岡山県のダム

1879-新成羽川ダム(しんなりわがわだむ)/ 岡山県

4.5
1879-新成羽川ダム(しんなりわがわだむ)/ 岡山県 岡山県のダム
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取材日:2015/2/18(水)

新成羽川ダムは中国電力が所有する重力式アーチダムで、戦後急速に発展した工業地帯への電力供給のみならず、工業用水の供給も担っています。新成羽川ダムは平日であれば事前申込で見学可能だということで、ダム愛好家仲間にお誘いいただき見学してきました。

新成羽川発電所PRホール

まずは新成羽川発電所PRホール内で説明を受けました。

会議室
会議室

新成羽川ダムの下流には田原ダムがあり、この貯水池とで揚水発電が行われています。また、田原ダムの下流には逆調整池ダムとして黒鳥ダムがあります。

発電所縦断面図
発電所縦断面図

クレスト放流が行われた時の写真が掲示されていました。ものすごい大迫力です。実際に見てみたい気もしますが、その時はきっと本気の豪雨でしょうから迂闊に近づけないんでしょうね。

クレスト放流の模様
クレスト放流の模様

発電所の内部がどうなっているのかがよく分かる模型です。

模型
模型

さらに発電機と水車部分を拡大した断面模型もあります。

発電機と水車の断面模型
発電機と水車の断面模型

いざ堤体下流面へ

PRホールを出て堤体下流面へと向かいますが、フランシス水車のランナーが展示されているのをじっくりと見ます。

ランナー
ランナー

さらにランナーの下に潜ってみます。

ランナー内部
ランナー内部

ランナーの中央を真下から見ています。なかなか見ないアングルです。

ランナー中央部
ランナー中央部

いよいよ新成羽川ダムの堤体下流面へと近づきます。朝方は冬空でしたが見事に晴れてくれました。

左岸より堤体下流面を見る
左岸より堤体下流面を見る

普段なら立ち入ることなどできない導流部。禁断の地に足を踏み入れています。それもオフィシャルに。来て良かった…

導流部より(!)堤体を見上げる
導流部より(!)堤体を見上げる

左岸に水圧鉄管と変電所が見えます。来て良かった…

右岸側導流部より左岸側を見る
右岸側導流部より左岸側を見る

似たようなアングルばかりで恐縮ですが、時間を忘れてずっとここにいたかったですね。来て良かった…

導流部より堤体下流面を見る
導流部より堤体下流面を見る

シュート部のギリギリ先端から下流を見ています。色々とあり得ないアングルです。来て良かった…

導流部より下流を見る
導流部より下流を見る

同行したダム愛好家仲間に撮ってもらいました。めちゃくちゃ記念になりました。来て良かった…

新成羽川ダムと神馬
新成羽川ダムと神馬

土砂吐だったと思いますが、8年前ですっかり忘れてしまっています。ちなみにこの時、ぼくが被写体になって撮ってもらった写真が日本ダム協会のフォトコン「第13回D-shot contest 最優秀賞」に選ばれています。ぼくが撮ったんじゃなくて撮られた側です。でもなんだか自分のことのように嬉しいですね。

土砂吐…?
土砂吐…?

いかにダムが巨大であるかを示す写真です。人物があんなに小さい。

導流部
導流部

こんなの絶対ありえないアングルです!!だって!!ここを水が流れるかも知れないんですよ!!!!(大興奮)

直下ギリギリから堤体を見上げる
直下ギリギリから堤体を見上げる

完全にカッコイイを超越してなんと表現して良いのか語彙が見当たりません。語彙力の問題ではありません。それを示す語彙がないのです。

導流部より堤体下流面を見上げる
導流部より堤体下流面を見上げる

堤体がカッコよすぎてガントリークレーンがモブキャラに見えてきます。

ガントリークレーン
ガントリークレーン

発電所内部へ

興奮冷めやらぬまま発電所の内部へと導かれていく一行。

発電所内部へ
発電所内部へ

発電所の玄関です。

新成羽川発電所
新成羽川発電所

発電所の内部です。一部で点検が行われていました。

発電所内部
発電所内部

貴重な写真の数々

建設時からの様子がわかる貴重な写真が多数展示されていました。

建設時の様子(昭和42年10月撮影)
建設時の様子(昭和42年10月撮影)
ダム計画地点とダム地点岩盤掘削状況
ダム計画地点とダム地点岩盤掘削状況
ダム地点作業中・建設初期
ダム地点作業中・建設初期
4本の水圧鉄管とダムと発電所
4本の水圧鉄管とダムと発電所
ダムと発電所と淡水前のダム(上流側)
ダムと発電所と淡水前のダム(上流側)
完成・新成羽川ダム
完成・新成羽川ダム
新成羽川ダム・田原ダム
新成羽川ダム・田原ダム
田原ダム・黒鳥ダム
田原ダム・黒鳥ダム
N04号ポンプ水車ケーシング
N04号ポンプ水車ケーシング
発電機室・N02号ローター吊込
発電機室・N02号ローター吊込

断面図

電動機の断面図。手書きなのがすごいです。

発電電動機断面図
発電電動機断面図

こちらはポンプ水車の断面図(左)。表や水車のイラストに「普通水車」と「ポンプ水車」と書かれているのは、1号機が通常の水力発電専用の水車で、2~4号機が揚水発電用の水車で汲み上げを必要とする可逆式だからですね。

78,000kWポンプ水車断面図
78,000kWポンプ水車断面図

どれが何号機なのかは失念しました。。。

発電機室
発電機室

事務室にハッピーエンジェルが!

