取材日:2014/3/2(日)
小見野々ダムから長安口ダムに向かう途中、少しだけ向かう方向が異なりますがぜひ立ち寄っていただきたいダムがあります。それが大美谷ダムです。大美谷ダムは小見野々ダムと同じく四国電力が所有する発電専用のダムとなります。
右岸より堤体下流面を見る
そして大美谷ダムは小見野々ダムと同じ型式のアーチダムですが、こんなにコンパクトなドームアーチは他にはなかなかありません。越流部が見えない分、よりコンパクトに感じさせます。ただ洪水吐は左岸の地山の奥に隠れているらしいのですが、見えないのがちょっと残念です。写真右に流れているのがその洪水吐からの放流のようです。左岸の一番高くなっている構造物の部分がゲートの場所かと思います。
少し位置をずらして堤体下流面を見る
管理所を写した写真がなく下の写真でしか写っていなかったので、上の写真と似たような構図ですがあえて掲載します。上流側に堤体を見下ろす形で現在では無人となった管理所(正しくはダム見張所)が建っています。
広野発電所のあらまし
大美谷ダムに貯められた水を利用して広野発電所にて最大35,700kWの電力を生み出しますが、その概要を示す看板が右岸に設置されています。また周辺の谷筋や河川から水を取水していますが、坂州木頭川取水設備・藤ヶ内谷取水設備・樒谷取水設備・新居田取水設備・沢谷取水設備・泉谷取水設備と6箇所もあることが示されています。
水利使用標識
同じく右岸には水利使用標識も建てられています。
右岸より天端を望む
残念ながら天端は立入禁止。四国電力のキャラクターあかりちゃんが「入ってはダメよ」と諭しているかのようです。親柱に書かれた「大美谷堰堤」の文字が赤色なのは同じ四国電力の長沢ダムや大橋ダムに似ていますね。
右岸のスペース
右岸には駐車スペースの他にもちょっとしたスペースがあるのですが「大美谷ダム」と書かれた木の看板が建てられ、紅葉スポットなのかモミジが描かれています。
右岸より堤体上流面と注水口を見る
右岸には勢いよく大量に水が貯水池に流れている構造物があります。これは沢の水ではなく、各取水設備から取水され支水路を通ってきた水が注水口によって注ぎ込まれているのです。それにしてもキレイな色をした貯水池です。いつからか大美谷ブルーとも呼ばれるようになったエメラルドブルーの貯水池です。
管理所脇の高台より堤体上流面を見る
ちょっと電線が邪魔ですが良い位置から堤体上流面を観ることができます。良いアーチっぷりで水を堰き止めていることが良く分かります。
見学ポイントが少ないながらも水がとても綺麗でとてもコンパクトなアーチダムの大美谷ダムでした。
大美谷ダム諸元
所在地 | 徳島県那賀郡那賀町木頭名 |
河川名 | 那賀川水系大美谷川 |
目的 | P(発電) |
型式 | A(アーチダム) |
堤高 | 31.5m |
堤頂長 | 86m |
堤体積 | 8,000㎥ |
流域面積 | 101.3km2(直接:7.3km2、間接:94km2) |
湛水面積 | 8ha |
総貯水容量 | 451,000㎥ |
有効貯水容量 | 309,000㎥ |
ダム事業者 | 四国電力株式会社 |
本体施工者 | 西松建設 |
着手年 | 1958年 |
竣工年 | 1960年 |
ダム湖名 | ― |
その他設備/諸元
駐車場 | ○ |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○ |
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