福井県のダム

3039-大津呂ダム/おおつろだむ

4.0
下流より堤体を望む 福井県のダム
この記事は6分で読めます。

取材日:2012/03/10(土)
所在地:福井県大飯郡おおい町本郷162-1-18

2012年のこの年は試験放流の当たり年で、辰巳ダムの試験放流からたった1ヶ月で福井県の大津呂ダムが試験放流をするという年でした。他にももう1基ありますが、そちらはまた後日公開したいと思います。

さて、やってきました大津呂ダム。当時は舞鶴若狭道が繋がっておらず、北陸道の敦賀インターからダラダラと国道を走ってきた記憶があります。

左岸より堤体を望む

到着早々気になったのはこの堤体。見事なまでに折れ曲がっています。

左岸より堤体を望む

左岸より堤体を望む

水の貯めっぷりと、堤体の折れ曲りっぷりという見事なコラボレーション。堤体が折れ曲がっているのは写真手前の左岸側に造成アバットメントを施工し、ここへ堤体を接続させることで、堤体積が減らせる上に岩盤や下流側の地山を削ることなく工費を節約しているのだそうです。

左岸より堤体を望む

大津呂ダム監視所

管理所ではなく監視所です。実際の管理事務所は小浜市内にあります。屋上がテラスのようになっており、ここから堤体が望めそうですが、残念ながら展望台のようにはなっていません。ぜひ改築して展望台にしていただきたいですね。

大津呂ダム監視所

左岸より堤体を望む

天端レベルから堤体を見ます。ここからだと下流が全く見えません。

左岸より堤体を望む

左岸のフーチングと下流側の堤体

一般的な重力式コンクリートダムのフーチングというと、アバットメントと減勢工の間に細い部分に造るようなイメージですが、このダムは堤体が折れ曲がった部分からアバットメントまで距離があります。

左岸のフーチングと下流側の堤体

左岸より下流側の堤体を望む

なかなかどう撮影していいのか悩む被写体です。

左岸より下流側の堤体を望む

ダム湖を望む

湛水面積が3haとかなり狭いダム湖です。すぐに堤体からバックウォーターが望めるほどです。

ダム湖を望む

左岸より天端を望む

辰巳ダムの試験放流の時と同様に天端はまだ舗装されていませんでした。

左岸より天端を望む

天端中央付近より導流部・減勢工・下流を望む

左岸の堤体付近からは放流している様子がほとんど見えませんが、ここまで来てようやく見えるようになります。下流側はまだまだ工事をしていました。護岸工事と河道を整備しているようです。

右岸より天端を望む

水たまりが出来て足元が悪いですが、今ではもちろん見学しやすいように整備されています。

右岸より天端を望む

取水設備操作室

壁面はレンガ調のタイルが貼られています。

取水設備操作室

右岸よりダム湖側の堤体を望む

欄干はまだ養生がされています。

右岸よりダム湖側の堤体を望む

右岸より下流側の堤体を望む

右岸までやってきました。もう少し下流側から見られると良いのですがこれが限界です。ですが、コンクリートの白さが放流を引き立ててくれています。

右岸より下流側の堤体を望む

左岸より下流側の堤体を望む

左岸の下流側にある地山の上から見学させていただきました。ここは今では安全に配慮してフェンスが設置されています。左岸の漏水がちょっと気になりますね。

左岸より下流側の堤体を望む

導流部のデフレクター

常用洪水吐の上にある三角形の構造物は、非常用洪水吐からの流れによって常用洪水吐からの流れを阻害しないように放流の流れを調節するデフレクターです。

導流部のデフレクター

左岸の高台より堤体を望む

試験放流の見学に来ていたダム愛好家のみんなと上流にある展望台まで行ってみようということで、徒歩でそこまで目指します。写真はその途上に坂道を登りますが、そこからの堤体の様子です。

