取材日:2013/2/3(日)
ダム愛好家のみんなで放流している野洲川ダムや蔵王ダム(滋賀)を見学した後に向かったのは日渓溜というアースダムでした。
ここのダムは一度チャレンジしていたのですが、西側にある音羽城址からアプローチしようとしたところ断念した経緯があります。北側からアプローチするとたどり着くということを聞きつけみんなと一緒に訪問しました。
とりあえず駐車
神社の脇に停めさせてもらい徒歩で移動します。
日野川に架かる橋を渡る
まずは日野川に架かる橋を渡ります。
田園を歩く
季節は冬でしたが、別の季節に来たらまた違った雰囲気が味わえたことでしょう。
獣害防止フェンス
野洲川ダムもそうですが獣害防止フェンスは開けっ放しにしなければ、入っても良いそうです。もちろん立入禁止と書かれていないことが前提になります。
獣害防止フェンス後
堤体まではしばらくこんな道が続きます。
右岸より天端を望む
堤体に到着しました。すっかり日が落ちてきました。
洪水吐に架かる橋より洪水吐を望む
アースダムでよく見るタイプの洪水吐(余水吐)です。
日渓溜解説看板
地元の方々が設置した観光用の看板です。これによるともともと日渓溜は「宝殿池」という名称になる予定だったようです。築堤時にトロッコがこのあたりで初めて使われたようですね。
大正11年(1922)11月に6年の工期と三六万四千円の工費で完成したこの溜池は、初め宝殿池と命名されたが、日渓耕地整理組合が工事主体であったために日渓組合の溜池というところから、日渓溜が通称名になってしまった。表面積は4ha余。音羽より上野田までの出雲川沿岸約30haの農業用水である。この築堤工事に日の地方では最初の土砂運搬用トロッコが使用されて話題を読んだ。池中のお社は大弁財天社である。
現地銘板より
日野観光協会・西大路公民館
右岸より堤体上流面を望む
なかなか良いアングルで堤体が見られるのは高ポイントですね。
洪水吐に架かる橋より下流を望む
なんということはないシュート部です。そのまま日野川に合流すると思いますが未確認です。
堤体より洪水吐を望む
竣工年がかなり古いため幾度かの改修工事を経ているものと思います。この洪水吐も以前は違った形だったのかもしれません。
天端の祠
天端には祠が祀られています。水神さまでしょうか。
祠より堤体下流面を望む
きれいに草刈りがされています。地元で大切にされている証ですね。
天端より下流を望む
向こうに見えるのが受益地域の田畑になります。ここで貯められた水が、あそこで活用されているのかと思うと胸アツですね。
斜樋式取水設備
堤体中央付近に取水設備が設置されています。ここで取水された水は導水管を通って下流に流されます。
左岸より堤体下流面を望む
左岸までやって来ました。こうしてみるとかなり大きく見えるダムです。
左岸より天端を望む
水を堰き止めている感がわかる写真かと思います。
宝殿池大弁才天遥拝所石碑
バックウォーターに大弁財天社があるようです。右手から行けそうですが藪こぎは必至でしょうね。南側に林道があってそこからも大弁財天社にアクセスできるようです。
大弁財天社のあたり
森に囲まれて見えないのですが、左の方に大弁財天社があるようです。右手には鳥居の一部が水没して見えています。
音羽城址への道
音羽城址からもこんな行く手を阻む感じでした。頑張って行けなくもないような気もしますが…
堤体直下へのアプローチ
堤体直下へは一旦北上してから別ルートで臨みます。
堤体直下へのアプローチ(その2)
さらに道は続きます。左に流れている水路は取水設備から流れてくるなどした水です。
堤体直下へのアプローチ(その3)
随分暗くなってきたためノイズが酷くてすみません。小橋の上に置いてあるのはセンサーでしょうか。
堤体直下に到着
取水設備からの水が右手から流れてきて、正面にシュートがありますが、これが洪水吐から来ているのかはちょっと分かりませんでした。
直下より堤体下流面を望む
すっかり辺りが暗くなってしまいましたが、ようやく堤体下流面を捉えることができました。下流側もしっかり草が刈られており、見学しやすくなっていました。
みんなでワイワイやるダム見学は楽しいですし、アプローチの仕方がわからないダムだっただけにとても心強かったです。今回記事化させていただいたことで、私と同じように行き方がわからない方の参考になったら幸いです。
日渓溜諸元
ダム便覧では着手年1926年、竣工年1944年となっていましたが、現地の看板により1922/1928年としています。
所在地 | 滋賀県蒲生郡日野町音羽 |
河川名 | 淀川水系 |
目的 | A(かんがい用水) |
型式 | E(アースダム) |
堤高 | 21m |
堤頂長 | 130m |
堤体積 | 126,000m3 |
流域面積 | 0.5km2 |
湛水面積 | 4ha |
総貯水容量 | 382,000m3 |
有効貯水容量 | 382,000m3 |
ダム事業者 | 日野川流域土地改良区 |
本体施工者 | ― |
着手年 | 1922年 |
竣工年 | 1928年 |
ダム湖名 | ― |
その他の設備/所感
音羽城址からのアプローチなら駐車場や公園は○としても良いかもしれません。トイレも城址にあったような気がします。
駐車場 | × |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○? |
コメント