京都府のダム

1382-富栄池/とみさかいけ

2.5
1382-富栄池/とみさかいけ 京都府のダム
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取材日:2014/1/4(土)

この日最後の訪問となったのは富栄池となりました。廻り池や西ヶ谷ダム同様に、富栄池も農業を支える重要なアースダムとなります。

左岸の石碑と堤体

石碑には「氷室の里」とあります。近くに氷を朝廷に献上するための氷室があったそうで、ダム名や貯水池名ではなく、あえてこの名前を彫っているあたり、いかに大切に思われているかをうかがい知ることができます。

左岸の石碑と堤体
左岸の石碑と堤体

左岸より堤体上流面を見る

上流面はコンクリートブロックによる法面保護工がなされています。

左岸より堤体上流面を見る
左岸より堤体上流面を見る

左岸より天端を見る

貯水池での釣りは禁じられています。ただ西ヶ谷ダムと違ってフェンスで囲われていませんでした。

左岸より天端を見る
左岸より天端を見る

左岸より堤体下流面を見る

道路が堤体下流面を横切って右岸下流から左岸の天端レベルまで繋がっているのがちょっと大胆だなと思いました。

左岸より堤体下流面を見る
左岸より堤体下流面を見る

下流の農場

堤体のすぐ下には農場があり牛がいます。

下流の農場
下流の農場

堤体下流面を見る

堤体と農場の位置関係はこんな感じです。

堤体下流面を見る
堤体下流面を見る

導流部を見る

富栄池ももともとは古いため池だったようですが、ダム便覧によれば1993年から1997年にかけて大規模改修が行われたようです。

※ 現地の石碑によれば府営老朽ため池整備事業として平成2年度(1990年度)から9年度(1997年)にかけて行われたことになっています。

その名残なのか導流部の末端に謎のコンクリート構造物があり、その上にはゲート操作用のハンドルのようなものが付いています。

導流部を見る
導流部を見る

導流部

これ以上奥に行くことができないので、なにがどうなっているのか見た目では分かりません。副ダムのようなものがあり、下部には管が設置されていますが一体どういう構造なのでしょうか。

水路とスライドゲート

農業用のダムということもあり、導流部の先には水路がありスライドゲートがあります。

水路とスライドゲート
水路とスライドゲート

スライドゲート

堤体下流面の真下にも何やら暗渠としてスライドゲートが格納されている箇所があります。

スライドゲート
スライドゲート

右岸の階段下より堤体下流面を見る

堤体の右岸よりには階段が設置されています。特に立ち入りを制限している様子もないため登ってみることにしました。

右岸の階段下より堤体下流面を見る
右岸の階段下より堤体下流面を見る

天端より堤体下流面を見る

地元の方の散歩コースになっていそうなつくりですね。

天端より堤体下流面を見る
天端より堤体下流面を見る

右岸より天端を見る

何もないシンプルな天端です。フェンスもありません。強いて言えばコンクリートのボックスによって覆われた2級基準点があったぐらいです。

右岸より天端を見る
右岸より天端を見る

右岸より堤体上流面と貯水池を見る

小さな貯水池です。すぐにバックウォーターが見えています。もともと富栄池の水はかなりきれいな水だそうで、ダム愛好家ではない方のブログなどでよく紹介されているのを目にしますが、残念ながらこの日は濁っていました。

右岸より堤体上流面と貯水池を見る
右岸より堤体上流面と貯水池を見る

また、偶然ネットで検索していて見つけたのですが、何度かテレビ時代劇で富栄池がロケに使われたようです。改修前の貴重な富栄池を観ることができます。(一部確証が無いそうなので合っているかは分かりませんがご参考まで)

天端より下流を望む

貯水池の規模に反してなかなか大きな導流部です。

天端より下流を望む
天端より下流を望む

天端より余水吐を見る

側水路式の余水吐きだと思っていたのですが、あるべき越流堰がここにはありませんでした。

天端より余水吐を見る
天端より余水吐を見る

右岸より堤体上流面を見る

越流堰は橋の下にありました。…ということは側水路式ではなく越流堰式?

右岸より堤体上流面を見る
右岸より堤体上流面を見る

右岸の地山

ただ右岸はうろうろしたくても、地山が崩れておりフェンスが崩れた土砂や岩石を捕捉していました。今すぐにフェンスを越えて崩れてくることはないとは言えちょっと怖いですね。この記事を書く7年前のものですが今ではどうなっているのかちょっと気になります。

右岸の地山
右岸の地山

天端より余水吐や取水設備がを見る

なのでちょっと遠くから取水設備を見ます。アースダムによくある斜樋式の取水設備です。

天端より余水吐や取水設備がを見る
天端より余水吐や取水設備がを見る

天端より下流を見る

一日中曇り空でしたが夕方になりようやく晴れ間が見えてくるようになりました。黄金色の陽光が雲の隙間から照らし始めています。そして下流方向には富栄池が水を供給する田畑が広がります。

天端より下流を見る
天端より下流を見る

古くから南丹市八木地区の農業を支え、今後も支えていくであろう富栄池でした。

富栄池諸元

富栄池もダム便覧とため池データベースとで堤高が違っていました。ただ南丹市の南丹市防災会議条例に含まれている資料(PDF)にはダム便覧と同じ値が記載されており、どちらが正しいのか正直よく分かりません。

所在地京都府南丹市八木町氷所
河川名淀川水系古川
目的A(かんがい用水)
型式E(アースダム)
堤高19.5m(ダム便覧)
14.3m(ため池データベース)
堤頂長161.4m
堤体積82,000㎥
流域面積1km2
湛水面積3ha
総貯水容量180,000㎥
有効貯水容量180,000㎥
ダム事業者氷所区
本体施工者
着手年1993年
竣工年1997年
ダム湖名

その他の設備/所感

専用駐車場はありませんが左岸に停められるスペースがあります。また、同じく左岸には東屋もあります。

駐車場
トイレ×
公園×
PR展示館×
釣り×

富栄池周辺の地図

富栄池周辺の天気

富栄池に近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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