所在地:栃木県日光市湯西川
取材日:2010/10/02(土)
栃木県道249号線湯西川温泉からのアプローチ「三河沢橋」
湯西川ダム建設工事現場見学会(2010/10/02)を終え、「川治ダムキャットウォーク体験&水陸両用バス」か「三河沢ダム以後のダム巡り」か、散々逡巡した挙句、結局ダム巡り続行となりました。まぁ、水陸両用バスに乗るならまたいずれ乗れるだろうし、キャットウォークも正式に見学を申し込むことで見学も可能でしょうし。
ということで、三河沢ダム。
湯西川からひたすら西進すると、この看板と橋が見えてきます。ただ、結構な距離な上にカーナビもかなりいい加減だったので、だんだんと不安にかられますが・・・。
三河沢ダムへの道を塞ぐゲート
人も車も立入禁止なのか、車のみ立入禁止なのか、よくわからないのがこの三河沢ダムの特徴でもあります。ただ、過去に訪問されている方は、徒歩で行っているようでしたので、1枚目の写真のような場所に車を停めさせていただき、徒歩でダムまで行くことにしました。この場所はmarcさんからも聞いていた場所だったのですけどね。 ※駐車は自己責任でお願いします。(2022.7.9追記:県のウェブサイトによれば現在は管理所までの林道は立入禁止とのことです)
marcさんによれば、釣り人が停めることもあるそうなので、必ずしも空いているとは限らない、とのことでした。
「山を甘くみないで!」
一人だったのでこうした看板を見ると心細くなります・・・。
それにダムダムと浮かれていて遭難なんてシャレにならないですからね。
ただし、ダム巡りは自己責任です。
それにしても、クマ鈴とか持ってきていない自分・・・その時点で甘く見ていると言われても仕方がありません。
「危ない!!」・・・放流注意看板
自分の計算上では徒歩で30分という事でしたが、marcさんからはもっと掛かるかも!?と言われており、構わず来てしまったものの、不慣れな土地ですので不安にかられます。五十里ダム(0559-五十里ダム/いかりだむ)からは完全にソフトバンクの電波が入らない状況でしたから・・・。
「行方不明・滑落事故多発」看板
道中、私を脅すこれらの看板。
三河沢川の流れ
不安に怯えながらも川の写真を撮ってみたり・・・と後ろから物音が!!
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marcさんでした。
途中にある砂防堰堤
湯西川の道の駅ではmarcさんが先に出発されていたので、てっきり先に行ってるものと思いましたが、どうやらどこかで抜いてきてしまったようです。で、ここからは二人で三河沢ダムまで目指します。marcさんは自転車でしたが、クマ避けの鈴とラジオまで持参されており、ダメダメな私を露呈する格好に・・・。いやでもマジで心強かったですw
下流より堤体を望む
で、通行止の箇所から歩くこと30分。ついに堤体が姿を表しました!!
下流より堤体・減勢工を望む
おぉ、直下から拝める♪と思っていましたが、残念ながら直下へ通じる道は立入禁止でしたw
下流より減勢工を望む
すみません、新しいカメラに慣れていないもので斜めになってしまっていますw
下流よりクレストゲートを望む
すみません、この写真も斜めってます。クレストは流行の自然越流式。向こう側が見えてますね。
右岸下流側より堤体を望む
さらに急勾配になる坂道を歩きます。結構ヒザに来ますね・・・。marcさんは自転車を押しますが、こちらも辛そうです・・・。
ちょっとずつ堤体に近づいていますが、木と木の間からチラッと見えるだけ・・・。
右岸下流側よりフーチング・導流壁を望む
あのフーチングを降りてみたいけど、今回ばかりはむしろ柵で閉まっていて欲しいと祈っていました。
三河沢ダム周辺案内図
こうした案内図があることから、この道路は車では立ち入ることができませんが、徒歩ならOKなんじゃないかと思われます。登山やハイキング、釣り人等に見てもらうためでなければ、こんなものは無駄になってしまいますからね。(2022.7.9追記:県のウェブサイトによれば現在は管理所までの林道は立入禁止とのことです)
さらに近くには三河沢ダムについて詳細が書かれた大きな看板もありました。それによれば、三河沢ダムは洪水調節、河川維持用水、上水道用水としての機能を持っていますが、下流の栗山村では観光客が増え、水需要が増したのだそうです。
右岸下流側の展望台より堤体を望む
おお、やっと全貌が見えました。展望台もありここから三河沢ダムを満喫することができます。三河沢ダムの竣工は2003年と比較的新しいですから、コンクリートの表面がキレイですね。
右岸下流側の展望台より利水放流を望む
左岸側堤体下部に利水放流設備があります。
三河トンネル
続いて天端に向かいます。天端へはこのトンネルを抜けます。ちなみに「三河」とありますが、ここは愛知県ではありませんよ。
