取材日:2013/05/26(日)
胎内第二ダム、大石ダム、岩船ダムと来て、ついに山形県に初上陸しました。本音を言えば横川ダムにも行きたかったのですが、さすがに翌日は仕事なので愛知までの移動を考えると赤芝ダムが今回最後の訪問地とせざるをえませんでした。
左岸より堤体上流面を望む
残念ながら立入禁止。左に写っているのは国道113号のスノーシェッド。
立入禁止ゲートより堤体上流面を望む
見た目の印象としてダムと言うよりはコンクリート打ちっ放しの安藤忠雄設計の建築物のように見えなくもないです。また、ゲート上部にある「COVALENT」の看板デザインが、全体的にヨーロッパな雰囲気を漂わせます。
「COVALENT」は聞き慣れない名前ですが、この赤芝ダムを所有する会社は少々複雑です。まず、小国町に電気製品を製造する工場を電気金融株式会社が建設し、戦後電力を増強するために赤芝ダムと赤芝発電所を建設。
その後、電気金融株式会社は東芝の傘下に入り東芝電興株式会社となります。東芝電興は東芝炉材と合併して東芝セラミックス株式会社となります。それまで製造していた電気製品もシリコンウェハーや半導体製造装置も製作するようになり、事業規模拡大に伴い電力の増強を図り第二赤芝発電所が増設されます。
さらに東芝セラミックス株式会社は東芝の傘下ではなくなり、コバレントマテリアル株式会社(現・クアーズテック株式会社)に社名を変更します。
2010年2月にはコバレントマテリアル株式会社から赤芝水力発電株式会社として新会社が設立され、さらにコバレントマテリアルは赤芝水力発電の株式の一部を他の事業者に売却して連結対象外となったため、クアーズテックの子会社ではなくなります。(売却先は非公開のため不明)
ちなみに赤芝ダムは山形県で最初で唯一の民間企業が所有するダムだそうです。
社名変更の経緯だけでかなりの行を使ってしまいましたが、それだけ複雑な経緯をたどっているのです。
左岸の国道113号
それよりももっといい撮影ポイントはないかと探しますが、国道も歩道がなく結構こわいです。幸い交通量が少なかったのですが、少ない分慢心運転しているドライバーもいそうで…。ただ、ぼくの住む名古屋ナンバーエリアと比べて穏やかな地域性なのか、そこまでスピードを出すようなクルマはいなかったように思います。
左岸の国道より赤芝発電所と赤芝ダムを望む
コバレントマテリアルから社名が変わって数年が経っていますが、この時はまだ「COVALENT」の看板が掲げられたままだったようです。その後、2015年になって看板を外したようです。下流に行くと第二赤芝発電所があります。
左岸の国道より堤体下流面を望む…
残念ながら草木が生い茂ってほとんど見えません💦
放流してるっぽいのに残念。
県道15号より堤体上流面を望む
国道から分岐した県道15号は玉川沿いに走らせるため、国道とJR米坂線をくぐらせるためハーフループ橋(と言って良いのかな?)のような橋が荒川の上に架かっており、そこからなんとか堤体上流面をやや正面から捉えることができます。
ちょっと文章だと説明が難解になってしまうのですが、こういうことです↓
それにしても上の写真の左手手前より玉川という川が荒川と合流するのですが、なんだか河川名だけ東京みたいですね(笑)
これで内の倉ダムでの結婚式参列のための新潟(+山形)ダム巡りは全基終了となります。新潟はまだまだ魅力的なダムがいっぱいありますので、また当サイトでご紹介できればと思います。
赤芝ダム諸元
所在地 | 山形県西置賜郡小国町大字玉川字時巣沢 |
河川名 | 荒川水系荒川 |
目的 | P(発電) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 31.8m |
堤頂長 | 57.3m |
堤体積 | 15,000㎥ |
流域面積 | 736.8km2 |
湛水面積 | 23ha |
総貯水容量 | 2,078,000㎥ |
有効貯水容量 | 1,632,000㎥ |
ダム事業者 | 赤芝水力発電株式会社 |
本体施工者 | 熊谷組 |
着手年 | 1953年 |
竣工年 | 1954年 |
ダム湖名 | ― |
その他の設備/所感
駐車場 | × |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ? |
赤芝ダム周辺の地図
赤芝ダム周辺の天気
実際に泊まった宿泊施設
※「月岡ニューホテル冠月」でしたが、2018年4月にホテルエリアワングループに入り、名称も変わったようです。
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