取材日:2013/3/24(日)
七色ダムまで出来上がったダム愛好家ヘルメットを取りに行くというミッションのため、それまでにいくつかダムを巡ろうということでやって来た最初のダムがこの一の木ダムです。
五條市と西吉野村の看板
「西吉野村」はかつてあった村で、2005年に五條市に編入しています。看板がどちらも同じ方向に向いていますが、橋の向こうが五條市で手前が西吉野村だったようです。また川や道路沿いに境界線が引かれていると思っていたのですが、この近辺の境界線は何というか…よく分からない線です。
五條市になったこの時も西吉野村の看板がなぜそのまま設置されているのかも謎です。2019年10月に撮影されたGoogleストリートビューを見ると、看板の方向は直っていましたがまだ取り付けられていました。
ちなみに旧吉野村の境界は「Geoshapeリポジトリ – 幾何データ共有サイト」内の下記ページを見て現在の地図と比較すると良いかもしれません。
左岸より堤体下流面を望む
境界線を振り返ると一の木ダムの堤体が見えます。朝7時を過ぎたばかりだったためやや暗いです。減勢工の規模が大きく左岸に建物があって堤体の全容が見えにくいのがちょっと残念。
一の木ダム揚水機場
受益地に供給するための揚水機場。かなり大きな規模のようです。
左岸展望台より堤体下流面を望む
天端レベルまで上がってきました。東屋のような展望台があり、少し高い位置から堤体を見ることができます。
左岸展望台を望む
左岸は公園になっておりかなり整備されています。
左岸より堤体上流面を望む
ほぼ満水の状態でした。3月下旬頃でしたので、これから必要になる水をいっぱい貯めているといったところでしょうか。(非灌漑期のはずですが…)
左岸より天端を望む
天端は車両の通行が可能になっています。
取水設備
灌漑期(7/1~9/15)は最大0.696m3/s、非灌漑期(9/16~翌6/30)は最大0.244m3/sを取水して1年に最大で1,724,000m3を取水するそうです。
ちなみに一の木ダム周辺は柿の一大産地のため、米どころの灌漑期から数ヶ月後ろにズレます。柿のための水ですから柿用水ですね。
下市町の花 マツバボタン
天端高欄には吉野周辺自治体の花や木などレリーフが飾られています。
五條市の木 くすのき
こちらは五條市の木。
天端より下流を望む
越流した跡が見えます。前日まで越流していたのかもしれません。
管理所と右岸フーチング入口
管理所の規模も大きなものです。ちなみに管理所の手前にある小さな建物はトイレです。フーチングは立入禁止です。
右岸より堤体下流面を望む
クレストゲートは主流の自由越流式です。
右岸のダム湖に架かる橋(出逢橋)よりダム湖を望む
ダム湖の中央を分断するように橋が架けられています。
ダム湖に架かる橋(出逢橋)より堤体上流面を望む
下流以外は割りと堤体を望める場所があって良いですね。
右岸ダムサイト
「柿博物館」の看板があります。「柿博物館」は柿を模したドーム型の建物だそうです。外観だけでも撮影すればよかったのですがスルーしてしまいました。
水利使用標識
あまり見ないデザインの水利使用標識です。
右岸より天端を望む
堤体のデザインは自治体タイプの重力式コンクリートダムですが、見学ポイントがそこそこ多くて楽しめる一の木ダムでした。
一の木ダム諸元
所在地 | 奈良県五條市西吉野町 |
河川名 | 紀の川水系古田川 |
目的 | A(かんがい用水) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 38.4m |
堤頂長 | 150m |
堤体積 | 65,000m3 |
流域面積 | 6.9km2 |
湛水面積 | 14ha |
総貯水容量 | 1,570,000m3 |
有効貯水容量 | 1,400,000m3 |
ダム事業者 | 近畿農政局 |
本体施工者 | 奥村組・森組 |
着手年 | 1974年 |
竣工年 | 1995年 |
ダム湖名 | ― |
その他の設備/所感
駐車場 | ○ |
トイレ | ○ |
公園 | ○ |
PR展示館 | × |
釣り | × |
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