兵庫県のダム

3330-布引五本松ダム/ぬのびきごほんまつだむ

5.0
兵庫県のダム
この記事は5分で読めます。

取材日:2011/9/30(金)
所在地:兵庫県神戸市中央区葺合町山郡

神戸布引ロープウェイから神戸市街地を望む

IMG_0870.jpg

義母を連れて神戸と有馬温泉に旅行に来たついでに、妻と義母を神戸港に置いて子連れでやってきました。が、天候は最悪のコンディション。まぁ、毎度のことなので仕方がありませんね!

神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅

IMG_0871.jpg

おいおいガスってるじゃないか…と思いながら、目指すロープウェイの駅は目の前。

布引の滝

IMG_0874.jpg

眼下には布引の滝が見えます。新幹線の新神戸駅からすぐに滝があるなんて、神戸ってすごいですね。

布引五本松ダム

IMG_0878.jpg

そして山の方に目をやると…!布引五本松ダムの堤体が見えます。霞がかっててコントラストがハッキリしなくて残念ですが、それでもしっかりと神戸市民の飲水を支えているのがわかります。

神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅

IMG_0888.jpg

ロープウェイを降りました。降りるとすぐにハーブ園がありますが、そんなものには目もくれず堤体を目指します。

左岸よりダム湖側堤体を望む

IMG_0896.jpg

ちょっとしたハイキングです。新神戸駅から歩いて来ることも出来ますが、この天気なのでなるべく最短で来れるルートとしてロープウェイを選びました。

布引五本松ダムは上水道専門のダムとして明治33年(1897年)に完成した日本最古のコンクリートダムです。英国人技師ウィリアム・バルトンの指導のもと、大阪市から招聘された技師佐野藤次郎の設計によるものです。

ダム湖百選銘板とダム湖を望む

IMG_0899.jpg

ダム湖は「布引貯水池」と名付けられており、ダム湖百選にも選定されています。

左岸よりダム湖側堤体を望む

IMG_0914.jpg

明治33年に完成したダムですが、阪神淡路大震災の影響で一部漏水するようになってしまっため、2001年から2004年にかけて大規模な改修工事が行われています。それでも100年を越えて現役で神戸市民の役に立っているというのは、とても素晴らしいことです。

謎の建屋

IMG_0920.jpg

ダムサイトに合った建屋です。何も書かれておらず、どのダム関係のサイトにも言及されていないので謎ですが、元々管理所として利用されていたのでしょうか…。

余水吐上部に架かる管理橋

IMG_0926.jpg

左岸側に余水吐がありますが、その上を橋が架けられています。

管理橋よりダム湖を望む

IMG_0932.jpg

静かなダム湖です。

管理橋より余水吐を望む

IMG_0938.jpg

ここから流れ出た水は沢からの水と合流して、布引の滝へと流れます。

左岸管理橋よりダム湖側堤体を望む

IMG_0944.jpg

竣工当時そのままの姿ではありませんが、それでも当時の趣を残した改修工事がなされており、西洋の城壁を思わせるデザインは実に素晴らしいです。

ダム湖百選・国指定重要文化財・近代化産業遺産銘板

IMG_0953.jpg

布引五本松ダムは歴史的価値が高いダムとなるため、国指定の重要文化財であり、近代化産業遺産でもあります。

左岸より天端を望む

IMG_0956.jpg

残念ながら天端は立ち居入りが禁止されています。もともと見学用には作られておらず、天端高欄が低くなっており、フェンスを設置しようにも意匠が損なわれるため、大変残念ではありますが、止むを得ない措置だと思います。

左岸より下流側の堤体を望む

IMG_0959.jpg

いよいよ下流側です。こちらはほぼ竣工当時のままだと思います。

左岸より下流側の堤体を望む

IMG_0965.jpg

まさに西洋の城壁です。越流部がないためシンプルなデザインですが、堤体上部にこの時代の特徴でもあるデンテル(歯飾り)が施されているため、デザイン上のアクセントになり、全体的にグッと魅力を引き立ててくれます。

ダム直下の水道施設

IMG_0977.jpg

下流には水道施設があります。が、坂道を降ろうにも若干ぬかるんでいて、小さな子供を連れて行くには困難を極め始めたので、ここで折り返すことにしました(靴のせいかもしれません)。

ロープウェイを望む

IMG_0980.jpg

ふと見上げると来る時に乗ってきたロープウェイが見えます。

余水吐と管理橋

IMG_0992.jpg

他の方が撮られた写真には越流していないこともあるようですが、今日は雨が降った跡でもあるので越流量は多いように思います。

布引五本松堰堤石碑

IMG_0995.jpg

これは当時からあるのかな?きれいな石碑なので比較的最近のような気もします。下流からしっかり観られなかったので、やや消化不良を引き起こしていますが、布引五本松ダムを後にします。

閉められた!と思ってしまったトラップ

IMG_0998.jpg

で、戻ってきたら出る時は開いていた門が閉じてるではないですか!おー、これは歩いて新神戸まで戻るしかないのか!?っと思ったら、右側の門扉が自由に開閉可能でした。イノシシが出るらしく獣害対策だったようです。

おまけ:ロープウェイから見た砂防ダム

IMG_1010.jpg

布引五本松ダム諸元(カッコ内は改修前)

河川名生田川水系生田川
目的上水道
型式重力式コンクリート
堤高33.3m
堤頂長110.3m
堤体積26,000m3(22,000m3)
流域面積10.7km2
湛水面積5ha(4ha)
総貯水容量601,000m3(417,000m3)
有効貯水容量590,000m3(417,000m3)
ダム事業者神戸市
本体施工者奥村組・三井住友建設・青木あすなろ建設(ダム事業者直営)
着手年2001年(1897年)
竣工年2004年(1900年)
ダム湖名布引貯水池

その他の設備/所感

堤体付近は車では行けませんし、ロープウェイ自体に駐車場がありませんので、ANAクラウンプラザホテル神戸や近隣の駐車場に停める形になります。トイレも堤体付近にはありませんが、ロープウェイの駅周辺で利用する形になります。

駐車場×
トイレ
公園
PR展示館×
釣り×

布引五本松ダムに近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

ダムペディアをフォローする

コメント

タイトルとurlをコピーしました