取材日:2013/1/26(土)
どこをどう走ってたどり着いたのかもはや覚えていませんが、やって来たのは奈良県生駒市にあるアースダム「高山溜池」です。
生駒市民には恐らく馴染み深い「くろんど池(黒添池・黒溝池とも書かれます)」と呼ばれる池が隣接していますが、こちらは寛永元年(1624)に農業用溜池として造られたそうです。高山溜池築堤後は異常渇水時の予備として貯水されているそうです。
右岸ダムサイト
到着しましたが車を停めるスペースがなく辟易しました。この写真の道路の先の右手に駐車場があるのですが、朝が早いせいか開いていませんでした。中央で変なポーズをしてる人がいますが気にしないであげてください(笑)
右岸ダムサイトより堤体方向を望む
さらに堤体にも入れません。残念ですがどうも普段から開放していないようです。
右端ダムサイトより洪水吐を望む
灌漑用溜池によくあるタイプの洪水吐(余水吐)です。右の方に石碑も見えます。
右岸の門より堤体方向を望む
洪水吐に架かるこの橋は武兵衛橋という名称で、高山溜池築堤に尽力した当時の北倭村村長有山武兵衛の名前がつけられています。対岸の橋の袂には北倭村道路元標があるようです。向こうに見えるのは北倭土地改良区の事務所になります。
右岸ダムサイトにある道案内の看板
高山溜池は近畿自然歩道上にあるらしく、道案内の看板が右岸ダムサイトに設置されていました。南に進むと高山城跡があるようです。
右岸より堤体上流面を望む
少し北に移動して木々の隙間から堤体を狙います。堤体はブロック状のコンクリートで遮水されているようです。
右岸ダムサイトより上流方向を望む
左に少し見えるのがくろんど池です。右手が高山溜池。その間は奈良県道7号枚方大和郡山線が通ります。ここがくろんど池の堤体であった可能性がありますが不明です。
左岸ダムサイト
右岸はこれ以上は何もないということで左岸までクルマで移動しました。こちらも車止めがなされ進入できないようです。
左岸より堤体上流面を望む
堤体は真っ直ぐではなく少し曲げているように見えます。また、奥の方に農業用溜池でよく見る斜樋式の取水設備が見えます。
左岸より天端を望む
天端は砂利道になっています。奥の方に白い看板が見えます。何だろうと目を凝らして見てみると…
左岸より天端を望む
「ここから先は(中略)通行はできません」という看板でした。ここまでならOKと解釈して進みます。ただ、土地改良区に申し出れば正式に奥まで見学させていただけるものと思います。
左岸より堤体下流面を望む
気持ちが良いほどきれいに草刈りがされています。
左岸よりダム湖を望む
第二種区画漁業免許を受けてコイやフナの養魚を行っているとのことで、釣りは全面禁止になっています。(というか釣りをしたら漁業法で罰せられるそうです)
上流面の補修跡
上流面の一部が補修されて真新しいコンクリートが打たれていました。
灌漑用としてはもちろん、魚も育てるために今も地域の役に立ってる高山溜池でした。
高山溜池諸元
ダム便覧には1956年竣工となっていますが、生駒市のページには1964年完成と記載があるためこちらに合わせています。
所在地 | 奈良県生駒市高山町 |
河川名 | 大和川水系富雄川 |
目的 | A(かんがい用水) |
型式 | E(アースダム) |
堤高 | 23.1m |
堤頂長 | 135m |
堤体積 | 67,000m3 |
流域面積 | 2.3km2 |
湛水面積 | 9ha |
総貯水容量 | 580,000m3 |
有効貯水容量 | 580,000m3 |
ダム事業者 | 奈良県 |
本体施工者 | 山上組 |
着手年 | 1950年 |
竣工年 | 1964年 |
ダム湖名 | ― |
その他の設備/所感
設備はすべてくろんど池のものとなります。
駐車場 | ○ |
トイレ | ○ |
公園 | ○ |
PR展示館 | × |
釣り | × |
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