取材日:2006/11/24
所在地:山梨県南巨摩郡南部町
道中に見える富士山
柿元ダムはその道中、富士山が見えるダムです。こんなにハッキリと富士山を見たのは久しぶりです。やはり日本一は良いですね。
右岸下流より堤体を望む
柿元ダムは雨畑ダム同様に、日本軽金属というアルミニウムなどを製造する私企業が所有するという珍しいダムです。
右岸の高台より堤体を望む
高台に上るのはちょっと危険ですので、あくまで自己責任でお願いします。かくいう私は体力に自身ばかりか運動能力も人並み以下なので、ここに上るのはかなり苦労しました。でもこの姿が見えると苦労の甲斐があります。
右岸より下流側堤体を望む
古いダムなのでコンクリートはかなり苔むしており、それが却って良い味を醸し出しています。
右岸よりダム湖側堤体を望む
私企業が発電のために使用するダムなので、見てもらうための設備はありません。看板なども一切ありません。唯一看板といえば、利水の許可を示す標識だけでしょうか。
ただし、天端は許可無く立ち入ることができます。ここから登山に向かう人もいるのだとか。
天端よりダム湖を望む
ダム湖の水の色は新緑の色でした。また静寂を保つダムでもあります。ダム湖は天子湖といって、水源である天子ヶ岳から名づけられたのだそうです。無骨なダムでありながら、何ともエンジェルチックなダム湖名です。
洪水吐のゲート
いかにもという感じのローラーゲートです。ゲートは5門。このゲートは右岸側の端にある5番ゲート。
天端より下流を望む
洪水吐から放流した場合、通常なら減勢工という構造物があるのですが、このダムにはそれがありません。川床が岩盤のように固いのかもしれません。それでも荒々しい下流側です。
天端よりゲート操作部を望む
この写真ではわかりづらいですが、珍しいことに天端上に管理所が設けられています。
謎の遺構
何に使用していたのかは不明ですが、集塵機でもあったのかもしれません。
左岸よりダム湖側堤体を望む
まっすぐのダム湖側の堤体。無駄がありません。
左岸の高台より下流側堤体を望む
こちらにも高台があります。今にして思うのですが、よく落ちませんでした。それにしても樹木の間から見えるダム、すごく良いです。
左岸より下流側堤体を望む
じっくりと見学すると下流に通じていることがわかりました。古いダムなので無骨な感じですが、それがまた良い味を出しています。
謎のバルブ
下流の最下部に設置されていましたが、放流用のバルブではないようです。
左岸よりダム湖を望む
謎の遺構とダム湖のショット。なんだか遺構が水没してしまっているように見えます。こうしてみると今では漁礁のような役割があるのかもしれません。
柿元ダム監視所
で、これが天端にある管理所ならぬ監視所。私も監視されているのかもしれません。
ダム諸元
河川名 | 富士川水系佐野川 |
目的 | 発電 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 46.1m |
堤頂長 | 215m |
堤体積 | 93,000m3 |
流域面積 | 33.6km2 |
湛水面積 | 42ha |
総貯水容量 | 7,592,000m3 |
有効貯水容量 | 7,185,000m3 |
ダム事業者 | 日本軽金属 |
本体施工者 | 飛島建設・五洋建設 |
着手年 | 1943年 |
竣工年 | 1952年 |
ダム湖名 | 天子湖(てんしこ) |
その他の設備/所感
やや入りづらいオーラがありますが、気にせず見学ができます。ゆっくりじっくり見学すると、いろんな味を楽しめる、そんなダムです。見学を目的としたダムではありませんので、設備がありませんがそこは寛大な気持ちで。
駐車場 | × |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○ |
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