取材日:2013/05/25(土)
新潟県の内の倉ダムでダム仲間が結婚式を挙げるということで中央道→長野道→上信越道→北陸道を通ってやってきました下条川ダム。早朝5時に到着。遠かった…。
管理所という名称なのかと思ったら…
下条川ダムの管理所かと思ったら、看板には「新潟県三条地域振興局地域整備部下条分室」となっています。管理している部署に違いはないのですが、管理所とはまた違った名称なのは珍しいと感じます。
右岸より堤体上流面を望む
下条川ダムは新潟県営のダムで洪水調節を目的としたダムで、クレストゲートが1門、ホロージェットバルブが1条というシンプル構成です。ダム地点で100m3/sの流量をカットし、基準地点(信越本線下条川橋梁付近)で調節前の280m3/sを190m3/sに抑えます。
右岸より天端を望む
ダム湖は自動車で一周できるため、天端は自動車の通行が可能です。
ゲートピア
パース付けすぎました💦 雪深いからか螺旋階段はカバーで守られています。ゲート巻き上げ機もむき出しではなく建屋になっています。
天端よりゲート巻き上げ機室を望む
ドーンと見上げる感じのゲートピアとゲート巻き上げ機室。
天端より下流を望む
雨が多いと右岸側が水没してしまうようです。左岸のコンクリート構造物にはΦ1,200mmのホロージェットバルブが格納されています。
天端よりクレストゲートを望む
クレストゲートは赤いローラーゲートとなっています。サイズは4.50x9.10m。
左岸より天端を望む
天端は自動車の通行が可能ですが4t以上のクルマは通行禁止でした。
左岸より堤体下流面を望む
シンプルな堤体なのですが、堤体規模に比してゲートが大きいためゲートピアもかなりの高さがあります。
左岸より堤体上流面を望む
早朝だったためかダム湖には少しだけ靄がかかって幻想的な雰囲気でした。早朝のダムのこういう風景ってなんかいいですよね。
下条川は小規模な河川ですが、ひとたび洪水が発生すると下流域で水害が発生する河川で、これまで何度も被災してきた地域だったそうです。
堤防を大規模に改修しようと思うと民家を移転させたり、田畑の面積を削る必要がありますが、そうすることなく「効果的に治水目的を達成できる」ということで下条川ダムが造られたそうです。(とはいえ近年は豪雨災害が各地で頻発していますので、大雨の際には下条川ダムが洪水を抑えている間に避難することを心がけましょう)
また、近くにはキャンプ場があり、自然学習館やビオトープ生態園やトンボ生態園も整備されています。さらにダム湖周辺は桜が植えられ、へら鮒釣り大会が毎年開催されるなど、地域に開かれたダムとして地域住民も愛される…そんな下条川ダムなのでした。
下条川ダム諸元
所在地 | 新潟県加茂市大字下条字祖坂 |
河川名 | 信濃川水系下条川 |
目的 | F(洪水調節、農地防災) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 31m |
堤頂長 | 138m |
堤体積 | 36,000m3 |
流域面積 | 6.1km2 |
湛水面積 | 22ha |
総貯水容量 | 1,530,000m3 |
有効貯水容量 | 1,100,000m3 |
ダム事業者 | 新潟県 |
本体施工者 | 加賀田組 |
着手年 | 1967年 |
竣工年 | 1973年 |
ダム湖名 | ― |
その他の設備/所感
駐車場 | ○ |
トイレ | ○ |
公園 | ○ |
PR展示館 | × |
釣り | ○(禁漁区を除く) |
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