所在地:長野県木曽郡大桑村大字野尻字勝井坂
取材日:2011/01/27(木)
左岸より堤体を望む
久しぶりに長野県のダムの登場です。木曽川本流のダムでも久しくこのダムの存在を知らず、しかも国道19号線をよく通る割には国道からのアプローチが分からず半ば放置していたダムでもあります。ダム日本のグラビア掲載のための取材を兼ねて訪問しました。
さて、このダム。ある意味で難読ダムです。パッと見は「どくしょ」と読んでしまいそうですが「よみかき」が正解です。
少し下流側に移動して左岸より堤体を望む
読書ダムは関西電力所有のダムで、桃介は読書ダムの建設には直接携わっていませんが、読書発電所には携わっており、当時は水路式の発電所だったと思われます。元々は大同電力時代に私が尊敬する電力王・福澤桃介に若干ゆかりのあるダムでもあります。
読書発電所の建屋は当時の趣を残しており、周辺にも柿其水路橋や発電所建設時に資材運搬用に建設された桃介橋など、見どころが多いのも特徴です。下にそれらの施設の写真を掲載します(発電所の写真はございません)。
なお、読書発電所一帯の施設として発電所本館建屋、柿其水路橋、桃介橋は国の重要文化財に指定されています。
福澤桃介記念館(旧福澤桃介別荘)
読書発電所建設時に桃介が住んでいた別荘です。大井発電所が完成する大正13年まで桃介とその愛人川上貞奴が頻繁に滞在していたそうです。昭和35年に2階部分を火災で消失しますが、平成9年に復元して今の姿になっているとのことです。
開館日:3月中旬~11月末(9:30~16:30)
休館日:毎週水曜日、冬期(12/1~3月中旬)
入館料:山の歴史館とセットで大人300円(中学生150円、小学生以下無料)
TEL:0264-57-4166
桃介橋
福澤桃介記念館(旧福澤桃介別荘)のすぐ近くにある読書発電所建設時に資材運搬用に架けられた橋です。
柿其水路橋
読書発電所への導水路として利用されているのがこの柿其水路橋(かきぞれすいろきょう)です。なんともモダンな感じの水路橋です。
左岸より取水口を望む
ここで取水された水は柿其水路橋を通るのでしょうかね?
右岸にある取水口のローラーゲート
右岸に来ました。ダム周辺は関係者以外立入禁止で天端も通行できないため、グルっと上流の橋まで移動して回り込むことになります。ローラーゲートは関西電力らしい、いわゆる「関電ブラック」のゲートです。
天端の作業員
この日は工事をしていました。何の工事かは工事看板を見逃したため分かりませんが、作業員の方が多くいました。
右岸ダムサイトにあるローラーゲート
うーん。中に入りたい・・・(笑)
右岸よりダム湖側の堤体を望む
ダム湖側もこれが限界です。うっかりするとダム湖に転落しかねませんので、見学の際は気をつけて見学してください。
右岸よりダム湖側の堤体をズームアップ
クレストゲートは5門あるようです。
読書ダム管理所
この日は作業員の方が多かったので人の気配が多かったですが、実際には無人での運用でしょうかね。
右岸よりダム湖を望む
もう少し桃介の息吹を感じると良いんですが・・・。
読書ダム諸元
河川名 | 木曽川水系木曽川 |
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目的 | 発電 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 32.1m |
堤頂長 | 293.8m |
堤体積 | 76,000m3 |
流域面積 | 1341.8km2 |
湛水面積 | 51ha |
総貯水容量 | 4,358,000m3 |
有効貯水容量 | 2,677,000m3 |
ダム事業者 | 関西電力(株) |
本体施工者 | 間組 |
着手年 | 1958年 |
竣工年 | 1960年 |
その他の設備/所感
駐車場 | × | 発電専用のダムなので安全上やセキュリティ上などの観点からか 見学できるようにはなっていません。 立入禁止は立入禁止ですので、ルールを守って見学しましょう。 |
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トイレ | × | |
公園 | × | |
PR展示館 | × | |
釣り | ×? |
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