取材日:2014/11/19(水)
この日、塩原ダム(チラ見のみ)・板室ダム(入口のみ)を経由し、見学のメインとなる深山ダムを見学させていただいた後に、見学させていただいたもう一つのメインとなるダムが沼原ダムとなります。揚水発電が行われている電源開発沼原発電所の上池でもあります。(深山ダムが下池になります)
沼原ダムは通常は立入禁止で天端に入ることはできず、沼原湿原の散策路からしか普段は望むことができませんが、この日は特別に許可を得て見学させていただいています。
ちなみに昭和51年歌会始お題「坂」にて、昭和天皇が「ほのぐらき林の中の坂の道のぼりつくせばひろきダム見ゆ」と詠まれたそうですが、この沼原ダムのことなのだそうです。
南側の天端より南方を見る
沼原ダムには洪水吐がないため下流・上流という概念がないと思いますので、方角で示したいと思います。ダムはフェイルセーフ機能として必ず洪水吐・余水吐があるものと認識していたのですが、この沼原ダムは発電で十分に深山ダムに流せるから洪水吐が存在しないのでしょうか。
南側の天端より北方を見る
この日は風が強く調整池の水に白波が立つほどでした。天端標高は約1,240m。標高が高く時間も16時過ぎだったためかかなり寒く感じられました。
沼原ダムは通常のダムとは異なり、大地を掘り込みまた一部を盛り立てて建設されています。そのため山の上に貯水池があるという独特の光景が広がります。しかも珍しいアスファルトフェイシングフィルダム。
南側の天端より東方を見る
11月でしたがすでに雪もちらほらと見えるようになっていました。
パラペット
天端は高欄に類するものはなくパラペットが施工されています。
北側の天端より南方を見る
本当に北側から南方なのか記憶が曖昧なので怪しいのですが間違っていたらごめんなさい。
北側の天端より沼原湿原を見る
沼原ダムの北側には湿原が広がります。散策できるようになっていますので、一般にはここや西にある高台から沼原ダムを見ることになるようです。昭和天皇も何度か足を運ばれたのだとか。(だからこそ歌会始の儀で詠まれたのだと思います)
北側の天端より愛車の一部と共に南方を見る
夕暮れで標高が高く雲が近いからか幻想的な風景を醸し出しています。こんな景色はここでしか見られないと思います。
北側の天端より西方を見る
この日の最後に良いダムを見学させていただき感謝感謝です。この日は本当は福島方面に抜けて一晩明かし、茨城経由で帰路につく予定でしたが、自宅に急遽戻る必要が出てきたためとんぼ返りとなりましたが、想い出を噛み締めながら帰路につきました。
沼原ダム諸元
所在地 | 栃木県那須塩原市 |
河川名 | 那珂川水系那珂川 |
目的 | P(発電) |
型式 | FA(アスファルトフェイシングフィルダム) |
堤高 | 38m |
堤頂長 | 1,597m |
堤体積 | 1,260,000㎥ |
流域面積 | ―km2 |
湛水面積 | 18ha |
総貯水容量 | 4,336,000㎥ |
有効貯水容量 | 4,220,000㎥ |
ダム事業者 | 電源開発株式会社 |
本体施工者 | 鹿島建設 |
着手年 | 1969年 |
竣工年 | 1973年 |
ダム湖名 | 沼原湖(ぬまっぱらこ) |
その他の設備/所感
駐車場・トイレは沼原園地のものになります。展望台は少し高台になっている箇所があるようですが、果たして展望台と呼んで良いのか微妙なため△としています。
駐車場 | ○ |
トイレ | ○ |
公園 | × |
PR展示館 | ○(森の発電おはなし館) |
釣り | × |
展望台 | △ |
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