取材日:2014/04/20(日)
栗柄ダムはもともと西紀ダム(にしきだむ)という名称で建設が進められたダムです。栗柄地区の洪水調節、上水道用水、そして流水の正常な機能維持が目的とされた重力式コンクリートダムとなります。
栗柄という地名は源平合戦(治承・寿永の乱)で有名な倶利伽羅峠の戦いとは関係ありませんが、近くに倶利伽羅不動があることから付けられた地名のようです。
ちなみに栗柄地区はとても興味深い地形をしています。
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栗柄ダムの東部には鼓峠がありますが、その北部は宮立川として日本海へ流れ、南部は宮田川となって篠山川・加古川を経由して瀬戸内海へと流れる分水界なのです。
さらに栗柄ダムを流れる杉ヶ谷川は上流にある杉ヶ谷池を水源としていますが、南下して宮田川に合流しそうなところを観音堂あたりで流路をいきなり西に向け、倶利伽羅不動の滝を下り、滝の尻川・竹田川・由良川へと合流して日本海に注ぐようになっています。
こうした地形は約2年前に河川争奪によって形成されたと言われ、杉ヶ谷川と宮田川の2つの河川が谷の中の平地で百数十メートルにまで接近しながらも合流することなく、杉ヶ谷川は由良川水系として日本海へ、宮田川は加古川水系として瀬戸内海へと流れる中央分水界となっています。(ちなみに「河川争奪」とは人間がその水を奪い合うものと勘違いしている人もいますが、あくまで自然な地理的現象のことです)
この2つの河川を見通せる位置にあり、しかも2つの中央分水界が1つの地区にあるという国内でも稀有な地区というのが栗柄地区の特徴です。分水界が谷の中にあるため谷中分水界(こくちゅうぶんすいかい)と言いますが、地区では「くりから谷中分水界」と称して看板が立てられています。
ちなみに国土交通省のデータでは杉ヶ谷川の源流からは老ヶ谷川とされ、栗柄ダムの貯水池上流端あたりからは滝の尻川となっており、杉ヶ谷川の名称はどこにもないのですが現地の看板を元に表現しております。あらかじめご了承ください。
堤体下流面を見る
そんな地理にある栗柄ダムは訪問した2014年はすでに本体の工事を終えて試験湛水中だったはずなのですが、周辺整備がまだ終わっていなかったためか残念ながら立入禁止となっていました。あれから再訪を果たせていませんが必ずや再訪したいと思います。
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単管フェンスから堤体下流面を見る
指を咥えて単管フェンスから堤体下流面を見ます。
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ズームアップして堤体下流面を見る
クレストゲートに自由越流式が2門、左岸にこちらも自由越流式のオリフィスが1門ありますが、中央ではなく左岸側に付属してるのは珍しい形ですね。導流壁もなくえらくすっきりとした印象の下流面です。
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オリフィスゲート
試験湛水中のためオリフィスには仮設のゲートが取り付けられているのが見えます。
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クレストゲート
試験放流は残念ながらいつの間にか終わっていて見逃してしまいましたが、どんな越流が見られたのでしょうか。
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県道509号の下をくぐる
上の写真までは付替道路の県道509号から見ていますが、堤体下流面へと通じる道に移動してきました。こちらは旧道だったのでしょうか。
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ボックスカルバート越しに堤体下流面を見る
安全に配慮されているかと思うと致し方ありませんが、目と鼻の先なのにお近づきになれないのは悲しいですね。
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さらに望遠で堤体下流面を見る
堤体は地上に対してあまり角度をつけずに垂直に近い形で建っているようにも見えますが、堤高が低いからそう見えるだけかもしれません。やはり早く現地を再訪しないといけませんね。また、この時は下流広場を造成している最中だったようです。屋根のない状態の東屋も見えますね。
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ほぼ分水界の説明のみになってしまいましたが、再訪したらこのページに情報や写真を追記したいと思います。なんにせよ2015年から丹波篠山市を守る一員として新たに加わった栗柄ダムでした。
栗柄ダム諸元
所在地 | 兵庫県丹波篠山市栗柄 |
河川名 | 由良川水系滝の尻川 |
目的 | F(洪水調節、農地防災) N(不特定用水、河川維持用水) W(上水道用水) |
型式 | G(重力式コンクリートダム) |
堤高 | 26.7m |
堤頂長 | 172m |
堤体積 | 38,000㎥ |
流域面積 | 1.1km2 |
湛水面積 | 4ha |
総貯水容量 | 383,000㎥ |
有効貯水容量 | 356,000㎥ |
ダム事業者 | 兵庫県 |
本体施工者 | 前田建設工業・ウエダ建設 |
着手年 | 1994年 |
竣工年 | 2015年 |
ダム湖名 |
その他の設備/所感
駐車場 | ○ |
トイレ | × |
公園 | ○ |
PR展示館 | × |
釣り | ○? |
栗柄ダム周辺の地図
栗柄ダム周辺の天気
栗柄ダムに近いと思われる宿泊施設
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