取材日:2011/9/30(金)
所在地:兵庫県神戸市中央区葺合町山郡
神戸布引ロープウェイから神戸市街地を望む
![神戸布引ロープウェイから神戸市街地を望む IMG_0870.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-hbjawncdlQw/TqYoxQ7H7uI/AAAAAAAA7-A/ja5eIHBrJXoxbyyEclCPc8j3jEQOAJcEwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0870.jpg)
義母を連れて神戸と有馬温泉に旅行に来たついでに、妻と義母を神戸港に置いて子連れでやってきました。が、天候は最悪のコンディション。まぁ、毎度のことなので仕方がありませんね!
神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅
![神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅 IMG_0871.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-chA3MmC4nFg/TqYoyIXC8rI/AAAAAAAA798/2C7CQAJ_SXkqs65tCk4L8CLGaDvyt7_DACCoYBhgL/w678-o/IMG_0871.jpg)
おいおいガスってるじゃないか…と思いながら、目指すロープウェイの駅は目の前。
布引の滝
![布引の滝 IMG_0874.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-HQjXfLxP1uc/TqYo0c_-_EI/AAAAAAAA798/qCDuFru8sj4fHpPWEiJ8nosSHIqyL1wrwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0874.jpg)
眼下には布引の滝が見えます。新幹線の新神戸駅からすぐに滝があるなんて、神戸ってすごいですね。
布引五本松ダム
![布引五本松ダム IMG_0878.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-TbsOwzR5glo/TqYo3eY_K9I/AAAAAAAA798/jUSbXn2sIuYw_KeKI591B7tg1_6YCWJZwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0878.jpg)
そして山の方に目をやると…!布引五本松ダムの堤体が見えます。霞がかっててコントラストがハッキリしなくて残念ですが、それでもしっかりと神戸市民の飲水を支えているのがわかります。
神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅
![神戸布引ハーブ園/ロープウェイ中腹駅 IMG_0888.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-9eMnFTT3xiQ/TqYo-arRFfI/AAAAAAAA798/wgzKRJiboUM2ho36_bbo_wToeaX59AojwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0888.jpg)
ロープウェイを降りました。降りるとすぐにハーブ園がありますが、そんなものには目もくれず堤体を目指します。
左岸よりダム湖側堤体を望む
![左岸よりダム湖側堤体を望む IMG_0896.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-YofaIz9LTJ8/TqYpDmb7DZI/AAAAAAAA798/L9f8ve_ctvo3DtjHMnf8DxhGpKnQZ6aQQCCoYBhgL/w678-o/IMG_0896.jpg)
ちょっとしたハイキングです。新神戸駅から歩いて来ることも出来ますが、この天気なのでなるべく最短で来れるルートとしてロープウェイを選びました。
布引五本松ダムは上水道専門のダムとして明治33年(1897年)に完成した日本最古のコンクリートダムです。英国人技師ウィリアム・バルトンの指導のもと、大阪市から招聘された技師佐野藤次郎の設計によるものです。
ダム湖百選銘板とダム湖を望む
![ダム湖百選銘板とダム湖を望む IMG_0899.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-ODYpCB-EkXM/TqYpF-TPDbI/AAAAAAAA798/KwRzRpK5iiIEfuXleS2_FE_ozAAx-SI5QCCoYBhgL/w678-o/IMG_0899.jpg)
ダム湖は「布引貯水池」と名付けられており、ダム湖百選にも選定されています。
左岸よりダム湖側堤体を望む
![左岸よりダム湖側堤体を望む IMG_0914.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-bnqk3Mphy9Y/TqYpP-2-q8I/AAAAAAAA798/VhWdnsQQJKQ_9uDFjz6y55s3dMZ8yBkRACCoYBhgL/w678-o/IMG_0914.jpg)
