中部地方のダム 静岡県のダム

1178-長島ダム/ながしまだむ

2016/09/14

所在地:静岡県榛原郡本川根町梅地
公式Webサイト:http://www.cbr.mlit.go.jp/nagashima/

左岸より堤体(下流側)を望む

左岸より堤体(下流側)を望む

長島ダムは「地域に開かれたダム」として、一般的なダムと比べ、より開放的なダムとなっています。長島ダムの名前は知っていたのですが、あまり前もって調べていなかったので、これほど見どころ満載なダムだとは思いもよりませんでした。見学する時は、時間に余裕を持った方が良いです。

長島ダムふれあい館

長島ダムふれあい館

堤体に近づく前に、まずはここ「長島ダムふれあい館」で長島ダムについて勉強です。

鮎のぼり(岩魚?山女?)

鮎のぼり(岩魚?山女?)

中に入ると、展示館のスタッフの方から気さくに話しかけてくださいました。奥へ進むと天井を指差して、「見てください!鯉のぼりならぬ鮎のぼりです。ハッハッハッ!」と大きな声で笑っていました。妙なテンションなので私も「あ~、ホントだ~」と、妙なリアクションをしてしまいました。五月の節句に近かったので、飾られたそうですが、すごく見て欲しかったようです。

館内の様子(地域の情報コーナー)

館内の様子(地域の情報コーナー)

館内を移動中、林道の奥のダムへは、どうやって行けば良いのかお聞きしました。「(林道は)一般車は通行禁止ではないけれども、荒れ放題だからどうだろう・・・。管轄が違うので、何とも言えませんねぇ」と仰られたので、「自己責任ですか?」と聞くと、イラクの日本人人質事件を察してか、「はっ!いま流行の言葉ですね!」と切り返されました。おしゃべりと冗談好きなスタッフの方です。冗談を言いつつも、近隣の観光地図を持ってきてくださるなど、とても親切に応対してくださいました。

館内の様子

館内の様子

全体的に透明な空間で、明るく澄んだイメージが湧いてきます。アクリルで作られたパネル展示方法も他にはあまりない方法です。

ダム模型

ダム模型

模型を見ると本物がそこにあるというのに必ずと言って良いほど撮影してしまいます。それにしてもよく出来た模型です。

右岸(下流側)より管理所(?)を望む

右岸(下流側)より管理所(?)を望む

ふれあい館を離れ、次はいよいよ堤体です。ふれあい館は左岸で、右岸側に回ろうとしたのですが、ふれあい館のスタッフの方によると、天端は「基本的に」一般車は通行禁止との事。実際には自動車の通行が可能なのですが(一般車が何台か通過するのを見ました)、スタッフの方の言うとおりにし、天端を通らずぐるりと下流側を回り、右岸に移動しました。

右岸(下流側)から堤体を望む

右岸(下流側)から堤体を望む

堤体直下には公園があり、ダムを下流側から見上げることが出来ます。しかし直下までは徒歩でしかいけません。しかも距離が非常にあります。こんな事なら左岸のふれあい館から移動すればよかった・・・と思いましたが、後悔先に立たず。仕方なく徒歩で降りていきました。

下流右岸側より堤体を望む

下流右岸側より堤体を望む

息を切らせながら、堤体直下まで来ました。この写真では雰囲気が伝わりにくいかもしれませんが、かなり大きな堤体です。真下から見れるダムはとても貴重なので、何枚も撮影してしまいました。

右岸下流側の公園より飛沫橋を望む

右岸下流側の公園より飛沫橋を望む

この橋はその名も飛沫(しぶき)橋。利水用の放流の飛沫が確かに飛んできます。でも洪水吐からだと飛沫じゃ済まないでしょうね。
ちなみに橋の真ん中に人が数名います。大きさが比較できるでしょうか?