三河沢ダム管理所
念のため管理所に見学を申し出ます。勝手に天端に入って怒られるのもアレですし。といっても率先して申し出たのはmarcさんでしたがw
定礎石
管理の入口近くに定礎石が鎮座しています。それを撮影する私とmarcさん。管理所の方が不思議がっていましたw
右岸よりダム湖側の堤体を望む
水位がかなり低いですね。オリフィスにも届いていませんが、堤体の濡れ具合から数時間前まではオリフィスから放流していたかもしれません。
右岸より天端を望む
ダムサイトの高欄は木目調になっています。景観に配慮してのことでしょうか。
右岸より導流壁を望む
まっすぐ突き出た導流壁がどことなく印象的でした。
右岸より下流側の堤体を望む
ここから越流する姿を見てみたいですね。まぁ、三河沢ダムに限りませんが。
天端より導流部・減勢工を望む
オリフィス上部には三角形のスポイラーが付いています。
天端より下流を望む
右岸側の直下に道が見えますが、あの道は残念ながら立入禁止です。
天端より右岸のフーチングを望む
フーチングも導流壁も立派です。左上には展望台が見えていますね。
天端より左岸のフーチングを望む
両岸ともそうですが、フーチングが階段で言うところの「蹴上」と「踏面」の寸法がバラバラなのは何か意図があるんでしょうかね。
左岸より下流側の堤体を望む
何度も言いますが、ここから越流する姿を見てみたいですね。でも越流すると分かっていても、すぐには行けない距離なのが残念でなりません。
左岸よりダム湖側の堤体を望む
そういえば、利水放流は選択取水っぽいですが、未確認です。
ダム湖を望む
夕方に近づいているためか、元からなのか、ダム湖の色が濃いですね。山もだいぶ色づいてきました。
それにしてもあの橋といい、やはり誰かに見てもらうために造ったとしか思えないですね。一般車の通行が禁じられているのが、ちょっと残念ですが、まぁ環境と安全に配慮してのことでしょう。
左岸より天端を望む
こうしてみると普通の堤体ですが、ハイキング気分で訪れるのも良いですね。お弁当持ちながら。
そして、私たちはさらにこの後、上流を目指します。
熊出没注意!!平成22年4月21日目撃
近辺でクマが出没したようです。特に2010年のこの年はクマの被害が相次ぎましたので、こんな看板を見るとますます対クマ装備をしてこなかった自分が恥ずかしいです・・・。
瀬戸権現大橋
ダム湖に架かる橋は「瀬戸権現大橋」という名が付いています。ここでもまた「瀬戸」という愛知県ゆかりの地名が付いていますね。「三河」といい「瀬戸」といい、何か関係があるのでしょうか?ちなみに「権現」は上流に「権現滝」という滝があるそうで、そこから付けられたようです。
インクライン?
インクラインのように見えますが、後で行ってみましょう。それにしても長く急ですね。
インクラインと見せかけて急な階段
ダム湖に船が係留されていますが、インクラインとしての役割は無さそうです。ということで、ただの階段でした。ただ、転落しそうなほど急な階段ではあります。
上流の瀬戸権現大橋より堤体を望む
このダムのいちばんのビューポイントはここからの眺めだと思います。堤体はダム湖側を本来は正面といいますが、正面らしくいちばんキレイに見えるのがこの場所ですね。それに、周囲の山々とダムの規模により、スケール感が狂いそうになり、ダムがまるでミニチュアのように見えます。
そして、私たちはクマが出るかもしれない山道を再び下ったのでした。
ダム諸元
河川名 | 利根川水系三河沢川 |
目的 | 洪水調節、農地防災、不特定用水、河川維持用水、上水道用水 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 48.5m |
堤頂長 | 97.5m |
堤体積 | 58,000m3 |
流域面積 | 13.9km2 |
湛水面積 | 7ha |
総貯水容量 | 899,000m3 |
有効貯水容量 | 829,000m3 |
ダム事業者 | 栃木県 |
本体施工者 | 鹿島建設・三井住友建設 |
着手年 | 1984年 |
竣工年 | 2003年 |
その他の設備/所感
県道にあるダムへの道の入口から一般車の通行が禁じられています。その入口付近に車を停める事になりますが、かといって駐車場があるわけではありません。
駐車場 | × |
トイレ | ○ |
公園 | × |
PR展示館 | × |
釣り | ○ |
コメント
こんばんは!
その節はどうもお世話になりました
なんか、既に懐かしい感じもしますねw
11/22のイベントも参加されるようですね
またよろしくお願いします
あっという間ですねー。
先月のことですのにw
22日はまたご一緒できるのですねー!
こちらこそお手柔らかにお願いしますw