天竜川ダム統合管理事務所のTwitterでこんな告知がされていました。なんと小渋ダムの減勢工内の水を抜いて、その中を一般開放するというイベントが行われるというではありませんか!
ちょうど新型コロナウィルスの感染者もかなり減って、対策はしながらも自由に動けるようになったタイミングでした。こんな機会は滅多に訪れることはないと思い、夜も開放してライトアップも行われるという11月27日に行ってきました。
右岸より堤体下流面を見る
小渋ダムには9時過ぎに到着。この季節は逆光になりがち。
エレベーター塔の前で受付
受付を済ませます。万が一感染者が出た場合に対応できるようにするためか記名して、手にアルコールを噴霧して、ヘルメットをお借りしてエレベーターに乗り込みます。エレベーターの中もおしゃべり禁止という徹底ぶり。
キャットウォークから減勢池を見る
減勢工には入らず、まずは一番下のキャットウォークを歩き、減勢池の中を見てみることにしました。「人がゴミのようだ!」というムスカ氏のセリフは置いておくとして、空っぽの減勢工は初体験なのでドキドキしています。
減勢池への階段
いよいよ減勢池へ至るための最後の階段を下りていきます。普段は水に浸かって歩くことなんて滅多にないからか踏面が細くなっており、気を付けて下りないと踏み外しそうになるほどでした。
フーチング階段
ぼくは夏から力仕事をするようになったので、だいぶ体力はついたはずなのですが、それでも息切れのする階段。
減勢池から堤体を見上げる
基礎岩盤により近いところから堤体を見上げるなんて人生では滅多にないことなのですが、頚椎ヘルニアを患ってるのにそんなことはいちいち気にしていられませんでした。
減勢池内
減勢池の堤体側のほぼ中央から下流方向を見ています。減勢池はよくプールに喩えられますが、巨大すぎてプールというよりタンカーなどの大型船を扱う造船所のドックのようです。
減勢池の土砂
減勢池の中では意外と土砂が貯まるんだなぁと思わせるのがこの写真。結構大きいサイズの石もあって驚きます。
減勢工の床面「水叩き」
そして減勢工の床(水叩き)はこんなにゴツゴツしています。水を抜かなければこんな状態になっているなんて分からなかっただけに貴重な光景です。
シル
減勢池の中央部分にはシルと呼ばれる台形をした構造物が設置されています。これも水がなければ見ることが叶わなかった構造物ですね。このシルによって減勢池に流れ込んだ水を跳水させて減勢させているものと思いますが、ちゃんと確認しておけばよかったですね。シルの角には削られないように鋼材が取り付けられています。
副ダム
副ダムまで来ましたが、さすがに近くで見ると巨大ですね。
水抜き用の穴
副ダムの最下部に設置されているのがこの水抜き用の穴です。減勢池の水をポンプで吸い上げて、ここから外に出していたようです。
水抜き用の穴を覗くと…
副ダムの向こうが見えるかなと思ったのですが残念ながら見えませんでした💦
減勢池内、副ダムより堤体下流面を見る
午前の部に参加したのですが、堤体が影になってしまうので午後の部に参加した方が良かったかもしれません。
右岸より副ダムを見る
減勢池内から右岸に移動しました。普段は水が貯まっていますが、水がない状態で上から見るとより大きさが感じられますね。
ちなみに7年前の小渋ダム開放DAYイベントの際にほぼ同じ位置で副ダムを撮影していましたので、参考までに載せておきますね。
右岸の副ダム付近より堤体下流面を見る
減勢池に水がないだけで、こうも印象が変わるのかという堤体下流面。それにしても歴戦の証かコンジットゲートより下が黒く汚れているように見えます。高圧洗浄機で洗いたいと思うのはぼくだけでしょうか。(そんなイベントをぜひ)
天端よりエレベーター塔越しに減勢工を見る
天端まで戻ってきました。天端から見ても普段水が貯まっている減勢池に水が貯まっていない状況は不思議で貴重な光景です。
左岸より堤体下流面と減勢工を見る
貴重な光景なので左岸からも撮影。
小渋ダムカレー
お昼になりましたので道の駅「歌舞伎の里大鹿」まで移動してレストランおい菜で小渋ダムカレーをいただきました。1日15食限定。よく煮込まれて美味しくいただきました。また、小渋ダムカードを提示するとコーヒーかデザートがいただけます。この日はソフトクリームをいただきました。
右岸展望台より堤体を見る
道の駅から美和ダム・高遠ダム・片桐ダムを巡って夕方になり再び小渋ダムに戻ってきました。ちなみに片桐ダムは過去に訪問していると思ったら初訪問だったことに帰宅してから気が付きました(笑)
ライトアップされた堤体
いよいよ減勢工開放イベントは夜の部に入ります。照明が堤体に程よく照らされているのがまた良いですね。ものすごい非現実感を体感できる幸せ。
副ダムのあたりよりライトアップされた堤体下流面を見る
見学されているダム愛好家の皆さんが終始笑顔になっていたのがとても印象的でした。写真では伝わり切れないのですが、実物を見たら間違いなく息を飲むほどものすごく感動してしまうんです。
減勢池の水溜まりに反射する堤体
こんな風景も滅多に見らるものではありません。本当に言葉ではなんとも表現できない素晴らしさです。
減勢池の左岸角より堤体下流面を見る
フォロワーさんに「(減勢池の)角の雰囲気が一番いいですよ」と教えていただいたので、ザバザバとくるぶし辺りまで溜まっている水を搔き分けながら移動します。するとそこにはさらに息を飲む小渋ダムの姿がそびえ立っているではありませんか。副ダムの特に左岸のあたりは影になりつつも、水が貯まって水鏡のようになりこのような幻想的な景色を作り出しているのです。
夜の天端
減勢池をひとしきり堪能し天端に戻ってきました。夜の小渋ダム自体が初めてでしたので天端も撮影します。
右岸展望台より堤体を見る
そして未だ見たことがなかった右岸展望台から見る夜の小渋ダム。めちゃくちゃ雰囲気ありますね。しかも減勢工に水がないバージョン。これを最後に見て帰路につきました。
そしてこのイベントは日本ダムアワード2021のイベント賞を受賞することになるのです。しかも2年連続3回目!改めましておめでとうございます🎊
ダムアワード受賞を狙っていたんじゃないかと思えるほどのイベント内容でしたが、天竜川ダム統合管理所の皆さんの発想力の柔軟さと、楽しませようとする行動力は、来場者の皆さんの笑顔に反映されて、それがすべてを物語っていたように思います。
本当にありがとうございました。
インスタダムライブ
ちょっと宣伝というかお知らせ。ここ最近ダムに行くとインスタライブを配信していたりします。今回の小渋ダム減勢工開放イベントでもライブ配信しておりアーカイブに残していますので、よければぜひご視聴ください。あとフォローもよろしくお願いします😉
コメント