奈良県のダム

3598-奥里ダム/おくさとだむ

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3598-奥里ダム/おくさとだむ 奈良県のダム
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取材日:2013/3/24(日)

七色ダムまで出来上がったダム愛好家ヘルメットを取りに行くというミッションのため、風屋ダムの次に訪問したダムがこの奥里ダムです。奥里ダムは電源開発が所有する発電専用のダムです。

左岸より下流側堤体を望む

まるで砂防ダムのようですが、れっきとした発電専用のダムです。左岸の小屋がなんだか気になりますが、資材置場か何かでしょうか。

左岸より下流側堤体を望む
左岸より下流側堤体を望む

少し堤体に近づいて堤体下流面を望む

左岸にある赤色の板状の物はその下に何らかの設備があって、それを覆っている…つまり点検用の穴だと見学当時は思っていたのですが、よく見ると2本の鉄骨が板の下に床面に挟まれるようにして置いてあるので、重機で釣り上げるための隙間が作ってあるようにも見えます。

あと堤体下流面の左岸側ちょっと下側(階段の向こう側)に土砂吐用の穴が見えますね。

少し堤体に近づいて堤体下流面を望む
少し堤体に近づいて堤体下流面を望む

左岸より堤体を望む

小屋の下からは河川維持のための放流がなされています。もしかして小屋はそのバルブ室か何かなのかもしれません。…と考えると赤色の板状のものは、予備ゲートな気がしてきました。

左岸より堤体を望む
左岸より堤体を望む

左岸のフェンス

残念ながら堤体周辺は立ち入りが禁止されています。

左岸のフェンス
左岸のフェンス

現地看板

奥里ダムはアーチダムですが、正式な型式は定半径アーチ式だそうです。定半径の意味がわからない文系の私…

現地看板
現地看板

取水口と土砂吐

ここからだと分かりにくいのですが手前が取水口です。スクリーンの上部がチラッと見えているかと思います。で、堤体のすぐ横にあるゲートが土砂吐ゲートです。

取水口と土砂吐
取水口と土砂吐

ここで取水された水が水圧鉄管を通って、下流を「渡り」、風屋ダムのダム湖(風屋貯水池)に送水されます。これがどういうことなのかは後ほど。

ダム湖を望む

堆砂が激しいですが発電に必要な分だけ取水できればそれでよいので、多分気にしなくても大丈夫なのでしょう。

ダム湖を望む
ダム湖を望む

さらに上流からダム湖を望む

ダム湖は直角に折れ曲がるようにして流れています。それにしてもキレイなエメラルドグリーンの水です。

さらに上流からダム湖を望む
さらに上流からダム湖を望む

下流に位置する水圧鉄管

奥里ダムから滝川沿いの道を下流に2kmちょっと移動したところにこの水圧鉄管があります。奥里ダムで取水した水はこの水圧鉄管を通ります。十津川村営のコミュニティバスのバス停がありますが、その名も「導水路前」。

下流に位置する水圧鉄管
下流に位置する水圧鉄管

滝川を渡る水圧鉄管

道路脇の水圧鉄管で水は下り、道路の下を通って対岸を渡ります。前述の「下流を渡る」とはこの事なのです。水圧鉄管は川を跨って各所で合流し、風屋ダムのダム湖に流れ、そして最後は十津川第一に流れて水力発電に利用されるわけですが、実に複雑なルートをたどります。

滝川を渡る水圧鉄管
滝川を渡る水圧鉄管

滝川水路管

この水圧鉄管は「滝川水路管」と言いますが、こんなルートを辿っています。ちなみにGoogle Mapsだと水路は明記されていませんが、国土地理院地図にはちゃんと明記されているのが良いですね。

滝川水路管
滝川水路管

小規模な河川からも取水して少しも水を無駄にしたくないという想いが伝わってきます。奥里ダムは小ぶりながらも、しっかりとその役に立っている…そんなダムなのでした。

奥里ダム諸元

所在地奈良県吉野郡十津川村内原121-5
河川名新宮川水系滝川
目的P(発電)
型式A(アーチダム)
堤高20.5m
堤頂長81.3m
堤体積2,000m3
流域面積34km2
湛水面積3ha
総貯水容量176,000m3
有効貯水容量― m3
ダム事業者電源開発(株)
本体施工者星野土木
着手年1954年
竣工年1960年
ダム湖名

その他の設備/所感

駐車場×
トイレ×
公園×
PR展示館×
釣り○(立入禁止区域を除く)

奥里ダム周辺の地図

奥里ダムに近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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