和歌山県のダム

1644-殿山ダム(とのやまだむ)別名:合川ダム(ごうがわダム)/ 和歌山県

3.5
1644-殿山ダム(とのやまだむ)別名:合川ダム(合川ダム)/ 和歌山県 和歌山県のダム
この記事は5分で読めます。

取材日:2015/1/28(水)

この日の最後に訪問したダムは関西電力が所有するアーチダムである殿山ダムとなりました。別名「合川ダム」とも言います。どこをどう走ってきたかはもう記憶がありませんが、島ノ瀬ダムからはかなりの移動距離があったように思います。

合川ダム展望台

まず先に到着したのはダムサイトではなく合川ダム展望台になります。関西電力としては殿山ダムが正式名称としており、地名が合川であるが故に地元の方からは合川ダムと呼ばれます。でも決して通称を否定せず合川ダムという名称を受け入れているのは、地元そのものへの配慮もあるのでしょうが、そこに住む方々と寄り添いたいという優しさの現れなのだと思います。

合川ダム展望台
合川ダム展望台

そうでなければ看板に併記などしないと思いますしね。これらの看板設置の主体が関西電力なのか地元なのかは分かりませんが、少なくともぼくはそう感じました。(右の看板は関電、左は地元が用意したっぽく見えますがさて)

合川ダム展望台看板
合川ダム展望台看板

概要看板の断面図が示す通り、殿山ダムはドーム型アーチ式ダムになります。それも国内初のドームアーチ。日本の技術力の粋を集めたといっても過言ではなく、黒部ダム建設の礎とも言われています。

展望台から見える殿山ダムは下流面を真っ直ぐに捉えることができますが、距離があるため少し小さく見えてしまいます。

殿山ダム(合川ダム)広角
殿山ダム(合川ダム)広角

山々が折り重なって下流はさながら渓谷美といった風情があります。そして関電ブラックのクレストゲートに独特の茶色くなった堤体がものすごく味と風格があります。それにしてもここからだとあまりアーチダムっぽく見えないですね。

殿山ダム(合川ダム)
殿山ダム(合川ダム)

同じく関電ブラックのオリフィスゲート。そこから放たれる水がまたとても美しいのです。

オリフィスゲートからの放流
オリフィスゲートからの放流

ちなみに殿山ダムのオリフィスゲートは鋼製ローラーゲートとして7.150x5.670mが左右それぞれ2門ずつ合計4門、中央部に7.756x5.650mが2門あります。クレストには6.770x2.279mの鋼製ドロップゲートが6門備わっています。

ドロップゲートとはその名の通り、放流時はゲートを下げてゲート上部を越流させるものです。普段閉じている時はゲートが上がった状態となります。見た目はローラーゲートに似ていますが平時や作動時が逆になりますね。

殿山ダムのクレストゲートにドロップゲートが採用された理由は、扉体が小スペースに収められるので堤体や越流部が薄いアーチダムだからなのでしょう。

殿山ダムのダムサイト

ダムサイトまで移動してきました。ダムサイトと言ってもダムが見えるわけでもなく、駐車場と建屋とクレーンがあるだけです。駐車場はクルマを止めて良いのかよく分かりませんでしたが、他にないのでちょっと拝借しました。

殿山ダムダムサイト
殿山ダムダムサイト

資材を積み下ろすためのクレーンです。

クレーン
クレーン

なんと殿山ダムは事前に予約すれば見学ができるそうです。おひとりさまはダメかな。。。

「殿山ダム見学希望の皆様へ」
「殿山ダム見学希望の皆様へ」

殿山ダムの天端やダム管理所はここからさらに下った先にあり、急な斜面にインクラインが設置されています。

インクラインと台車
インクラインと台車

これを見ただけでもかなり急峻な地形に建設されたことが分かります。

インクライン
インクライン

なんとか堤体が見えないかと右岸を右往左往します。しかし樹々が邪魔をしてこれが精一杯。機会があれば堤体を見学したいですね。いぶし銀のダムを至近距離で愛でたい…そんな殿山ダムでした。

右岸より天端を見る
右岸より天端を見る

(おまけ)潮岬

せっかく初めて訪れた和歌山なので本州最南端が見てみたいと思い、この日のラストは潮岬までやって来ました。普段は見学できる潮岬灯台ですが、さすがに夕暮れだったので門の外から見るにとどまります。

潮岬灯台
潮岬灯台

夕闇に包まれていく潮岬。

本州最南端の石碑
本州最南端の石碑

初めて訪れた和歌山は見るものすべてが新鮮でとても楽しかったです。海に山に観光スポットも多く、もちろん色んなダムもたくさんあって存分に楽しめる。そんな和歌山への再訪を誓って潮岬を後にしました。

潮岬から太平洋を見る
潮岬から太平洋を見る

殿山ダム諸元

所在地和歌山県田辺市合川字日向口
河川名日置川水系日置川
目的P(発電)
型式A(アーチダム)
堤高64.500m
堤頂長128.692m
堤体積54,100㎥
流域面積294km2
湛水面積137ha
総貯水容量21,320,800㎥
有効貯水容量13,152,900㎥
ダム事業者関西電力株式会社
本体施工者前田建設工業
着手年1955年
竣工年1957年
ダム湖名合川貯水池

その他の設備/所感

駐車場
トイレ×
公園×
PR展示館×
釣り
展望台×

殿山ダム(合川ダム)周辺の地図

殿山ダム(合川ダム)周辺の天気

殿山ダム(合川ダム)に近いと思われる宿泊施設

南紀白浜・紀伊田辺・龍神のホテル・旅館 宿泊予約 【楽天トラベル】
南紀白浜・紀伊田辺・龍神のホテル・旅館の予約は楽天トラベルで!人気ビジネス,シティホテルから旅館までお客様の声など宿情報満載
日本・白浜町のホテル79軒。
日本、白浜町のホテルをオンライン予約で大幅割引。お得な宿泊料金のお部屋を豊富にご用意。実際の宿泊客の評価を参考に一番お得なホテルをお選びいただけます。
この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

ダムペディアをフォローする

コメント

タイトルとurlをコピーしました