取材日:2012/3/31(土)
試験放流を行う大滝ダムへ向かう途中で立ち寄りました。上流から堤体に向かったのですが、堤体周辺で工事をしていたらしく、狭い湖岸道路でダンプカーと頻繁にすれ違ったのが印象的でした。
右岸の津風呂湖園地
いまいちどこに車を止めて良いかわからないまま天端を通り抜け、右岸のちょっと広くなった場所に止めさせてもらいました。
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右岸にある丹生津風呂神社
右岸には小さなお社がありました。 罔象女神が祭神のようです。
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右岸にある魚霊供養之碑
津風呂湖は釣りスポットになっており、ヘラブナ・バス・コイが釣れるそうです。そのため魚のための慰霊碑が建立されていました。
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右岸にある鳥獣慰霊之碑
狩猟スポットでもあるのでしょうか。鳥獣のための慰霊碑もありました。
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右岸より堤体を望む
この時は右岸は工事をしていたのですが、どうも回収した流木などを置いておく場所のようですね。右のアングルのような機械はダム湖から流木を引き上げるクレーンのようです。
できれば向こうのフェンスから堤体を見てみたいのですが、機能優先なので致し方ありません。
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右岸より天端を望む
やや狭い天端道路です。歩道が一応確保されているのが良いですね。コンクリートは重厚感があって質実剛健な堤体です。雨で濡れてより一層その印象が深まる感じです。
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右岸より減勢工と下流側の堤体を望む
苔の生えた堤体がまたいいですね。そして下流にはかなり広い減勢池。左に90°折れ曲がった先に副ダムがあります。
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天端よりゲートピアを望む
クレストにはローラーゲートが4門備わっています。一番奥には取水設備が備わっています。スペックは以下の通りです。
名称:底部取水ゲート
形式:ステンレス製鋼製スライドゲート
吞口径:Φ2.080m
水密方式:後面4方金属水密(補助水密ゴム付)
門数:1門
開閉速度:0.3m/min
開閉方式:電動ラック式
扉体重量:3.4ton
完成年月:平成17年7月
製作:株式会社栗本鉄工所
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天端よりクレストゲートを望む
ゲートの色は農水系のダムにしては珍しい赤です。スペックは以下の通りです(銘板の表記のまま)。平成になって新しくゲートは取り替えられたようですね。
型式:2葉式鋼製ローラゲート
純径間:6.000m
扉高:4.220m
門数:4門
開閉速度:0.3m/min
扉体重量:9.0ton/1門
製作年月:平成4年3月
製作:株式会社丸島アクアシステム
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天端よりダム湖を望む
県内でも有数規模のダムですから、当然ダム湖もかなりの広さがあります。
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津風呂湖で釣りを楽しむ釣り人
早朝でしたが、すでに何艘かのボートがダム湖に浮かんでいました。
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天端より導流部・減勢工を望む
広く奥行きがある減勢工です。左に曲がった先に副ダムがあるのですが、見えにくい位置にあるためまるで存在しないかのようにも見えます。
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エレベーター扉
エレベーターは取水設備やゲートピアの構造と一体になっていて、合理的なつくりになっています。それにしてもこういう蛇腹式の扉ってなんか妙に萌えますね。
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天端よりダム湖のボートを望む
左岸にはお店があり、そのままボート乗り場になっています。
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左岸よりダムサイト・管理所を望む
左岸に管理所があります。当時のことをあまり覚えていないのですが、管理所単体の写真がないところをみると、きっと雨でそれどころじゃかなったのでしょう。
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左岸より天端を望む
前述のとおり天端は自動車の通行が可能ですが、ある程度の大型車もOKなようです。
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左岸より下流側の堤体を望む
苔むし感がとても良いですね。下流から天端に向かって直線的ではなくカーブを描いているように見えます。
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左岸より監査廊入口と階段を望む
堤体の苔むし感に比してやや浮いた感じがする初音ミクカラーの階段。
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左岸の「コミュニティーセンターつぶろ」
左岸に「コミュニティーセンターつぶろ」なる建物がありますが、何に利用しているのかは不明です。普段開いてるのかもわかりません。
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左岸よりダム湖側の堤体を望む
手前に管理用のフロートとは異なるものがあるような気がしますがなんでしょうね。釣り用な気がしますがさて。
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下流より堤体を望む
下流への道がちょっとわかりづらいところにありますが、なんとか見つけてたどり着きました。堤体が見えた瞬間、思わず感嘆の声が上がりました。
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下流よりクレストゲートを望む
ゲート部分をアップしてみます。4門の真っ赤なゲートがとても印象的です。
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下流よりクレストゲートを望む(ズームアップ)
さらにアップしてみます。綺麗な赤色ですね。
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天気はあいにくでしたが、それでも釣り客がそこそこいましたので、さすが奈良県屈指の釣りのメッカだなと思いました。堤体も重厚感のある趣で下流から見た迫力さはなかなか忘れられそうにありません。ぜひ大滝ダムとセットで訪問しましょう。
津風呂ダム諸元
所在地 | 奈良県吉野郡吉野町河原屋 |
河川名 | 紀の川水系津風呂川 |
目的 | A(かんがい用水)、W(上水道用水) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 54.3m |
堤頂長 | 240m |
堤体積 | 222,000m3 |
流域面積 | 38.8km2 |
湛水面積 | 150ha |
総貯水容量 | 25,650,000m3 |
有効貯水容量 | 24,600,000m3 |
ダム事業者 | 近畿農政局 |
本体施工者 | 大成建設 |
着手年 | 1952年 |
竣工年 | 1962年 |
ダム湖名 | 津風呂湖 |
津風呂ダムの地図
その他の設備/所感
駐車場 | ○ |
トイレ | ○ |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○ |
津風呂ダムに近いと思われる宿泊施設
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