取材日:2012/12/30(日)~31(土)
畑川脇ダムは本体となる畑川ダムの脇にあるからなのですが、いわゆる鞍部ダムです。建設時は「遮水擁壁工」とも呼ばれていました。
これは貯水池の南を山陰本線が通っており、そのまま湛水すると水圧に耐久性のない山陰本線の盛土が浸かってしまうため、線路の手前で止水するのが目的です。
なお、畑川脇ダムに河川が流れているわけではないため、上流・下流・右岸・左岸という表現は正しくはありませんが、本記事では便宜上そう表現しています。
1日目
畑川ダム本体同様に、2日間に分けて見学しました。
右岸より下流側の堤体を望む
畑川ダム本体からは少し距離があり、歩いて行けない距離ではないですが、雨が降っているためクルマでやって来ました。
右岸より天端を望む
天端には大きな水たまりが…。この時はまだ工事中でしたが、現在天端は町道として共用されています。
右岸よりダム湖側の堤体を望む
止水壁ですので洪水吐の類はありません。
天端より下流を望む
奥に見える法面は山陰本線の盛土です。「河川が流れているわけではない」と書きましたが、では下に見えるあれは…
山陰本線の盛土の下を通ってきた沢
山陰本線の真下に沢筋があるのですが、それを脇ダムからダム湖に合流させるのではなく、なんとわざわざトンネルを掘って畑川ダムの下流にバイパスさせているのです。
この位置関係なら確かにダム湖には合流させられませんし、ダム湖に合流させようと思うと、山陰本線を橋にする必要がありますが、そうするとかなり大掛かりな工事になることは容易に想像できますから、トンネルで迂回させた方が合理的で工費も浮くと目論んだのでしょう。
ちなみに下の写真は畑川ダムの直下の写真ですが、右下にある構造物がバイパストンネルの出口になります。
天端よりダム湖を望む
まだまだ雨は止みそうにありません。
左岸より下流側の堤体を望む
規模としては小さなダムですが、かなり頑健な造りに見えます。鉄道を守っているからでしょうか。
左岸よりダム湖側の堤体を望む
右奥に畑川ダムの本体があります。
2日目
右岸より天端を望む
翌日、再びやってきました。雨は上がり晴れ間も覗いていますが、天端の水たまりは相変わらずです(笑)
右岸よりダム湖側の堤体を望む
満水の状態です。しっかりと水を受け止めています。
右岸より下流を望む
何度見ても不思議な光景です。
右岸より下流側の堤体を望む
堤体下流面が南側を向いているため、昼間はほぼ順光になるのが良いですね。
天端よりダム湖を望む
左手が畑川ダム本体(下流)、右手が上流方向になります。この光景はもうほぼ見ることは叶わないでしょう。
畑川ダム本体の補助的なダムではありますが、山陰本線を守るという意味で重要な役割を担っている畑川脇ダム。畑川ダムの見学と合わせてぜひこちらも見学しましょう。
畑川脇ダム諸元
所在地 | 京都府船井郡京丹波町下山 |
河川名 | 由良川水系畑川 |
目的 | F(洪水調節、農地防災) N(不特定用水、河川維持用水) W(上水道用水) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 21.8m |
堤頂長 | 105m |
堤体積 | 16,000m3 |
流域面積 | 21.2km2 |
湛水面積 | 20ha |
総貯水容量 | 1,960,000m3 |
有効貯水容量 | 1,530,000m3 |
ダム事業者 | 京都府 |
本体施工者 | フジタ・公成建設・寺尾建設 |
着手年 | 1992年 |
竣工年 | 2012年 |
ダム湖名 | 下山四季彩湖 |
その他の設備/所感
畑川脇ダムに駐車場はありませんが畑川ダム本体側にあります。他も畑川ダムに準じています。
駐車場 | ○ |
トイレ | ○? |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○(禁止区域を除く) |
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