取材日:2015/06/03(水)
桐生川ダムは群馬県桐生市にある重力式コンクリートダムです。ダム湖である梅田湖と周辺公園が整備されており、映画やドラマのロケ地としても知られています。今回は実際に現地を訪れ、展望台や堤体、周辺施設を見学してきました。
桐生川ダムはこんな人におすすめ
- ダム観光初心者
- 群馬県のダム巡りをしたい人
- 映画やドラマのロケ地巡りが好きな人
- 群馬県でドライブスポットを探している人
- 梅田湖周辺を散策したい人
- 展望台からダムを眺めたい人
まずは右岸から
自分でも驚くぐらい記憶がないのですが、恐らく右岸の駐車場から見た堤体だと思います。それにしてもなかなか雨が止みません。

この先は自家用車の通行が禁じられていますので徒歩で向かいます。時間はまだ7時台のためダムカードをいただきに管理所を訪れることはしませんでした。

堤頂長264m。雨の降る中を渡るのかちょっと悩ましいですが…

うっかり見落としてしまいそうなところに定礎石があります。

天端へ
桐生川ダムのダム湖名は「梅田湖」。桐生市梅田町に由来すると思われますが、その梅田町もかつて存在した「梅田村」に由来し、「梅原」という古い小字も存在します。ここは平安時代末期から中世にかけて桐生六郎などの武将が居館を構え、桐生氏発祥の地となった歴史あるエリアです。
さらに明治時代からはこの地域で梅の木の栽培が本格的に始まり、栽培された梅は「甘露梅」と称して販売され、地域の名産品となっていたようです。
雨が降る中、見学を続行します。ぼくが訪問したのは平日の朝7時台。雨が降り続くあいにくの天気でしたが、濡れたコンクリートの堤体や靄がかかる梅田湖は幻想的で、晴天時とは違った魅力を感じました。

そういえば桐生川ダムは2020年にNHKで横山秀夫原作のドラマ「ノースライト」でロケが行われています。当時、主人公のルートをマニア目線で追ってました(笑)
それにしても主人公の青瀬さん、貯水池の橋を渡ってるということは、佐野田沼ICで降りてr66からアプローチしてると思うんだけど、わざわざ堤体を過ぎて下流から堤体を拝んだ上で天端に向かってるあたり、さすがダム建設作業員の父親を持つ息子さん。きっと相当なダム愛好家に文字数#ノースライト #NHK https://t.co/epWVMw751E
— ダムペディア :: Dampedia【公式】 (@dampedia) December 19, 2020
他にも吉高由里子主演映画「ユリゴコロ」のクライマックスシーンでも桐生川ダムが登場したようです。
桐生川ダムは要所要所にこうした解説パネルが設置されています。ダムビギナーにやさしいダムです。

立派な表面取水設備です。高さ32.47m、幅2.5mで、多段式(6段)のローラーゲートを備えています。

もちろん表面取水設備にも解説パネルがちゃんとあります。

メッシュになっているので表面取水設備の内部が丸見え。これなら理解も深まりますね。めっちゃ怖いけど。

左岸へ
結局、雨が降る中、対岸まで徒歩できてしまいました。徒歩でしか来れませんが。ちなみに右岸には高台があって堤体が俯瞰で見られるポイントの展望台になっているようです。また再訪せねば。

ご覧の通り天端は自家用車の通行が禁じられています。

桐生川ダムはオーソドックスな自治体型デザインの堤体で、クレストは自由越流式ですが、それにしても導流壁が薄くて低い。越流しても豪快に流れるというよりはサラサラ流れる感じでしょう。

