所在地:栃木県日光市黒部
取材日:2010/10/02(土)
右岸より下流側堤体を望む
今市ダムから始まったこの日の最後を締め括るのは黒部ダム!黒部ダムというと富山県の日本一のアーチダム(黒部ダム(富山))を思い出す人が大半だと思いますが、ここは栃木県。栃木県にも黒部ダムがあるのです。それも「日本初の発電用コンクリートダム」なのです。
右岸より天端を望む
当然私自身はそれを知っていたので、この日を結構楽しみにしていたのですが、夕方という撮影条件のためか、撮影自体難しかったです・・・。
栃木県の黒部ダムは富山県の黒部ダムと違って小さくて古いダムですが、味の方はこちらのダムの方がかなり良いと思います。
非常用洪水吐
純径間 x 扉高:10m x 4m
開閉速度:0.3m/分
扉体重量:18t
製作年月:昭和41年12月
製作:大島工業(株)
取水口
非常用洪水吐の脇に発電用の取水口があります。上部に拡声器のようなものがあり、ちょっと可愛らしく思ってしまいました。
左岸よりダム湖側の堤体を望む
ローラーゲートが全部で8門あります。しかし、1912年の竣工時には22門あり、1987年から行われた老朽化に伴う改修工事で8門に減らされたそうです。
左岸よりダム湖を望む
だいぶ日が沈んできました。
この辺りは取水口に近いため、水がよく動いています。これから働くぞー!という意思がダム湖から感じられますw
左岸より堤体を望む
左側の導流部は建設当時からのもので、右側のゲート部分は改修工事以後のもの、ということになりますね。
左岸より水圧鉄管を望む
この水圧鉄管も改良工事の際に増設されたもののようです。
洪水吐導流部
たぶんあまり使われていないでしょうね。
石貼りのアップ
良いですねー。この感じ。
導流部の方こそ古くていい味出してるのに、そちらはアップで撮りそこねましたw
モニュメントと堤体を望む
この歯車は1912年の竣工時から77年間使用されてきたラック式巻上機の一部だそうです。石碑は大正時代にこの場所に流れ着いた石なんだとか。
ちなみに黒部ダムは、これまで湾曲した形状から長らく「重力式アーチダム」という型式となっていましたが、東京電力での認識は「重力式コンクリートダム」であり、これを尊重する意見も多いことから、当サイトも重力式コンクリートダムとの位置づけとします。
本音を言えば、重力式アーチは貴重なのでそうあって欲しいという思いもありますがw
右岸より下流側の堤体を望む
意外とこのダムは撮影が難しいですね。まぁ、ウデが無いだけかもしれませんがw
放流の様子
こうした放流シーンを間近で見れるのは良いですね。全門放流シーンは写真でしか見たことがありませんが、ぜひこの目で見てみたいものです。
黒部ダムの夕暮れ
とまぁ、やや不満の残る撮影でしたが、またいつか訪れたい・・・そんなダムでした。
ダム諸元
河川名 | 利根川水系鬼怒川 |
目的 | 発電 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 28.7m |
堤頂長 | 150m |
堤体積 | 81,000m3 |
流域面積 | 267.3km2 |
湛水面積 | 8ha |
総貯水容量 | 2,366,000m3 |
有効貯水容量 | 1,160,000m3 |
ダム事業者 | 東京電力(株) |
本体施工者 | 早川組 |
着手年 | 1911年 |
竣工年 | 1912年 |
その他の設備/所感
見学を目的としていませんので、駐車場はありませんが、何とか路肩に止められるスペースがあります。近くには露天風呂がある温泉もあり、そうした意味でもオススメのダムです。
駐車場 | × |
トイレ | × |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | × |
コメント
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