左岸の高台より堤体を望む

左岸の砂防ダムよりダム湖・堤体を望む

ダム湖に流入する沢のひとつに砂防ダムがあります。その古さから既設のもののようです。

左岸の砂防ダムよりダム湖・堤体を望む

展望台

展望台にたどり着きました。あらかじめ見学を想定したつくりになっているのが、とても嬉しいですね。

展望台

展望台内部

内部には解説図が設置されています。

展望台内部

展望台よりダム湖側の堤体を望む

個人的に希望する展望台というものは、下流側の堤体が望めるのが理想なのですが、ダム湖側でも展望台からの景色はなかなか良くって、良い意味で裏切ってくれます。特にこの滔々と水を讃える姿が眼前に見られるのはとても良いと思います。

展望台よりダム湖側の堤体を望む

展望台より洪水吐・取水設備を望む

展望台から洪水吐と取水設備部分をズームアップ。風が強いのでダム湖の水が少し波立っています。

展望台より洪水吐・取水設備を望む

サーチャージ水位はEL.99.6m

水位表示板は当然ながらサーチャージ水位を示しています。

サーチャージ水位はEL.99.6m

インクライン・フロート・ボート

左岸にはインクラインとフロートがあり、フロート上にボートが置いてありました。つくりとしては簡易的なもので、かなりのコスト削減となっているように感じました。

インクライン・フロート・ボート

並んだ愛好家の自動車と堤体

展望台から戻ってくる途中に並んだ愛好家の車を撮影。先頭のパジェロはJVの車です。あと2台は買い替えられてもう見ることができない車ですね。

並んだ愛好家の自動車と堤体

小浜漁港の五右衛門

お昼の時間になりましたので、愛好家一同で小浜漁港にある五右衛門というお店にやってきました。小浜市とオバマ氏ということで当時大統領だったオバマさんのイラストが描かれたターポリンが吊るされているのが目印です。トランプ大統領となった後もありました。

小浜漁港の五右衛門

五右衛門さんの場所はこちら↓です。

小浜漁港の五右衛門で海鮮丼を食べる

海鮮丼をチョイス。これがまた美味かった!

小浜漁港の五右衛門で海鮮丼を食べる

下流より堤体を望む

お昼ご飯の後に再び大津呂ダムに戻り、いくつか撮影して帰路についたところ、だしぇろさんから「すぐに戻って!!!!」と電話が。なんとJVの方に下流側を案内していただけることに。(以下写真は許可を得て撮影)

下流より堤体を望む

左岸より副ダムを望む

副ダムをゼロ距離で。

左岸より副ダムを望む

閉塞された常用洪水吐

常用洪水吐もこんなに間近で見られました。

閉塞された常用洪水吐

右岸のフーチングを望む

左岸側のフーチングはかなり独特な長さですが、右岸側はよく見かけるサイズ感です。

右岸のフーチングを望む

左岸より下流を望む

護岸工事と河道を整備の様子です。

左岸より下流を望む

下流より堤体を望む

下流は砂防のように段々になっているのがわかります。

下流より堤体を望む

大津呂ダム試験放流の動画

この時の様子を動画にしてまとめてみました。 まだまだ動画に撮り慣れていないのと、相変わらずカメラの内部にゴミが付着している上に、この日は風がかなり強く、クオリティとしてイマイチな内容ですが、試験放流のイメージだけでも伝われば幸いです。

辰巳ダムの試験放流から1ヶ月。大津呂ダムは辰巳ダムと比べても、規模としてはとてもコンパクトなダムではありますが、貴重な試験放流の様子を見られて、さらに日本海の海の幸も食べられて大満足でした。

大津呂ダム諸元

河川名佐分利川水系大津呂川
目的F(洪水調節、農地防災)、N(不特定用水、河川維持用水)、W(上水道用水)
型式G(重力式コンクリートダム)
堤高40.6m
堤頂長158.5m
堤体積75,000m3
流域面積1.6km2
湛水面積3ha
総貯水容量485,000m3
有効貯水容量430,000m3
ダム事業者福井県
本体施工者清水建設
着手年1989年
竣工年2011年
ダム湖名

大津呂ダムの地図

大津呂ダムの手前にゲートがありますが、獣害防止用のゲートですので、いったん開けてからゲート通過後に閉めればOKです。帰りも同様です。

その他の設備/所感

駐車場
トイレ
公園×
PR展示館×
釣り

大津呂ダムに近いと思われる宿泊施設

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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