所在地:福岡県糟屋郡篠栗町大字篠栗字畦原(取材日:2010/03/05)
右岸より下流側堤体を望む
ついに初めての福岡県のダムの登場です!思えば遠くに来たものです。福岡への出張時に訪れることができましたが、移動の途中、道に迷ってここに来たことにしてください(笑)
さて、鳴淵ダムは福岡県営のダムで、洪水調節や上水道用水を目的とした多目的ダムです。完成は2001年と比較的新しく、各所にメルヘンチックな意匠が施されているのもこのダムの大きな特徴です。
また福岡市の至近にあり、たびたび発生していた多々良川の氾濫を抑止することや、福岡市を含めたこのあたりは人口増加が著しく、そのため水需要が逼迫したことにより、鳴淵ダム建設が計画されたのだそうです。
右岸より天端を望む
面白いといえば面白いのですが、本音を言えばここまでデザインする必要は無かったようにも思います。子どもにはウケているようですが・・・。
右岸よりダム湖を望む
ダム湖はかなり静かでした。営業中にサボ・・・休憩しているサラリーマンらも見受けられ、静かな環境で休憩するにはもってこいの場所です。
ゲート操作室など
うーん、なんだか場違いな感じは否めません。こんな感じに意匠が施されたダムはたぶん全国でもココだけでしょう。私自身の意見としては良いか悪いかは別にして、否定的な意見もうかがったことがあるので、微妙な感じです。正直、何と言って良いのやら。街灯にまで同じ意匠が施されています。
天端より下流のループを望む
このダムに訪れてそのデザインだけでなく、興味を持ったのはこのループ状になった道路です。最初は「ループ橋」かと思ったのですが、橋の手前までしっかり盛土がされていましたので、橋ではありませんでした。ダムの高さ分をカットするためにループにしたようですね。
ちなみにループの真ん中にあるマークは篠栗町のシンボルマークです。
天端より減勢工を望む
導流壁は高いのですが、思いのほか下流が狭くなっています。ダムの規模に比して狭すぎないかな?と思ったりもしましたが、どうなんでしょ?
左岸よりダム湖側の堤体を望む
堤体の細部にいたるまでメルヘンで施されています。
左岸より下流側の堤体を望む
どこからどこを見てもメルヘン。ワンダーランドのダムです。
左岸よりダム湖側の堤体を望む
もう雨が降ってきそうで、写真も暗くてすみません。撮影中は何とか天気は持ちこたえましたが、夜になって土砂降りの雨が降りました・・・。
鳴淵ダム管理所
ワンダーランドのお城。いや、鳴淵ダムの管理所です。意外にも管理所はそこまでメルヘンチックになっていません。
左岸よりダム湖を望む
右岸には立派な橋が架けられています。耶馬渓大橋というのだそうです。このあたりは篠栗耶馬渓と呼ばれるそうですが、大分の耶馬渓と何か関連があるのでしょうか?
選択取水口?
選択取水設備っぽいですが不明です。
自然越流式の洪水吐
自然越流式の洪水吐なので下流側がちらっと覗けます。
鳴淵ダム内部見学通路入口
鳴淵ダムは堤体内県学ができるようです。ただし、見学予定日の1週間前までに予約が必要です。一応、私のようにいつ到着できるかわからんような事前予約が不可能な場合は相談に応じてくれるようです。
連絡先:鳴淵・猪野ダム管理出張所092-947-4896(平日8:30~17:00)
見学時間:年末年始を除く平日10:00~12:00、13:00~16:00(所要時間30分)
※土日祝の見学も難しいようです。
下流の親水公園
下流は親水公園になっていますが、誰もいませんでした・・・。寂しい感じです。休日にはいっぱい人や子どもがいることを期待したいです。
下流の橋より下流側の堤体を望む
2tロングのトラックで来たので自家用車のように車であちこち移動するわけにも行かず、天端から下流まで歩いてみることにしてみました。歩いて行くと下流側は色んな角度からダムを見ることができます。
減勢工を望む
左側の設備から河川維持放流と思われる水が流れています。しかし、その設備の意匠たるや・・・。
下流の橋よりフーチングを望む
下流から見て気になったのはこのフーチング。やたらと大きくて長いです。堤体中央付近まで延びています。あとからもっと近づいてみてみたいと思います。
下流より堤体を望む
あの屋根が無ければなぁ・・・。惜しい。
ループより下流を望む
下流には先程の親水公園の他、広場になっており、さらにはJR九州の篠栗線(福北ゆたか線)が高架を走っています。なんとなく神戸の石井ダムを思わせる造りです。
フーチング
導流壁とフーチングが一体化しているためか、余計に大きく見えます。ここから見ると管理所まで一直線に見えます。
導流部
オリフィスゲートよりさらさらと水が流れていますが、自然越流の非常用洪水吐から流れる様子も見てみたいですね。
右岸の高台より篠栗線と国道201号線を望む
さて、天端に戻ります。戻る途中、ちょっと手前の木々が邪魔をしてしまっていますが、こんな素晴らしい景色が望めます。遠くまでワインディングを描く国道201号線に篠栗線。
右岸よりダム湖側の堤体を望む
天端まで戻るとさすがに息が切れましたが、良い休憩になりました。予定まで時間が多少ありましたので、トラックの中でダムとダム湖を満喫しながら休憩したのでした。
ダム諸元
河川名 | 多々良川水系多々良川 |
目的 | 洪水調節、農地防災、不特定用水、河川維持用水、上水道用水 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 67.4m |
堤頂長 | 308m |
堤体積 | 402,000m3 |
流域面積 | 6.8km2 |
湛水面積 | 19ha |
総貯水容量 | 4,400,000m3 |
有効貯水容量 | 4,160,000m3 |
ダム事業者 | 福岡県 |
本体施工者 | 西松・熊谷・松本 |
着手年 | 1978年 |
竣工年 | 2001年 |
その他の設備/所感
メルヘンチックなのを気にしなければ、見所満載のダムです。
駐車場 | ○ |
トイレ | ○ |
公園 | ○ |
PR展示館 | × |
釣り | ○ |
コメント