所在地:徳島県三好市池田町西山
取材日:2010/11/17(水)
左岸下流側より堤体を望む
池田ダムは早明浦ダムなどとならび、四国の治水・利水の「かなめ」のダムです。川幅いっぱいに堤体が広がっていますが、堤高はそれほどでもないものの、かんがい・洪水調節・上水道・工業用水・河川維持用水だけでなく、発電まで行うオールマイティな多目的ダムです。
それにしてもすっかり暗くなってしまって、この写真を含め何枚かは無理矢理補正しました。
左岸下流側より発電所放流口を望む
右にある四角い構造物は発電所の放流口です。そこから水が流れ出ているのがわかりますでしょうか?その右にあるのは魚道です。
左岸下流側より下流を望む
燃えるような紅葉に、さらに夕日が真っ赤に照らしていました。
独立行政法人水資源機構 池田総合管理所
ダムカードをもらいに管理所に行きます。ちなみに、国土交通省の吉野川ダム統合管理事務所も同じ建物にあり、ダムカードは水資源機構の方にもらいに行かなければなりませんが、最初誤って国土交通省の方に行ってしまいました(汗)
国土交通省 吉野川ダム統合管理事務所
そしてこちらが国土交通省吉野川ダム統合管理事務所の石碑。事務所そのものはこの建物の1階にあります。ダムカードはそこではもらえませんのでご注意を(笑)
左岸よりゲートピアを望む
実に残念なぐらいめちゃくちゃ露出が低くて真っ暗な写真でしたので、思い切って補正しました。この日は一番左岸のゲートで工事が行われていました。
「かなめ」の石碑
冒頭で「四国の治水・利水の「かなめ」のダム」と言いましたが、それを示す石碑です。こうした石碑が設置されるぐらい、四国の人々は水に困っていたのだということが実感できます。そしてこのダムがいかに必要であり重要であるか。
左岸より天端・ゲートピアを望む
池田ダムは早明浦ダム・新宮ダム・柳瀬ダムと合わせ、吉野川下流域の洪水調節を担っています。また、早明浦ダムと連携して低水流量調整を行い、既得用水の取水の安定や河川維持を行なっています。さらに吉野川中下流域の既得用水の一部と早明浦ダムにより確保された水量を合わせて供給する吉野川北岸用水の取水も行なっています。さらにさらに早明浦ダムによって確保された水量を供給する香川用水の取水も行なっています。そして、池田発電所では5000kwの水力発電が行われています。
・・・これを読むだけでもいかに重要なダムであるかご理解いただけると思います。
東海地方にはこういうダムは見当たりませんので、かなり新鮮な感覚でした。パッと見た目にはダムに見えないと言いますか。でもすごく重要なのです。
左岸のインクラインを望む
左岸にはインクラインが設けられていました。多目的ダムの割には堤高が低いので規模も小さなものですね。
ローラーゲートを望む
池田ダムには幅15m高さ13.7mが7門、幅15m高さ8.7mが2門、合計で9門のローラーゲートが備わっています。
ゲートピアを見上げる
見上げるほどに大きな鉄骨でできたゲートピアです。リベットがまた鉄骨を良い味に仕上げています。
農林水産省 中国四国農政局 吉野川北岸用水取水工
農林水産省中国四国農政局による吉野川北岸用水の取水工です。
取水塔を望む
何の取水塔かはちょっとわかりません。
池田発電所取水口
四国電力池田発電所の取水口です。
池田高校野球部のトレーニング風景
撮影していると「ダッダッ!」と威勢よく足音が聞こえてきました。高校野球の名門校、池田高校の野球部がランニングしていました。池田高校はこの階段を登った左手にあります。慌てて撮ったので写真が斜めっていますね(笑)
走りながらも一人ひとり私にちゃんと「こんちわー!」と挨拶をしてくれました。
それにしてもあの階段をダッシュで降りるのは辛そうだなぁー(笑)
池田高校野球部のトレーニング風景・その2
ダムの天端上でカメラを抱えてる人物を見て彼らはどう思ったのやら(笑)
まさか池田ダムがトレーニングの一部になっているとは、池田高校の強豪っぷりは池田ダムのおかげかも知れません(違)
天端よりゲートピアを望む
さて、部員らが走り去り再び静けさが戻りましたが、この鉄骨ゲートピアが並ぶ様は壮観と言わざるを得ません。彼ら野球部員がプロ野球選手になったら、きっとこの鉄骨ゲートピアのような骨太の選手になるのでしょう。もはや意味がわかりませんが。
カッコイイ鉄骨組のゲートピア
「カッコイイ」というより「カッコ良すぎ」です。鉄骨で出来た芸術作品とでも言いましょうか。
池田ダム南のダム停
ダム停便覧用に写真をパチリ(笑)
右岸よりゲートピア・池田発電所取水口を望む
左から池田発電所の取水口、除塵機(?)、ゲートピアです。なんか宇宙戦艦のドックみたいですね。
池田発電所には、水量に応じて水車の羽根の角度を変えることにより効率的な発電ができる四国最大のチューブラ水車が使われているそうです。チューブラ水車は別名「横軸円筒可動羽根プロペラ水車」とも言うそうです。
右岸より天端を望む
天端上は自動車の通行が可能です。池田高校野球部のランニングルートになっているだけでなく、住民の生活道路となっているようで、そこそこの交通量でした。
「ふるさと発電所めぐり」の看板
マニア以外で発電所めぐりをしている人がいるのかどうかは不明ですが、なかなか粋なことを四国発電はしているようです。
魚道を望む
階段式の魚道です。吉野川名物の鮎も遡上するそうです。
ダム湖を望む
満々と湛える貴重な水資源です。
下流を望む
発電所で働いた水が流れ出たことにより、波紋を広げているのが分かるかと思います。
池田ダム北のダム停
先ほどのダム停は右岸だったのですが、左岸にもダム停がありました(笑)
池田ダム諸元
河川名 | 吉野川水系吉野川 |
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目的 | 洪水調節、農地防災、不特定用水、河川維持用水、かんがい用水、上水道用水、工業用水、発電 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 24m |
堤頂長 | 247m |
堤体積 | 52,000m3 |
流域面積 | 1,904km2 |
湛水面積 | 144ha |
総貯水容量 | 12,650,000m3 |
有効貯水容量 | 4,400,000m3 |
ダム事業者 | 四国地建→水公団一工 |
本体施工者 | 鹿島建設 |
着手年 | 1968年 |
竣工年 | 1974年 |
ダム湖名 | 池田湖 |
その他の設備/所感
駐車場 | ○ | 特に左岸には見学者用の駐車場がありますので、 ここに停めてじっくりと見学すると良いでしょう。 |
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トイレ | × | |
公園 | × | |
PR展示館 | × | |
釣り | ○ |
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