取材日:2011/9/30(金)
所在地:兵庫県神戸市中央区葺合町山郡
神戸布引ロープウェイから神戸市街地を望む
義母を連れて神戸と有馬温泉に旅行に来たついでに、妻と義母を神戸港に置いて子連れでやってきました。が、天候は最悪のコンディション。まぁ、毎度のことなので仕方がありませんね!
神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅
おいおいガスってるじゃないか…と思いながら、目指すロープウェイの駅は目の前。
布引の滝
眼下には布引の滝が見えます。新幹線の新神戸駅からすぐに滝があるなんて、神戸ってすごいですね。
布引五本松ダム
そして山の方に目をやると…!布引五本松ダムの堤体が見えます。霞がかっててコントラストがハッキリしなくて残念ですが、それでもしっかりと神戸市民の飲水を支えているのがわかります。
神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅
ロープウェイを降りました。降りるとすぐにハーブ園がありますが、そんなものには目もくれず堤体を目指します。
左岸よりダム湖側堤体を望む
ちょっとしたハイキングです。新神戸駅から歩いて来ることも出来ますが、この天気なのでなるべく最短で来れるルートとしてロープウェイを選びました。
布引五本松ダムは上水道専門のダムとして明治33年(1897年)に完成した日本最古のコンクリートダムです。英国人技師ウィリアム・バルトンの指導のもと、大阪市から招聘された技師佐野藤次郎の設計によるものです。
ダム湖百選銘板とダム湖を望む
ダム湖は「布引貯水池」と名付けられており、ダム湖百選にも選定されています。
左岸よりダム湖側堤体を望む
明治33年に完成したダムですが、阪神淡路大震災の影響で一部漏水するようになってしまっため、2001年から2004年にかけて大規模な改修工事が行われています。それでも100年を越えて現役で神戸市民の役に立っているというのは、とても素晴らしいことです。
謎の建屋
ダムサイトに合った建屋です。何も書かれておらず、どのダム関係のサイトにも言及されていないので謎ですが、元々管理所として利用されていたのでしょうか…。
余水吐上部に架かる管理橋
左岸側に余水吐がありますが、その上を橋が架けられています。
管理橋よりダム湖を望む
静かなダム湖です。
管理橋より余水吐を望む
ここから流れ出た水は沢からの水と合流して、布引の滝へと流れます。
左岸管理橋よりダム湖側堤体を望む
竣工当時そのままの姿ではありませんが、それでも当時の趣を残した改修工事がなされており、西洋の城壁を思わせるデザインは実に素晴らしいです。
ダム湖百選・国指定重要文化財・近代化産業遺産銘板
布引五本松ダムは歴史的価値が高いダムとなるため、国指定の重要文化財であり、近代化産業遺産でもあります。
左岸より天端を望む
残念ながら天端は立ち居入りが禁止されています。もともと見学用には作られておらず、天端高欄が低くなっており、フェンスを設置しようにも意匠が損なわれるため、大変残念ではありますが、止むを得ない措置だと思います。
左岸より下流側の堤体を望む
いよいよ下流側です。こちらはほぼ竣工当時のままだと思います。
左岸より下流側の堤体を望む
まさに西洋の城壁です。越流部がないためシンプルなデザインですが、堤体上部にこの時代の特徴でもあるデンテル(歯飾り)が施されているため、デザイン上のアクセントになり、全体的にグッと魅力を引き立ててくれます。
ダム直下の水道施設
下流には水道施設があります。が、坂道を降ろうにも若干ぬかるんでいて、小さな子供を連れて行くには困難を極め始めたので、ここで折り返すことにしました(靴のせいかもしれません)。
ロープウェイを望む
ふと見上げると来る時に乗ってきたロープウェイが見えます。
余水吐と管理橋
他の方が撮られた写真には越流していないこともあるようですが、今日は雨が降った跡でもあるので越流量は多いように思います。
布引五本松堰堤石碑
これは当時からあるのかな?きれいな石碑なので比較的最近のような気もします。下流からしっかり観られなかったので、やや消化不良を引き起こしていますが、布引五本松ダムを後にします。
閉められた!と思ってしまったトラップ
で、戻ってきたら出る時は開いていた門が閉じてるではないですか!おー、これは歩いて新神戸まで戻るしかないのか!?っと思ったら、右側の門扉が自由に開閉可能でした。イノシシが出るらしく獣害対策だったようです。
おまけ:ロープウェイから見た砂防ダム
布引五本松ダム諸元(カッコ内は改修前)
河川名 | 生田川水系生田川 |
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目的 | 上水道 |
型式 | 重力式コンクリート |
堤高 | 33.3m |
堤頂長 | 110.3m |
堤体積 | 26,000m3(22,000m3) |
流域面積 | 10.7km2 |
湛水面積 | 5ha(4ha) |
総貯水容量 | 601,000m3(417,000m3) |
有効貯水容量 | 590,000m3(417,000m3) |
ダム事業者 | 神戸市 |
本体施工者 | 奥村組・三井住友建設・青木あすなろ建設(ダム事業者直営) |
着手年 | 2001年(1897年) |
竣工年 | 2004年(1900年) |
ダム湖名 | 布引貯水池 |
その他の設備/所感
堤体付近は車では行けませんし、ロープウェイ自体に駐車場がありませんので、ANAクラウンプラザホテル神戸や近隣の駐車場に停める形になります。トイレも堤体付近にはありませんが、ロープウェイの駅周辺で利用する形になります。
駐車場 | × |
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トイレ | ○ |
公園 | ○ |
PR展示館 | × |
釣り | × |
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