右岸下流側の公園より堤体と飛沫橋を望む

右岸下流側の公園より堤体と飛沫橋を望む

橋と堤体を撮影してみました。とにかく巨大で被写体に収めるのが大変です。

右岸下流側の公園より堤体を望む

右岸下流側の公園より堤体を望む

う~ん、失敗・・・。
池と堤体を上手く撮ろうとしたのですが・・・。

飛沫橋より利水放流を望む

飛沫橋より利水放流を望む

利水のための放流です。飛沫がカメラにかかるのを注意しながらの撮影です。放流管が2本あるようです。利水放流とはいえ凄い勢いです。

飛沫橋より副ダムからの越流を望む

飛沫橋より副ダムからの越流を望む

副ダムからの越流です。

飛沫橋より副ダムからの越流を望む

飛沫橋より副ダムからの越流を望む

飛沫橋より堤体を望む

飛沫橋より堤体を望む

放流能力995m3/秒の常用洪水吐が6門、非常用洪水吐が4門を備えており、まるで巨大戦艦のようです。

飛沫橋より井川線を望む

飛沫橋より井川線を望む

ふいに後ろを見ると、井川線の電車が汽笛を鳴らしながら走っていました。 アプトいちしろ駅から長島ダム駅を走る列車はアプト式と言って、線路の真ん中にノコギリの歯のようなギザギザのついた3つ目のレールがあり、この上を機関車が歯車をかみ合わせながら走る珍しい鉄道です。何でも日本ではここだけとか。ダム建設に伴い井川線の一部区間が水没するために、わざわざ線路を付け替えたそうです。そのため急勾配になってしまい、通常の走行が不可能になってしまったためアプト式にしたそうです。撮影にはフル望遠を活用。

飛沫橋より堤体を望む

飛沫橋より堤体を望む

ちょうど長島ダム駅に井川線の電車が到着しました。
全体的にはこんな感じです。かなり標高が高い所を鉄道が走っていることが解ります。また湾曲した橋が不思議な空間を醸し出しています。

飛沫橋より虹を望む

飛沫橋より虹を望む

利水放流からの水が微かな虹をつくっていたので、思わず撮影してしまいました。う~ん、虹の撮影って難しい・・・(汗)

飛沫橋より利水放流と堤体を望む

飛沫橋より利水放流と堤体を望む

利水放流と堤体のツーショット。洪水吐から放流してたら、さぞかし凄いんでしょうね。ぜひ一度お目にかかりたい。

飛沫橋より副ダムを望む

飛沫橋より副ダムを望む

副ダムの構造も変わっています。こんなに変わった副ダムは初めて見たかも。なお、大井川は副ダムからは左に曲がって流れていきます。
この先に大井川ダムがあるらしいのですが、見つけられませんでした・・・。

井川線の旧線トンネル

井川線の旧線トンネル

先にも述べましたが、長島ダム建設のため井川線は路線を付け替えています。その旧線のトンネルが堤体直下にあり、トンネル内を抜けて、本当の堤体直下に行くことが出来ます。
これにはちょっと感動。

旧線トンネル出口より堤体を望む

旧線トンネル出口より堤体を望む

トンネルを抜けると、雪國どころか堤体が!!
100m級のダムの直下をこんな間近で見ることが出来るなんて・・・。

フーチング半ばより放流管(?)を望む

フーチング半ばより放流管(?)を望む

さらにフーチングまで登ることが出来ます。この後も幾つか取材すべきダムが控えているというのに、体力の心配をよそに思い切って、このフーチングを登ってみました。
堤体を真横に見ながら登ります。疲れたら休憩しつつ・・・と時間がかかりますが、なんとか頑張りました。
何気に右側を見ると、非常用とも常用ともつかない、何か放流管の様なものがありました。ですが、何のためのものか全く不明です。

フーチングよりふれあい館を望む

フーチングよりふれあい館を望む

天端までもう一息です。
対岸を見ると長島ダムふれあい館が遠くに見えます。

天端右岸より堤体(下流側)を望む

天端右岸より堤体(下流側)を望む

さぁ、ようやく天端に辿り着きました。ここまで来るのに何度休憩したことか(笑)全身汗でびっしょりです。美しく、かつ巨大なダムです。

湖名碑を望む

湖名碑を望む

右岸ダムサイトには石碑があり「接岨湖」と書かれています。「せっそこ」と読みます。この周辺に接岨峡という峡谷があり、そこから名づけられたようです。

右岸より堤体(ダム湖側)を望む

右岸より堤体(ダム湖側)を望む

ダム湖側は美しく重厚な造形です。

右岸より天端を望む

右岸より天端を望む

先にも述べましたが、天端は「基本的に」自動車の通行が禁止されています。なぜ禁止されているのかは不明ですが、特に禁止する必要もない気がします。テロの影響でしょうか・・・?

