体上流面を見る

散策路の分岐

ところどころ足場が悪く靴が汚れてしまうほどでした。結構歩いたのですがそれでも半分も行かなくて結局途中であきらめて引き返しました💦

散策路の分岐
散策路の分岐

14時半頃の余水吐の様子

日が落ちてきて余水吐の半分ほどが影に入ってしまいました。そしてあまり状況に変化がないような…

14時半頃の余水吐の様子
14時半頃の余水吐の様子

余水吐のアップ

越流しそうでしませんね…

余水吐のアップ
余水吐のアップ

やっぱりクラック?

本当にあともう少し!というところまで来ているのですが、やはりクラックから染み出た水が多くて越流しそうにありません。風が吹けば…とか、誰か貯水池に入ってきて!などと愛好家同士でこの冗談を言うのも試験湛水ならでは?ですね(笑)

やっぱりクラック?
やっぱりクラック?

半ばあきらめムード

集まったダム愛好家の皆さんからは半ばあきらめムードになってきていました。そしてこの日は衆議院議員選挙の投票日だったため、期日前投票を済ませていなかったぼくはやむなく明るい時間に離脱するのでした。

半ばあきらめムード
半ばあきらめムード

改良区の方もクラックについては把握はされていたようですが、余水吐についてはほとんど使われることがないため堤体のみの改修となったようです。クラックから漏水する量までは把握されていなかったようですが、試験湛水の結果によっては改修されるかもとのことでした。

下流側も徐々に整備されて自由に見学ができるようになりますので、このきれいで気持ちが良い貯水池とセットで見学してみてはどうでしょうか。

最後になりますが一円地区の土地改良区の皆さま、仲介していただいた某フォロワーさま、今回は大変ありがとうございました!

芹川ダム諸元

河川名は実際には芹川ではないのですが便宜上ダム便覧に合わせています。改修によって一部スペックが変わっている可能性もありますが、こちらもそのままにしています。(堤高に変更はないと聞いています)

所在地滋賀県犬上郡多賀町一円
河川名淀川水系芹川
目的A(かんがい用水)
型式E(アースダム)
堤高27m
堤頂長135m
堤体積158,000㎥
流域面積38.7km2(直接:1.2km2、間接:38km2)
湛水面積14ha
総貯水容量1,781,000㎥
有効貯水容量1,751,000㎥
ダム事業者滋賀県
本体施工者ダム事業者直営
着手年―年
竣工年1955年(旧堤体)
ダム湖名

その他の設備/所感

下流にある「野鳥の森」の駐車場に停めて徒歩での移動となります。トイレもその駐車場に隣接しています。

駐車場
トイレ
公園
PR展示館×
釣り

芹川ダム周辺の地図

芹川ダム周辺の天気

芹川ダムに近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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