富山県のダム

0838-神三ダム/じんさんだむ(神通川第三ダム/じんつうがわだいさんだむ)

3.5
0838-神三ダム/じんさんだむ(神通川第三ダム/じんつうがわだいさんだむ) 富山県のダム
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取材日:2013/08/03(土)

神通川三兄弟の三男坊の神三ダムです。神通川最下流に位置するダムとなります。

左岸より堤体上流面を見る

堤体からは少し離れた位置になりますが、上流面を捉えることができます。

ちなみに写真を改めてチェックしていていまさら気がついたのですが、左手の道の奥にある設備は神三ダムの予備ゲートになります。訪問当時はまったく知識がなかったため神三ダムとはまったく無関係のものだと思っていたのですが、徳島県にある川口ダムや静岡県の秋葉ダムと同様に、貯水池にゲートを浮かべて堤体まで曳航する浮きゲートとも呼ばれるものになります。

左岸より堤体上流面を見る
左岸より堤体上流面を見る

この写真を改めて見たときには農業用水の取水口かな?と思い国土地理院の地図を見たりしますが、水路らしきものも何もなく、脳内にクエスチョンマークが浮かんでいたのですが、Google Mapsのストリートビューを見てハッと気が付きました。

扉体は岸辺にあるものの他に左側に2つ置いてあります。また、奥には曳航するためのものなのかボートも置かれています。

さらに近づいて左岸より堤体上流面を見る

三男らしく堤高は15.5mと3人の中でも一番小さなダムです。

さらに近づいて左岸より堤体上流面を見る
さらに近づいて左岸より堤体上流面を見る

左岸より堤体下流面を見る

小さなダムであっても神一ダム・神二ダム同様になかなかの渋さです。金属部分がすべて茶色で統一されているのも同じですね。

左岸より堤体下流面を見る
左岸より堤体下流面を見る

取水口から取り込まれた水

左岸側から取り込まれた水は暗渠化された水路を通って、直線距離にして約1.7km下流にあるその名も神通川第三左岸発電所で最大7,100kWの発電に利用されます。左岸にあるから神通川第三左岸発電所。分かりやすい名称です。

取水口から取り込まれた水
取水口から取り込まれた水

天端より沈砂池を見る

天端は徒歩での通行が可能です。上の写真の場所を上から見下ろしているようなイメージです。

天端より沈砂池を見る
天端より沈砂池を見る

左岸より天端を見る

神三ダムは徒歩で対岸に渡ることが可能になっています。神三ダムもきっと神一ダム・神二ダム同様に地元の方に人道橋として利用されていることでしょう。

ちなみに写真の位置から対岸となる右岸には春日温泉があり「大沢野ウェルネスリゾート ウィンディ」という温泉・プール・バーデ・トレーニングジムなどがある複合施設があります。

左岸より天端を見る
左岸より天端を見る

天端より貯水池を見る

神三ダムは上流側にゲート巻き上げ機などがあるため天端から貯水池を直視することはできませんが、もっとゲート巻き上げ機とか撮影すべきでしたね💦

天端より貯水池を見る
天端より貯水池を見る

天端より放流しているゲートを見る

1門だけ放流していましたので、ゲートを真上から見下ろしてみました。

天端より放流しているゲートを見る
天端より放流しているゲートを見る

神三ダム放流動画

神三ダムの放流の模様は動画にも収めてみました。1分弱の短い動画ですが雰囲気だけでも伝われば幸いです。

天端より下流を見る

まさにこの辺りから富山平野が広がるわけですが、神通川の流路を見るとかなり蛇行しているため、過去にどれだけ水害が発生していたのか地形が物語っています。

天端より下流を見る
天端より下流を見る

右岸寄りの天端より貯水池を見る

神三ダムには神通川第三左岸発電所とは別に実はもうひとつ右岸側に発電所があって、こちらはダム式で神通川第三発電所という名称になっています。

さらに、右岸から取水された水が農業用水の大久保用水と新保用水を合口化(複数の取水口を一つにまとめて各用水に適量を配水すること)した水路を経由し、直線距離で3.6km下流にある大久保発電所で最大500kWの電気を生み出します。

その右岸(写真左側)に取水口が見えます。手前は神通川第三発電所への取水口のようですが、上流側(奥側)の取水口はもしかしたら大久保用水と新保用水の合口用水のための取水口なのかもしれません。(未確認)

右岸寄りの天端より貯水池を見る
右岸寄りの天端より貯水池を見る

ちなみに大久保発電所は明治32年(1899年)に富山電燈株式会社によって建設された富山県初、全国でも3番目の水力発電所であり富山市内に初めて電気をもたらしたという発電所になります。さらに大久保発電所で利用された水は、前述の新保用水に利用されるため、とても合理的かつ経済的に神通川の水が利用されています。

右岸の階段より堤体下流面を見る

天端通路の下部がトラスで組まれている点が、この神三ダムをより味わい深く引き立てているように思います。天端通路までコンクリートだったら、そこまで萌えなかったかもしれません。

右岸の階段より堤体下流面を見る
右岸の階段より堤体下流面を見る

右岸の階段より沈砂池を見る

やっぱり手前側が発電用で奥が農業用水の取水口のような気がします。ここでも車中に家族を置いてきているので、ここで引き返してしまったのですが、改めて右岸側はしっかりと見ておきたいなと思いました。

右岸の階段より沈砂池を見る
右岸の階段より沈砂池を見る

コンクリートのゲートピアとアイアンの天端通路の見事なコラボレーションで見学者を楽しませてくれる神三ダムでした。

神三ダム諸元

所在地富山県富山市須原
河川名神通川水系神通川
目的P(発電)
型式G(重力式コンクリートダム)
堤高15.5m
堤頂長242m
堤体積23,000㎥
流域面積2,063km2
湛水面積26ha
総貯水容量1,455,000㎥
有効貯水容量806,000㎥
ダム事業者北陸電力
本体施工者前田建設工業
着手年1953年
竣工年1954年
ダム湖名

その他の設備/所感

駐車場は左岸に止められるスペースが何箇所かあります。公園については右岸に春日健康ふれあい公園がありますが、ダムの付帯設備ではありませんので×としています。釣りに関しては神三ダムの下流端から、右岸同ダム下流端から下流360メートルの地点と、左岸同ダム下流端から下流570メートルの地点とを結んだ線までの区域は禁漁区となっているようです。

駐車場
トイレ×
公園×
PR展示館
釣り○(禁漁区を除く)

神三ダム周辺の地図

神三ダム周辺の天気

神三ダムに近いと思われる宿泊施設

ちなみにこの日、実際に宿泊した施設は下記になります。

この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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