取材日:2013/06/08(土)
新滝の池から徒歩で上流に向かうこと十数分。向かうは滝ノ池。ピクニック気分で向かいます。お弁当持って行っても良いかも知れませんね。アスファルト舗装で急斜面もありませんので気軽に行けると思います。
滝ノ池への道中にあるベンチ
新滝の池から上流の道を進むと分岐があって滝ノ池へは右に進みますが、左にベンチがありますね。ちなみに左に進むと新池という溜池に進みます。そちらは堤高15mのため今回は行きません。
道中の土砂崩れ
土砂崩れというより岩が剥がれ落ちたような感じですね。ここからさらに大きく崩れることはなかったのでしょうか。
新池の余水吐
さらに進むと新池の余水吐を左手に見ることができます。
右岸より余水吐と堤体上流面を望む
てくてく歩くと貯水池と堤体が見えてきます。水面が洪水吐の敷高ギリギリなのが分かります。
右岸より堤体上流面を望む
堤体表面の遮水壁法面保護工はよくあるブロックを敷き詰めるタイプです。
右岸より天端を望む
いかにもアースダムらしい天端ですが、舗装されており左岸まで自由に散策することができます。
天端よりダム湖を望む
きれいな水です。奥にはボートで釣りを楽しむ人もいますが、ボートはどこから持ってきたんでしょうね。
天端より余水吐上流面を望む
余水吐は堤体に対してほぼ直角に造られています。
滝ノ池石碑
石碑には「瀧」の字が使われていますね。
石碑の背面
石碑には歴史や改修の経緯が書かれています。しかし汚れているのは煤のように見えます。誰か火で炙ったのでしょうか…。
この瀧ノ池は、遠く江戸時代末期の築造と伝えられ、爾来幾星霜、幾多の先達によって護り継がれて来たのであるが、近時その堤体施設等の老朽化がその極に達した。このため府営大規模老朽ため池事業として堤体の完全な補強、余水吐能力の拡充、取水施設の完備等一大改修工事を施し、五ヶ年の歳月と、約二億余円の財を投じて、ここに竣工を見るに至った。
現地石碑より(一部当サイトで加工)
今や面目一新、池面に山紫が映て、満々たる天恵力がこの地域をうるほしその恩恵は永く後の世に継承されるであろう。
ここに一文を刻して記念とする。 泉佐野市上之郷土地改良区
型式 刃金式アースダム
堤高 18.5m 堤長 116.7m
満水面積 5.4ha 有効貯水量 350,000㎥
着工 昭和41年10月 竣工 昭和46年3月
事業主体 大阪府
監理 泉佐野市
施工 幾久建設株式会社
余水吐より堤体上流面を望む
改修から半世紀ほど経つことになりますが、いつまでも永く利用されてほしいものですね。
取水設備
余水吐の中央には取水設備があります。スペックは不明。
余水吐に架かる橋より導流部を望む
低めのバッフルピアがならぶ導流部。それにしてもゴミがすごい。よく見ると下流の構造がかなり複雑で面白そうなのですが、ここからだとはっきり見えないのが残念。バルブのようなものも見えますが、取水設備につながっているように見えます。
余水吐の天端を望む
堤体左岸に地山があって、余水吐の写真で言う手前にも地山があって、その間の鞍部を繋ぐようにして余水吐にしたのは興味深いですね。とても合理的だと思いました。改修前はどうなっていたんでしょうね。
左岸より堤体下流面を望む
素人目には斜面に草が生えてるとしか見えない写真。
江戸時代末期に築堤され、改修されつつも脈々と現代にまで受け継がれる農業用の溜池。徒歩でしか立ち入りが許されず、謎な部分が多い滝ノ池ですが、今後も末永く役立ってほしいですね。
滝ノ池諸元
所在地 | 大阪府泉佐野市上之郷 |
河川名 | 樫井川水系大山谷川 |
目的 | A(かんがい用水) |
型式 | E(アースダム) |
堤高 | 18.5m |
堤頂長 | 116.7m |
堤体積 | 101,000㎥ |
流域面積 | km2 |
湛水面積 | 5ha |
総貯水容量 | 351,000㎥ |
有効貯水容量 | 351,000㎥ |
ダム事業者 | 大阪府 |
本体施工者 | 幾久建設株式会社 |
着手年 | 1966年 |
竣工年 | 1971年 |
ダム湖名 | 滝ノ池 |
その他の設備/所感
駐車場 | ○(新滝の池の駐車場を利用) |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○? |
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