取材日:2013/3/24(日)
七色ダムまで出来上がったダム愛好家ヘルメットを取りに行くというミッションのため、旭ダムの次に訪問したダムがこの風屋ダムです。
左岸より堤体下流面を望む
風屋ダムは電源開発が所有する発電専用のダムですが、その規模は堤高101mに堤頂長329.5mと巨大なものです。ですが、シュッとしたかっこいいダムなのです。
左岸より天端を望む
左岸が少しだけ高い位置にあり数m先で1段下がっています。堤体越流を考慮してのことかと一瞬思いましたが、右岸はそのままの高さでしたので、単に左岸の高さと合わせるためだったようです。
左岸より上流側の親柱の銘板を望む
行書体の「風屋ダム」の文字がかっこいいです。それにしてもゲートピアの先に見える山の崩壊地がすごいです。これも2011年の紀伊半島大水害によるものです。
左岸より下流側の親柱の銘板を望む
下流側はアルファベットで「KAZEYA DAM」と書かれていて、これもかっこいいです。
左岸より堤体上流面を望む
水の濁りがすごいです。上流では(もちろん下流でも)辺り一帯で紀伊半島大水害の復興に伴う工事を行っているためでしょうか。それに水位も高いです。
左岸よりダム湖を望む
右手が風屋地区の街、左手に見えるのが十津川第一発電所の取水口です。管理所とセットになっています。
トイレ
左岸下流方向にはトイレが設置されています。
コンクリートプラント遺構
また、左岸のアバットメント上部にはコンクリートプラントの遺構があります。建設中はどのようになっていたのか想像が膨らみます。
左岸より堤体下流面を望む
より下流側に移動しますが、もうちょっと整備していただけるとうれしいですね。
堤体中央付近より左岸を望む
左岸の上部にダンプカーが何台かいますが、あそこに登って堤体を見てみたいですね。残念ながら風屋ダムには無関係の私有地のようなので諦めるしかありません。
天端より上流面のクレストゲートを望む
水位が高くゲートに届いています。
天端より取水口と管理所を望む
取水口の手前にあるフロートは網場でしょうか。
天端よりクレストゲートと下流を望む
肉厚のクレストゲートに荒々しい下流側。導流部は小規模なジャンプ台になっていて、下流には副ダムの類もありません。唯一左岸がコンクリートで護岸されている程度です。岩盤がしっかりしていて洗掘の心配が無いのでしょうか。
ゲートピア
早明浦ダムや池田ダムのような鉄骨トラス造のゲートピアです。無骨なコンクリートも良いですが鉄骨もとても良いです。
右岸より堤体下流面を望む
右岸は残念ながら下流側にはこれ以上移動できないためこれが限界です。すぐ下に監査廊の入口のようなものが見えますね。
右岸より天端を望む
右岸上流側に管理所があるため天端は自動車の通行が可能になっていますが、そこで行き止まりです。
右岸より堤体上流面を望む
大きく男前な堤体は右岸側からもしっかりと上流面を捉えることができます。
下流の風屋大橋
堤体の下流にある風屋大橋まで移動しました。(正確には効率良く巡っているため奥里ダムに立ち寄ってからですが)
風屋大橋より堤体下流面を望む
少し堤体が地山に隠れてしまうのが残念ですが、下流の自然の荒々しさと堤体の人工物の対比がよく感じられ、とてもすばらしいポイントだと思います。
…と何度も再訪したくなる男前な風屋ダムでした。
風屋ダム諸元
所在地 | 奈良県吉野郡十津川村風屋896 |
河川名 | 新宮川水系十津川 |
目的 | P(発電) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 101m |
堤頂長 | 329.5m |
堤体積 | 588,000m3 |
流域面積 | 553km2(直接:445km2、間接:108km2) |
湛水面積 | 446ha |
総貯水容量 | 130,000,000m3 |
有効貯水容量 | 89,000,000m3 |
ダム事業者 | 電源開発(株) |
本体施工者 | 大林組 |
着手年 | 1954年 |
竣工年 | 1960年 |
ダム湖名 | 風屋貯水池 |
その他の設備/所感
明確な駐車場はありませんが、左岸ダムサイトが広いので他の自動車の通行の邪魔にならないように駐車することは可能です。
駐車場 | △ |
トイレ | ○ |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○(禁漁区を除く) |
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