取材日：2015/1/28(水)
試験湛水中の切目川ダムがサーチャージを迎えて越流しているという情報を聞きつけてやって来ました。愛知在住のぼくは三重県からのルートの方が走行距離的には短いのですが、高速道路未整備区間が多いため、大阪から阪和自動車道経由で広川ダムと椿山ダムを見学しつつこの日3基目となるダムでした。
堤体下流面を見る
切目川ダムは国道425号沿いにあり国道から堤体下流面をしっかりと見ることができます。そこそこの越流量でしっかりと流紋が見えています。もうこのシーンは一生のうちに見ることは出来ないかもしれません。打設したてのコンクリートも真っ白で眩しいですね。取水設備には連続サイフォン方式が採用されており、操作室が不要なため天端はとてもスッキリしたデザインになっています。
そういえば切目川ダムと言えば2015年にダム工学会やCMED会が主催する「ダムなんでも相談室」の記念品のうちわのデザインをぼくがやらせていただいたことがありますが、そのデザインにこの切目川ダムの写真を採用しています。
左岸下流には監査廊の入口とバルブ室と思われるものがあります。バルブ室は利水もしくは河川維持用水のものと思われます。
堤趾導流壁が設けられているため減勢池はコンパクトなものになっています。
試験湛水中につきオリフィスゲートには角落しが嵌められているため真っ暗で見えません。それよりもデフレクターが超鋭角！名古屋弁で言う「トッキントッキン」な状態。
拡大するとさらにトッキントッキン具合が分かります。
周辺整備真っ只中であまりあちこち見学できる状況にないため似たようなアングルになりますが、このダムもまた再訪必須ですね。
周辺整備
公衆トイレも新設工事中でした。
この辺りはコンビニもないためかなり助かっているようです。ダムを巡る愛好家としても嬉しい限りですね。
再び堤体下流面
良い感じに青空が見えるようになりました。
切目川流域は古くから洪水や渇水に悩まされていた地域で、そのどちらにも対応すべく建設されたのが切目川ダムです。今後も末永く活躍し貢献するダムとなることでしょう。
切目川ダム諸元
| 所在地 | 和歌山県日高郡印南町高串地先 |
| 河川名 | 切目川水系切目川 |
| 目的 | F(洪水調節、農地防災) N(不特定用水、河川維持用水) W(上水道用水) |
| 型式 | G(重力式コンクリートダム) |
| 堤高 | 44.5m |
| 堤頂長 | 127m |
| 堤体積 | 67,000㎥ |
| 流域面積 | 21.9km2 |
| 湛水面積 | 30ha |
| 総貯水容量 | 3,960,000㎥ |
| 有効貯水容量 | 3,410,000㎥ |
| ダム事業者 | 和歌山県 |
| 本体施工者 | 熊谷組・淺川組・尾花組 |
| 着手年 | 2013年 |
| 竣工年 | 2015年 |
| ダム湖名 |
その他の設備/所感
| 駐車場 | ○ |
| トイレ | ○ |
| 公園 | × |
| PR展示館 | × |
| 釣り | ○ |
| 展望台 | ○ |
切目川ダム周辺の地図
切目川ダム周辺の天気
切目川ダムに近いと思われる宿泊施設
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