取材日:2013/07/15(月)
この日は相模湖交流センターでダムマニア展があった関係で東京の立川に2泊して、そのまま中央道を使って帰るのはもったいないと思い、秩父経由でドライブしながら帰ろうということで立ち寄ったのがこの有間ダムです。地元の方などには名栗湖の方が名前が知られているかもしれません。
堤体下流面を目指すも…
堤体を下から仰ぎ見ようと川に沿って上流を目指しますが立入禁止でした。残念。この近隣には「さわらびの湯」という日帰り温泉施設がありますので、ダムついでに温泉に浸かるのも良いでしょう。
立入禁止チェーンの近くにある橋より上流を望む
仕方がないので下流の状況を撮影。入間川の支流の有間川です。右上にちらっと見えるのが「さわらびの湯」です。
立入禁止チェーンの近くにある橋より下流を望む
反対側の下流を望みます。すぐそこで入間川に合流します。さらにその先の河原では川遊びを楽しむファミリーの姿が見えます。飯能市民の憩いの場になっているようですね。
左岸の有間ダム石碑
天端レベルまでやってきました。休日ということもあってかお客さんで賑わっていました。植栽も丁寧に管理されているようです。
左岸より天端を望む
天端も大型車を除く自動車の通行が可能になっています。(ちなみにダム湖周辺道路は21時~翌6時まで通行禁止のようです)
左岸より堤体下流面を望む
有間ダムは埼玉県が管理するダムで県営では最初にできたダムだそうです。型式は中央土質遮水壁型ロックフィルダムですが、埼玉県唯一のロックフィルダムです。それにしてもダムサイトはきれいでしたのに堤体はちょっと草が多いですね。
左岸より堤体上流面を望む
有間ダムは洪水調節・流水の正常な機能の維持・上水道用水の目的があるダムで、上水道は飯能市上水道と県営広域第一水道に供給しています。右岸に見える青色の構造物は選択取水設備で7門の高圧スライドゲートで構成されます。
選択取水設備から取水された水は利水用放流設備または非常用放流設備から放流されますが、選択取水設備の向こうには自由越流式の洪水吐があります。
その洪水吐はシュート式ではなくトンネル式が採用され、トンネル工事はNATM工法が採用されました。地山が悪い特性を持つようで安全面を考慮しての採用だったようです。ちなみに日本初のNATM工法で施工されたトンネル式洪水吐だそうです。
洪水吐の写真はありません…この日は下調べせずに訪問してしまったため、洪水吐があることを知らずスルーしてしまいました。いつか再訪したときにはこの目で確かめておきたいと思います。
天端よりダム湖を望む
この日は水位が低い状態ですが、洪水期制限水位まで下げているためだと思われます。右手に見える白い建物は管理所です。
天端より下流を望む
天端から見るとリップラップの草がますます生い茂っているように見えてしまいますね。それにしても下流から見たらどんな姿が見えるんでしょうか。
右岸より堤体上流面を望む
上流面も下流面も張石工によってきれいにリップラップが敷き詰められていますが、それだけに草が生えてしまっているのが勿体ない気がします。
右岸より天端を望む
勿体ないと言えば右岸まで来ておいて選択取水設備も洪水吐も見なかったのは勿体なかったな、とこの記事を書きながら反省。。。
右岸より堤体下流面を望む
NATM工法で掘られたトンネル式洪水吐であることが最大の特徴ですが、それを除けば堤体は至って普通のロックフィルダムです。
有間ダム管理所
最後に有間ダム管理所。NATM工法で掘られたトンネル式洪水吐というその最大の特徴を撮り損ねたのは不覚としつつも、再訪の良い理由ができたと思い締めさせていただきます(笑)
有間ダム諸元
所在地 | 埼玉県飯能市大字下名栗字抜草 |
河川名 | 荒川水系有間川 |
目的 | F(洪水調節、農地防災) N(不特定用水、河川維持用水) W(上水道用水) |
型式 | R(ロックフィルダム) |
堤高 | 83.5m |
堤頂長 | 260m |
堤体積 | 1,690,000㎥ |
流域面積 | 16.9km2 |
湛水面積 | 34ha |
総貯水容量 | 7,600,000㎥ |
有効貯水容量 | 7,250,000㎥ |
ダム事業者 | 埼玉県 |
本体施工者 | 飛島建設・フジタ |
着手年 | 1969年 |
竣工年 | 1985年 |
ダム湖名 | 名栗湖 |
その他の設備/所感
駐車場 | ○ |
トイレ | ○ |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○(禁漁区を除く) |
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