取材日:2014/1/4(土)
廻り池の次に訪れたのがこの西ヶ谷ダムになります。廻り池からは国道477号を経由すればすぐにたどり着けますが、訪問したこの日は前年の台風の影響により国道が通行止だったため、仕方なく府道50号経由でかなり迂回して向かうことになりました。
右岸より天端を見る
到着して雰囲気が変だな…と思ったら猟銃を持った猟友会の方が天端にいました。遠くで発砲音も聞こえましたが、お邪魔かもしれないと思い害獣駆除なのか狩猟のためなのかはあえて訊きませんでした。
西ヶ谷ダムはダム便覧上ではもともと西ヶ谷池と呼ばれるアースダムでしたが、大規模改修工事を経て1996年に西ヶ谷ダムと名称を変えました。ただ京都府のため池データベースでは西ヶ谷池のままとなっています。また、令和3年(2021)に特定農業用ため池ならびに防災重点農業用ため池に指定されています。
右岸より堤体上流面を見る
訪問時は改修後20年近くが経過していましたが、どうもこの20年の間に貯水池側の法面はもう一度改修されているようです。ダム便覧などに掲載されている少し古めの写真を見ると貯水池側の法面保護工はブロック張工になっていますが、今回の訪問時は下の写真のようにコンクリート枠工+中詰工となっていました。
左岸の取水設備
左岸に斜樋式の取水設備があります。ダムは京都府内に位置しますが、かんがい用水の供給先としては南丹市の八木地区となります。
右岸より堤体の下流面を見る
キレイに草刈りがされています。
天端より堤体上流面の階段を見る
珍しくアースダムの上流面に階段が設置されています。立ち入りが禁止されていますが、万が一の事故や工事などを想定しているのでしょうか。
余水吐の呑口
余水吐は左岸側に設置されています。アースダムでよくあるタイプの側水路式です。
左岸より堤体下流面を見る
猟友会の方がフェンスを乗り越えて堤体法面を降りていきました。下流で他のメンバーと合流されたようです。
下流側の余水吐を見る
導流部は堤体法面に沿らずに少し離れたところに向かって流れるようになっています。この先がどうなっているのかちょっと気になりますね。
左岸より堤体上流面を見る
キレイな上流面です。
余水吐
肉厚・骨太な洪水吐です。この日は真冬のため水位が低いのですが、越流時にはどんな姿を見せるのでしょうか。
情報が少なく謎が多いものの、幾度か改修されて大切にされていることが分かる西ヶ谷ダムでした。
西ヶ谷ダム諸元
所在地 | 京都府京都市右京区嵯峨越畑桃原10乙(ため池データベース) |
河川名 | 淀川水系三俣川 |
目的 | A(かんがい用水) |
型式 | E(アースダム) |
堤高 | 24.8m(ダム便覧) 26.6m(ため池データベース) |
堤頂長 | 97.1m |
堤体積 | 100,000㎥ |
流域面積 | 2km2 |
湛水面積 | 3ha |
総貯水容量 | 250,000㎥(ダム便覧) 255,000㎥(ため池データベース) |
有効貯水容量 | 210,000㎥ |
ダム事業者 | 三俣土地改良区 (ダム便覧では八木町) |
本体施工者 | 公成建設 |
着手年 | 1993年 |
竣工年 | 1996年 |
ダム湖名 | ― |
その他の設備/所感
専用駐車場はありませんが右岸ダムサイトに停められそうなスペースがあります。ただ側溝の蓋が木製なので乗り上げるのは控えた方が良さそうです。
駐車場 | △ |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | × |
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