明治33年に完成したダムですが、阪神淡路大震災の影響で一部漏水するようになってしまっため、2001年から2004年にかけて大規模な改修工事が行われています。それでも100年を越えて現役で神戸市民の役に立っているというのは、とても素晴らしいことです。
謎の建屋
![謎の建屋 IMG_0920.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-IsJPM1Zn6qY/TqYpT04aT5I/AAAAAAAA798/5KkI-su4Ft0SMFwIp-NmLSttr5egRVrHgCCoYBhgL/w678-o/IMG_0920.jpg)
ダムサイトに合った建屋です。何も書かれておらず、どのダム関係のサイトにも言及されていないので謎ですが、元々管理所として利用されていたのでしょうか…。
余水吐上部に架かる管理橋
![余水吐上部に架かる管理橋 IMG_0926.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-j3zGLrVKehA/TqYpX1X7MpI/AAAAAAAA798/gfdc_qvuqnwZOu71QSWfMBRX-aEf5kqjQCCoYBhgL/w678-o/IMG_0926.jpg)
左岸側に余水吐がありますが、その上を橋が架けられています。
管理橋よりダム湖を望む
![管理橋よりダム湖を望む IMG_0932.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-asq5gC97saY/TqYpdHC7KWI/AAAAAAAA798/dyU7yd-ImPMNuOzn5ze5t7rNW92LgnoUgCCoYBhgL/w678-o/IMG_0932.jpg)
静かなダム湖です。
管理橋より余水吐を望む
![管理橋より余水吐を望む IMG_0938.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-P9GpCvQavfQ/TqYphAIn09I/AAAAAAAA798/YHvAAC5nKH4oOt9GAhKBFYNdfYa4kCvAwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0938.jpg)
ここから流れ出た水は沢からの水と合流して、布引の滝へと流れます。
左岸管理橋よりダム湖側堤体を望む
![左岸管理橋よりダム湖側堤体を望む IMG_0944.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-_9hzxh2qqbQ/TqYplHzSC6I/AAAAAAAA798/RnEwV9vN1R8Z9qc7rc3jpEcnLyp-kYX7wCCoYBhgL/w678-o/IMG_0944.jpg)
竣工当時そのままの姿ではありませんが、それでも当時の趣を残した改修工事がなされており、西洋の城壁を思わせるデザインは実に素晴らしいです。
ダム湖百選・国指定重要文化財・近代化産業遺産銘板
![ダム湖百選・国指定重要文化財・近代化産業遺産銘板 IMG_0953.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-3Ujul-zgnhM/TqYpq-SEBHI/AAAAAAAA798/dToI-adJYukxe_2915O8v5bXFPzTMyfGwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0953.jpg)
布引五本松ダムは歴史的価値が高いダムとなるため、国指定の重要文化財であり、近代化産業遺産でもあります。
左岸より天端を望む
![左岸より天端を望む IMG_0956.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-kE2r38pwGrM/TqYps6GKMkI/AAAAAAAA798/c_-UhZqMjjMi7PIVcUWdX6Ukz-rOPNNbQCCoYBhgL/w678-o/IMG_0956.jpg)
残念ながら天端は立ち居入りが禁止されています。もともと見学用には作られておらず、天端高欄が低くなっており、フェンスを設置しようにも意匠が損なわれるため、大変残念ではありますが、止むを得ない措置だと思います。
左岸より下流側の堤体を望む
![左岸より下流側の堤体を望む IMG_0959.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-9wy6JduouSg/TqYpu2JZ0uI/AAAAAAAA798/gqeVbugAE5IokiJSpM7AX9FIw9W9pHrOACCoYBhgL/w678-o/IMG_0959.jpg)
いよいよ下流側です。こちらはほぼ竣工当時のままだと思います。
左岸より下流側の堤体を望む
![左岸より下流側の堤体を望む IMG_0965.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-T_tlFVMGLns/TqYpzTMt-8I/AAAAAAAA798/PGoXIw1GApM3K2s27d-6BxdoOf1FG9-SACCoYBhgL/w678-o/IMG_0965.jpg)