再び天端へ
松田川ダムと違って下流は親水公園にはなっていません。下流直下の右岸に見える建屋は県営の桐生川発電所。最大出力は470kwです。制水弁やガイドベーンは油圧式ではなく電動式だそうです。
左岸の3つの月形の植栽(写真左下)は群馬県旗の意匠のようです。3つの月形は上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)を表しているんだとか。これを調べている時に県の花がレンゲツツジだと気づいたのですが、もしかしたらその奥の逆L字の植栽も含めてレンゲツツジで構成されているのかもしれません。
さらに右岸の高台にあるのはダムとは無関係の施設ですが、「梅の郷」という特別養護老人ホームです。ぼくもお世話になることがあったら、こんなダムがすぐに見える老人ホームで余生を過ごしたいものです。

再び右岸
艇庫+展望台の建屋に掲示されたスペック表には堤体の正面図と断面図が書かれていますが、これがまためちゃくちゃ詳細に書かれています。監査廊は括弧書きで「グラフトギャラリー」と書かれていますが初めて聞いた言葉です。グラウト用の横坑をそのまま監査廊にしたようにも見えますので、「グラウトギャラリー」の間違いな気もしますが未確認です。
あと上の地図が見切れてしまっていますが、桐生川ダムの上流には、公園があったりボート乗り場があったりと、観光地化がなされているようです。

展望台としてこれはこれで悪くないんですが、やはりもっと高い位置から堤体下流面を捉えたいですね。

例によって業務外の時間のためダムカードはいただきませんでした。

下流へ移動
初夏、梅雨、雑草が生い茂る季節です。ただ雨でも靄がかかったり、しっとりと濡れた堤体も案外と雰囲気が良かったりします。

下流直下までやって来ました。堤体の真ん中にオリフィスゲートが備わっています。高さ3.2m×幅4.0mのラジアルゲートとのことです。自由越流式のゲートもズラッと並んでいるのですが、いかんせん眺望が良くないのであまりズラッと感が出ません。

上の写真、副ダムの左に謎のトンネルが。恐らく建設時の仮排水路トンネルだと思われます。出口は完全に閉塞せずにフェンスで塞がれていました。右手に角落しの溝も見えます。

もっと堤体に近づきたいところですが、先ほどの場所が精一杯でした。

映画やドラマのロケ地に使われ、観光地化もされている桐生川ダムでした。
桐生川ダム諸元
| 所在地 | 桐生市梅田町 4丁目 |
| 河川名 | 利根川水系桐生川 |
| 目的 | F(洪水調節、農地防災) N(不特定用水、河川維持用水) W(上水道用水) P(発電) |
| 型式 | G(重力式コンクリートダム) |
| 堤高 | 60.5m |
| 堤頂長 | 264.0m |
| 堤体積 | 293,000㎥ |
| 流域面積 | 42km2 |
| 湛水面積 | 62ha |
| 総貯水容量 | 12,200,000㎥ |
| 有効貯水容量 | 11,300,000㎥ |
| ダム事業者 | 群馬県 |
| 本体施工者 | 鹿島建設・佐田建設・大成建設 |
| 着手年 | 1972年 |
| 竣工年 | 1982年 |
| ダム湖名 | 梅田湖(うめだこ) |
その他の設備/所感
| 駐車場 | ○ |
| トイレ | ○ |
| 公園 | ○ |
| PR展示館 | × |
| 釣り | × |
| 展望台 | ○ |
桐生川ダム周辺の地図
桐生川ダム周辺の天気
桐生川ダムのロケ地情報
桐生川ダムは映画やドラマのロケ地としても利用されています。
- NHKドラマ「ノースライト」
- 映画「ユリゴコロ」
作品を知っている方は、劇中に登場した風景を探しながらダム見学を楽しむこともできます。
桐生川ダムに近いと思われる宿泊施設
桐生川ダム周辺には梅田湖や桐生市街地の観光スポットも点在しています。ダム見学と合わせて桐生市内で宿泊し、周辺観光を楽しむのもおすすめです。特に朝夕はダムや湖面の景色が美しく、日帰りでは味わえない魅力があります。また、群馬県東部のダム巡りの拠点として利用するのもおすすめです。






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