岐阜県のダム

1110-大黒谷ダム/おおくろだにだむ

岐阜県のダム
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取材日:2011/7/3(日)
所在地:岐阜県高山市荘川町尾上郷字大黒谷185-2

集合場所のひるがの高原スキー場

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(6年前の話でとても恐縮ですが)電源開発様のご厚意で、本来は立ち入りが禁止されている大黒谷ダムや白水ダムを見学させていただくことになりました。集合場所はひるがの高原スキー場でした。

写真には今では会うことも叶わない方や、その方が所有されていた車がチラッと見えますね。

大黒谷林道ゲート

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目指す大黒谷ダムは通行が禁止されている林道の奥にあります。

大黒谷林道開門!

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ついに禁断のゲートが開かれます。

右岸より下流側の堤体を望む

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林道を進むと堤体が突然現れます。この辺りのロックフィルダムらしく、リップラップが黒っぽいのが特徴です。また、堤体が大きくカーブしていることにも注目ですね。

天端よりダム湖を望む

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上流に民家も何もないのでダム湖はとても綺麗です。それもひっそりとしています。

右岸より天端を望む

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人が通ることが想定されていないので、天端にはフェンスも何もありません。

大黒谷ダム石碑と電源開発パトロールカー

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トヨタのサーフとプラドがパトロールカーでした。林道は舗装路ではありましたが、悪路になることも想定しているんだと思います。雪もすごそうですしね。ただ、このダムは冬場は車では来ることが出来ません(後述)。

右岸より導流部を望む

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導流壁はそれほど高くない感じです。

右岸より取水口を望む

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この建物で取り入れた水を発電所まで送られます。また、この建物は管理所も兼ねており、普段は無人ですが道が崩れて戻れなくなった際など、緊急時に利用されるそうです。そのため食料も備蓄されているんだとか。

ダム湖に水が流れ込む放流口

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周辺の谷から取水された水が、この放流口を経由してダム湖に流れ込みます。

慰霊碑

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ひっそりと佇む慰霊碑です。

洪水吐を望む

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扇形をした自由越流式の洪水吐です。ほとんどが発電用の取水口に流れるため、ここから流れることはあまりないかもしれません。

洪水吐から下流を望む

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スキージャンプ式の洪水吐です。

左岸より下流側の堤体を望む

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堤高は34m、堤頂長は140mですが、かなり大きく感じます。

左岸より下流を望む

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下流はまさに自然そのもの。副ダムや減勢工もありません。

何だったっけ・・・

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監査廊の入口だったと思いますが…取材日からかなり経ってしまって忘れましたw

左岸より天端を望む

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今回案内していただいた電源開発の職員さんです。

てんばのけむし

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毛虫が天端を歩いていました。

天端の構造物

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6年前のことなので、これが何だったのかすっかり忘れてしまいました…。堤体の歪を計測する構造物だとは思いますが…。すみません…。

散弾銃の薬莢・・・

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狙った獲物はクマですかね。それともシカですかね。

右岸より天端と立ち入り禁止看板を望む

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天端は立入禁止です。というより林道自体が通行禁止なんですけどね。

大黒谷ダム概要看板

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とても古い看板です。建設当時から設置されているのかもしれません。

放流注意看板

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比較的新しい放流注意看板。立入禁止でも法令上設置しなければなりません。「人はいないだろう」ではなく「人がいるかもしれない」という前提です。

いざ下流側へ

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下流側から堤体を見上げさせていただけることになりました。

密林を進む

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獣道のような階段を降りていきます。

下流より堤体を望む

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ここまで見せていただけるなんて、すばらしいです。ありがたいです。

リップラップ

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荒々しい捨石工によるリップラップです。

下流の様子

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重機で掘ったり均した跡があります。が、どうやって下流までおろしたのでしょうか。

下流より導流壁を望む

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貴重なアングルです。この先また見ることがあるのでしょうか。

下流より堤体・リップラップを望む

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下流から見てもアーチっぷりがよくわかります。

下流を望む

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スキージャンプの先端です。

直下の構造物

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通路は一般見学用ではなく、あくまで巡視が目的のものですので、足場も悪くフェンスもありません。

吹き流し

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このダムは冬場は雪深くなるため、パトロールカーでたどり着くことは出来ません。では冬場はどうするのかというと、ヘリコプターなのだそうです。天端にヘリポートがあり、この吹き流しはそのためのものになります。

ひっそりとしていて決して一般の人が立ち入ることがないけど、安全に対策が取られている…そんなダムでした。

大黒谷ダム諸元

河川名庄川水系尾上郷川
目的発電
型式中央土質遮水壁型ロックフィルダム
堤高34m
堤頂長140m
堤体積280,000m3
流域面積64.6km2
湛水面積9ha
総貯水容量1,070,000m3
有効貯水容量320,000m3
ダム事業者電源開発(株)
本体施工者伊藤組土建
着手年1969年
竣工年1971年
ダム湖名

その他の設備/所感

基本的に立ち入りが禁止されていますからすべて×になりますが、釣りだけは禁漁区が設定されているため○としています。

駐車場×
トイレ×
公園×
PR展示館×
釣り
この記事を書いた人
神馬シン

福澤桃介をこよなく愛するダム愛好家/ダムペディア・ダムニュース管理人/(一財)日本ダム協会公認ダムマイスター(01-018)/放流注意グッズの販売はじめました→https://shop.dampedia.com

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