まさに西洋の城壁です。越流部がないためシンプルなデザインですが、堤体上部にこの時代の特徴でもあるデンテル(歯飾り)が施されているため、デザイン上のアクセントになり、全体的にグッと魅力を引き立ててくれます。
ダム直下の水道施設
![ダム直下の水道施設 IMG_0977.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-iqYPz9QRLxY/TqYp7gsuVJI/AAAAAAAA798/_9DroLruG9we9rIKOKSBaO-DLIk3ZwgUACCoYBhgL/w678-o/IMG_0977.jpg)
下流には水道施設があります。が、坂道を降ろうにも若干ぬかるんでいて、小さな子供を連れて行くには困難を極め始めたので、ここで折り返すことにしました(靴のせいかもしれません)。
ロープウェイを望む
![ロープウェイを望む IMG_0980.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-qx1b5NF5WBE/TqYp9jBy1GI/AAAAAAAA798/59SJiYtmyCIvtrhrc1Z8bYG1sGQvfgclwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0980.jpg)
ふと見上げると来る時に乗ってきたロープウェイが見えます。
余水吐と管理橋
![余水吐と管理橋 IMG_0992.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-qW8MnJ4NH2A/TqYp_8rSs6I/AAAAAAAA798/j6iKwawt9FwaTrrYK4nbgXytYed6YgMmwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0992.jpg)
他の方が撮られた写真には越流していないこともあるようですが、今日は雨が降った跡でもあるので越流量は多いように思います。
布引五本松堰堤石碑
![布引五本松堰堤石碑 IMG_0995.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-fpmskDsFfXA/TqYqBpLiyrI/AAAAAAAA798/fEP_1yXAjZcUa0fwF3_WuctuqX-ghfUagCCoYBhgL/w678-o/IMG_0995.jpg)
これは当時からあるのかな?きれいな石碑なので比較的最近のような気もします。下流からしっかり観られなかったので、やや消化不良を引き起こしていますが、布引五本松ダムを後にします。
閉められた!と思ってしまったトラップ
![閉められた!と思ってしまったトラップ IMG_0998.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-2nSZtkHyGsI/TqYqDwZdTeI/AAAAAAAA798/ryfjWAEntfk1pRDe7EqpVlcLSvfy2AfrwCCoYBhgL/w678-o/IMG_0998.jpg)
で、戻ってきたら出る時は開いていた門が閉じてるではないですか!おー、これは歩いて新神戸まで戻るしかないのか!?っと思ったら、右側の門扉が自由に開閉可能でした。イノシシが出るらしく獣害対策だったようです。
おまけ:ロープウェイから見た砂防ダム
![ロープウェイから見た砂防ダム IMG_1010.jpg](https://lh3.googleusercontent.com/-AmJYqPbdHsc/TqYqKcDaOEI/AAAAAAAA7-A/1WaKnn79ZPgBf2lxOK5Cw6JG1D2Kiw6MACCoYBhgL/w678-o/IMG_1010.jpg)
布引五本松ダム諸元(カッコ内は改修前)
河川名 | 生田川水系生田川 |
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目的 | 上水道 |
型式 | 重力式コンクリート |
堤高 | 33.3m |
堤頂長 | 110.3m |
堤体積 | 26,000m3(22,000m3) |
流域面積 | 10.7km2 |
湛水面積 | 5ha(4ha) |
総貯水容量 | 601,000m3(417,000m3) |
有効貯水容量 | 590,000m3(417,000m3) |
ダム事業者 | 神戸市 |
本体施工者 | 奥村組・三井住友建設・青木あすなろ建設(ダム事業者直営) |
着手年 | 2001年(1897年) |
竣工年 | 2004年(1900年) |
ダム湖名 | 布引貯水池 |
その他の設備/所感
堤体付近は車では行けませんし、ロープウェイ自体に駐車場がありませんので、ANAクラウンプラザホテル神戸や近隣の駐車場に停める形になります。トイレも堤体付近にはありませんが、ロープウェイの駅周辺で利用する形になります。
駐車場 | × |
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トイレ | ○ |
公園 | ○ |
PR展示館 | × |
釣り | × |
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