ハッピーエンジェル!
ハッピーエンジェル!

続いて監査廊へ

引き続き監査廊へと案内していただきました。

監査廊へ!
監査廊へ!

右岸下部にある入口から入ります。

監査廊入り口
監査廊入り口

割りと乾燥していてきれいな監査廊でした。

監査廊
監査廊

奥に定礎石が埋め込まれていました。

定礎石
定礎石
資材搬入出口
資材搬入出口

再び外へ

発電所の資材搬入口の蓋です。ローラーで動くようになっていますが、これが開いているのを見たのは初めてだったかもしれません。

資材搬入口の蓋
資材搬入口の蓋

発電所で発電に使用された水が放流される箇所です。この日は点検中ということもあり放流されていませんでした。

発電所放流口
発電所放流口

発電におけるスイッチの役割を持つ遮断器。

遮断器
遮断器

PRホールに戻ってきました。

新成羽川発電所PRホールと堤体下流面
新成羽川発電所PRホールと堤体下流面

これにて見学会は終了。中国電力さま、ありがとうございました。

新成羽川発電所PRホール
新成羽川発電所PRホール

見学会を終え天端周辺を見学

見学会を終えてみんなで天端周辺を見学することにしました。下流から見ても大きかったですが、横から見ても大きな新成羽川ダムです。

左岸ダムサイトより堤体下流面を見る
左岸ダムサイトより堤体下流面を見る

天端は自動車の通行が可能です。重力式アーチということもありカーブになっていて、少し狭いので注意して通行する必要があります。

左岸より天端を見る
左岸より天端を見る

少し眺望は悪いですが堤体上流面になります。

左岸より堤体上流面を見る
左岸より堤体上流面を見る

左岸には撮影していませんが慰霊碑やお地蔵さまがあります。お地蔵さまは2014年のGoogleストリートビューにはなかったので最近になって建てられて(移設された?)もののようです。

お地蔵さまと堤体上流面
お地蔵さまと堤体上流面

機能満載な天端。一番手前が4号発電機用の取水口ゲートで鋼製キャタピラゲートになっています。1~4号機用のゲートは写真奥にあって予備ゲートがガントリークレーンで移動できるようになっています。

遮水ゲート・表面取水ゲート・4号取水口ゲート
遮水ゲート・表面取水ゲート・4号取水口ゲート

夜中に見たらビックリする注意看板。

あぶない!!立入らないで
あぶない!!立入らないで

天端から貯水池を見ます。手前のレールはガントリークレーン用のレールになります。

天端より貯水池を見る
天端より貯水池を見る

ヒヤッとする天端の隙間。誤って物を落とさないようにしましょう。

天端の隙間
天端の隙間

たぶんエレベーター棟だと思います。右手に階段なども見えますので、巡視ルートになっているのかもしれません。

エレベーター棟など?
エレベーター棟など?

右岸までやってきました。この先も狭隘な道路が続くようです。右の扉はリムトンネルでしょうか。

右岸のトンネル
右岸のトンネル

上の写真とは反対の天端方向を向いて撮影しています。

右岸より天端を見る
右岸より天端を見る

最後に右岸から。ここから離れなければならないのが辛いですが、色んな想い出をつくってくれた新成羽川ダムに感謝です。またいつか再訪しなきゃですね。

右岸より堤体下流面を見る
右岸より堤体下流面を見る

新成羽川ダム諸元

所在地岡山県高梁市備中町西油野
河川名高梁川水系成羽川
目的I(工業用水)
P(発電)
型式GA(重力式アーチダム)
堤高103m
堤頂長289m
堤体積430,000㎥
流域面積625.2km2
(直接:615.7km2、間接:9.5km2)
湛水面積360ha
総貯水容量127,500,000㎥
有効貯水容量80,500,000㎥
ダム事業者中国電力(株)
本体施工者前田建設工業
着手年1963年
竣工年1968年
ダム湖名備中湖 (びっちゅうこ)

その他の設備/所感

駐車場というより左岸道路に広いスペースがあるので、一般的な見学の場合はここに駐車することになると思います。トイレはPRホールにありますが、通常は利用できないので×としています。

駐車場
トイレ×
公園×
PR展示館○(要申込。2023年9月現在休館中)
釣り
展望台×

新成羽川ダム周辺の地図

新成羽川ダム周辺の天気

新成羽川ダムに近いと思われる宿泊施設

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この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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