取材日:2013/08/04(日)
八尾ダム・室牧ダムから井田川(大長谷川・室牧川)を遡上するように、川沿いの国道471/472号(重複区間)をさらに南下します。途中、左手に仁歩水槽ダムという富山県営の水力発電ダムがあるのですが、残念ながらアクセス路がなく観ることができないためスルーします。その後、さらに南下して左手に見えるのがこの中山ダムです。
左岸より堤体下流面を見る
小さなダムですが魅力がいっぱい詰まったダムですね。中山ダムは富山県企業局の発電専用ダムで、ここから取水された水が直線距離にして2.9km下流にある仁歩発電所に送水され、最大11,000kWの電気を生み出します。仁歩発電所への水路の途中で前述の仁歩水槽ダムを経由するのですが、仁歩水槽ダムは渓流取水を行いつつも、その名の通り調圧水槽も兼ねているというダムなのです。それだけでも興味深いのに観ることが叶わないのはちょっと残念に思います。
中山ダムにズームイン
クレストにはラジアルゲートが2門あり、向こう側にももう1門隠し持っているように見えますが、こちらは排砂ゲートでしょうか。写真手前の水路に流れている水は河川維持放流のようです。また、奥に見える取水口の操作室の屋根がヴォールトなのもかわいらしく見えます。
県営大長谷第二発電所
国道を挟んだ反対側には県営大長谷第二発電所があります。こちらは中山ダムから西に尾根を挟んだ谷にある菅沼ダムで取水された水によって発電しています。(最大出力:10,200kW)
今回は時間がすでに16時を回っていたこともあり菅沼ダムには立ち寄りませんでしたが、富山県は大規模改修工事を計画していて菅沼ダムをゲートレス化するようですので、ゲートレス化する前に見学しておきたいと思っています。
左岸より天端を見る
残念ながら天端は立入禁止。
親柱の銘板
すっかり風化していますが、それがまた味わい深い中山ダムの銘板。竣工の文字も「竣功」の方が用いられているのもまた良いですね。
左岸より堤体上流面を見る
右手にあるのが取水口です。貯水池の色がブルーというよりグリーンのなかなか良い色をしています。
小さなダムで見学ポイントもあまり多くはありませんが、観れば観るほど味わい深い中山ダムでした。
中山ダム諸元
所在地 | 富山県富山市八尾町中山字窪草蓮 |
河川名 | 神通川水系井田川 |
目的 | P(発電) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 24m |
堤頂長 | 70.5m |
堤体積 | 15,000㎥ |
流域面積 | 108.3km2(直接:65.2km2、間接:43km2) |
湛水面積 | 2ha |
総貯水容量 | 111,000㎥ |
有効貯水容量 | 69,000㎥ |
ダム事業者 | 富山県 |
本体施工者 | 佐藤工業 |
着手年 | 1960年 |
竣工年 | 1961年 |
ダム湖名 | ― |
その他の設備/所感
駐車場はありませんが、なんとか止められるスペースはあります。
駐車場 | × |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○ |
中山ダム周辺の地図
中山ダム周辺の天気
中山ダムに近いと思われる宿泊施設
実際に宿泊した施設は下記になります。
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