天端よりゲートを望む

天端よりゲートを望む

結構な高さがありますが、長島ダムよりも堤高が低いアーチ式の矢作第一ダムと比べると、それほど高さを感じることが出来ませんでした。アーチ式の方がオーバーハングしている分、高く感じるものなのかもしれません。
なお、向こうに渡り廊下のなものが見えますが、各ゲートを操作するための廊下でしょうか。

天端よりフーチングを望む

天端よりフーチングを望む

これが先ほど登ってきたフーチングです。体力に自信のない私がここまでする事は今後あるかどうか・・・。
なお、踊場付近が濡れていますが、側溝を流れる雨水が溜まったゴミで止まってしまって、私が側溝を少し掃除(?)した為に、勢い良く流れ出た関係です。少しだけダム管理の仕事をしました(笑)
各踊場の下には人がいませんでしたので、その辺はご安心を。

天端より下流を望む

天端より下流を望む

天端中央部からの眺めです。なんだかこうしてみると、子供のおもちゃ箱か砂場のような減勢工です。写真を眺めて、ふと砂場なので遊んでいる子供のころの私を思い出しました。自宅に父が作った砂場で道路などを作っていた私を見て祖母が「将来は建設業になる?」と聞かれたことがありました。残念ながらその当時、そんな事は少しも思っていませんでしたが、まさか大人になってから「巨大建築物」に興味が湧くとは思いもよりませんでした。恥を捨てて良いのなら今では多分ダムを作ることでしょう。

展望テラス(下流側)

展望テラス(下流側)

これは天端(下流側)中央部に位置する展望テラスのような部分です。床がグレーチングになっているので、ダム直下を足元から見ることが出来ます。

天端(下流側)よりダム湖側を望む

天端(下流側)よりダム湖側を望む

ダム湖側にもテラスが備わっています。接岨湖を一望することが出来ます。さらに向こう側では表層曝気用だと思われる噴水が上がっていました。

天端より表層曝気噴水を望む

天端より表層曝気噴水を望む

この噴水、時間を追うごとに様々な形で吹き上げます。見ていて飽きない仕組みを持っていますが、様々な形で吹き上げる理由は、もしかしたら単に見せるためだけの物ではないかもしれません。

天端より常用洪水吐のゲートを望む

天端より常用洪水吐のゲートを望む

常用洪水吐のゲートです。ローラーゲートに見えますが、果たして!?ちなみに非常用洪水吐はほぼ間違いなくラジアルゲートでしょう。

天端より表層曝気噴水を望む

天端より表層曝気噴水を望む

ふと噴水を見ると、また形状が変わっていましたので、すぐさま撮影しました。ホントに単調では無い為、実に豪華(?)な噴水です。

天端より管理所(?)を望む

天端より管理所(?)を望む

パラボラアンテナなどがあるため、多分管理所である事が伺えます。規模が非常に大きいので他の用途にも使われているのではないかと思われます。

長島ダム駅

長島ダム駅

さて、長島ダムをあとにしますが、左の写真は大井川鐡道井川線の長島ダム駅です。小ぢんまりとしたかわいらしい駅舎です。長島ダム建設時に作られた駅舎です、井川線の中でも最も新しく、整備された駅舎でもあります。
また、ダムの名が付く駅は大変珍しいです。国内では片方の手で数えられるぐらいしかありません。逆に言えば長島ダムが公共交通機関で来訪可能なダムであることを示しています。

ダム諸元


型式 重力式コンクリートダム
目的 洪水調節、農地防災:不特定用水、河川維持用水
灌漑用水:上水道用水
堤高 109m
堤頂長 308m
堤体積 861,000m3


流域面積 534.3km2
湛水面積 230ha
総貯水容量 78,000,000m3
有効貯水容量 68,000,000m3
ダム湖名 接岨湖
河川名 大井川水系大井川
着手年 1972年
竣工年 2001年
Access to D@M 東名高速道路相良牧之原IC下車
あとはひたすら国道473号線を川根町に向けて北上
川根町に入り家山で「たいやき」を食べたら再び国道473号線を北上
しばらく走らせると国道362号線と交わるT字交差点にぶつかるので、
その交差点を右折し国道362号線を北上
千頭付近で県道77号線に入る道があるので、そちらへ進入し更に北上
大井川鐡道井川線奥泉駅を過ぎると、寸又峡と接岨峡の分かれ道があるので、
それを右の接岨峡方面(県道388号線)へ
トンネルを二つ抜けると長島ダムはもう目の前です

その他の設備/所感

駐車場 この周辺には実に多くのダムがあります。
その中でも長島ダムは非常に見どころの多いダムです。
全く見れなかったダムがいくつもあったため、その分ここで発散してしまったような感があります。
その為このサイトも5ページ構成の未だかつて無い規模になりました。
余談ですが寸又峡にある紅竹食堂の山菜そばは大変美味しかったです。
トイレ
公園
PR展示館

長島ダムに近いと思われる宿泊施設

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